給排水工事

給排水工事に関する
資格を取得したい!
難易度や受験資格は?

給排水工事とは、給水(水道など)や下水に関する設備を建物や施設に設置したり撤去したりする工事のことです。倉庫など、一部を除いて建物を造る際は必要な工事ですので、技術者は常に一定の需要があります。給排水工事は、給水装置工事主任技術者や排水設備工事責任技術者の監督下で行わなければなりません。これらの資格取得を目指して勉強に励んでいる人もいることでしょう。
そこで、今回は、給水装置工事主任技術者の資格を取得する方法を中心に、給排水工事について解説します。

この記事を読めば、給排水工事とは何か、ということもよく分かるでしょう。興味がある人や資格取得を目指している人は、ぜひ読んでみてくださいね。

01. 給排水工事の
基礎知識

はじめに、給排水工事とはどのようなものかということを解説します。どのような時に必要な工事なのでしょうか?

1-1.給水装置工事とは

給水装置工事とは、水道局が引いた水道管から敷地内へ給水管を伸ばす工事から、水道の蛇口まで給水管を伸ばし、給水装置(蛇口)を設置するまでの工事を指します。施設内に水道管を配置したり、給水塔や給水タンクを設置したりする工事も給水装置工事の一部です。また、給水装置を設置するだけでなく、撤去したりリフォームしたりする工事も含まれます。

1-2.排水設備工事とは?

排水設備工事とは、排水管や排水枡の設置・工事・リフォームを行う工事です。給水管に比べると排水管はつまりなどのトラブルが起こりやすいので、排水設備工事の方が行われるケースが多いでしょう。排水設備工事と給水設備工事の両方を請け負う会社もありますが、排水設備工事専門、という業者もあります。

1-3.工事の種類について

給水設備や排水設備は、建物を建てる時や、撤去する際に工事が必要になります。また、給水管や水道の蛇口などの給水装置、排水枡(はいすいます)、排水管などの排水設備は経年により劣化するため、10~20年を目安に定期的な交換が必要です。特に、サビが浮きやすい金属製の給水管・蛇口、金属性の排水枡(はいすいます)は劣化が早いので、不具合が出たら早めに点検をしてもらってください。また、水回りのリフォームの際に、給排水設備も一新することもあるでしょう。また、排水管の詰まり、給水管の水漏れの修理なども給排水工事の一環です。なお、給排水工事は基本的に建物の所有者が行いますが、水道メーターの故障や交換は水道局が行います。

02. 給水装置工事を行うのに
必要な資格について

この項では、給水装置工事を行うのに必要な資格を解説します。どのような資格が必要なのでしょうか?

2-1.給水装置工事主任技術者とは

給水装置工事主任技術者とは、給水装置工事の工事計画を立てたり、給水装置工事を行う際に技術上の監督を行ったりすることができる資格です。また、工事が終わった後で行われる水道局員による検査の際、立ちあいを務めることができます。無資格者が給水装置工事を行う場合は、必ず給水装置工事主任技術者の監督下で行わなければなりません。

2-2.資格を取得するメリット

給水装置工事主任技術者の資格を取得すれば、給水装置工事を行う際、責任者になることができます。また、水道局から適正な給水装置工事を行う業者と認められた、「指定給水装置工事事業者(水道局指定工事店)」になるには、給水装置工事主任技術者の有資格者が所属していることが必要です。そのため、取得すれば転職にも役立ちます。

2-3.有資格者の需要

給水装置工事主任技術者の有資格者は、給水装置工事を行う業者すべてから一定の需要があります。水道工事店だけでなく、リフォーム会社や建築業者からも求人があるでしょう。給水装置工事は、これからも不要になることはありませんので、将来性もあります。給水装置工事主任技術者の給与は300万円前後~ですが、大きな会社になるほど資格手当なども含めて、給与が高くなる傾向にあるでしょう。

03. 資格を取得する
方法や勉強のコツ

この項では、給水装置工事主任技術者の資格を取得する方法や勉強のコツを解説します。ぜひ、参考にしてください。

3-1.資格取得の方法

給水装置工事主任技術者の資格は、給水装置工事の実務経験を3年以上積み、給水工事技術振興財団が主催する試験を受けて合格すれば取得できます。実務経験については見習い等でもかまいません。ただし、資材を現場に運搬するだけの仕事や、水道工事店で事務仕事のみをしていたという場合は、実務経験になりませんので注意しましょう。

3-2.試験科目について

給水装置工事主任技術者の試験は、以下のような8科目の学科試験です。

  • 公衆衛生概論
  • 水道行政
  • 給水装置工事法
  • 給水装置の構造及び性能
  • 給水装置計画論
  • 給水装置工事事務論
  • 給水装置の概要
  • ​給水装置施工管理法

なお、管工事施工管理の種目にかかわる一級・二級の技術検定に合格している場合は試験科目の一部が免除になります。全科目の総合得点が40点以上、もしくは「給水装置の概要」と「給水装置施工管理法」を除く6科目の合計点が27点以上で合格です。

3-3.試験の申し込み方法

給水装置工事主任技術者の試験は、毎年10月に実施されます。年1回しか実施されませんので、挑戦したい人は申し込みを忘れないように注意しましょう。申し込み方法は、給水工事技術振興財団のホームページから申し込みをしたうえで、必要書類を郵送する方法です。電子申請だけでは申し込み完了となりませんので、注意しましょう。詳しくは財団のホームページを確認してください。なお、試験は東京や大阪など全国の主要都市でのみ行われるので、遠方の人は宿泊準備も必要です。

3-4.難易度や合格率について

給水装置工事主任技術者の合格率は27%~30%前後と、国家資格の中では平均的な合格率です。難易度は「普通」ですが、これは予備校等に通って受験テクニックを身につけなくても合格できるという意味であり、試験が易しいわけではありません。一夜漬けではとても合格できませんので、しっかり勉強しましょう。

3-5.勉強方法について

給水装置工事主任技術者の勉強は、独学か通信教材を使う方法が一般的です。市販されているテキストの中では、オーム社発刊の「これだけ覚えるシリーズ」が人気ですので、テキストを探している人は、まずそれを確認してみましょう。このほか、過去問題集を1冊買って、くり返し解いておくと合格に必要な力が身につきます。過去問は問題の傾向や自分の実力を把握するために必ず解いておいてください。
また、独学に自信がない方や、独学で試験にチャレンジして不合格だった方は、通信教材がおすすめです。現在の通信教材はメールで質問も受け付けてくれますので、分からないことがあってもすぐに質問できるでしょう。

04. 給排水工事の資格に関する
よくある質問

Q.給水装置工事主任技術者の資格を取得すれば、独立は可能ですか?
A.はい。自分で水道工事店を開業することはできます。

Q.給水装置工事主任技術者の資格試験に年齢制限はないのですか?
A.はい。ありません。20歳未満でも挑戦できます。

Q.給水装置工事の実務経験とは、実際に工事に携わっていれば積むことができるでしょうか?
A.はい。大丈夫です。分からないことがあったら給水工事技術振興財団に問い合わせてください。

Q.現在は、給水装置工事に携わっていませんが3年以上の経験があれば資格取得は可能ですか?
A.実務経験の証明ができれば大丈夫でしょう。

Q.給水装置工事主任技術者の資格を取得すれば、排水工事もできますか?
A.いいえ。排水工事責任技術者という資格が必要です。

05. まとめ

いかがでしたか? 今回は給排水工事に関する資格について解説しました。給水装置工事主任技術者の資格を取得すれば、技術の証明にもなります。受験条件を満たしている方は、ぜひ挑戦してみましょう。昇進や昇給の道も開けます。

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