主任無線従事者になりたい!資格取得の方法や勉強法、職務内容を徹底解説!

主任無線従事者になりたい!
資格取得の方法や勉強法、
職務内容を徹底解説!

主任無線従事者とは、無線局に設置されている無線設備の技術的な操作を監督することができる資格です。主任無線従事者の監督下であれば、無資格者でも限られた無線設備の操作を行うことができます。現在は携帯電話の基地局など無線基地局が増え続けていますので、有資格者の需要も高く、資格取得を考えている方も多いことでしょう。

そこで、今回は主任無線従事者の資格を取得する方法や、行うことのできる職務を解説します。

この記事を読めば、主任無線従事者の資格を取得するまでのプロセスが、よく分かるでしょう。主任無線従事者の資格取得を目指す方は、ぜひ読んでみてくださいね。

01. 主任無線従事者の
基礎知識

はじめに、主任無線従事者の概要や資格を取得するための条件について解説します。資格取得をするには、どのような条件をクリアする必要があるのでしょうか?

主任無線従事者の概要

前述のとおり、主任無線従事者は無資格者が無線基地局で無線機器を操作する際、操作を監督することのできる資格です。かつては、無線機器を技術的に操作するには無線従事者の資格が必要でした。1989年に電波法が改正された際、モールス信号による遭難通信・緊急通信・安全通信以外は、主任無線従事者の監督下でしたら無資格者でも行えるようになったのです。

無線通信と法律について

無線通信は電波法という法律で、使用できる電波の周波数や空中線電力が事細かく決まっています。個人が好き勝手に電波を飛ばして無線通信を行うことはできません。アマチュア無線もアマチュア無線技士という資格が必要です。ですから、主任無線従事者の監督下で何年無線機器の操作を行っていたとしても、無資格では単独で無線機器を技術的に操作することはできません。

なお、主任無線従事者に関する法律は、電波法の第39条に定められています。詳しく知りたい方は、総務省の該当ページを確認してください。

主任無線従事者になることができる人とは?

主任無線従事者になるには、アマチュア無線従事者以外の無線従事者の資格を取得しておく必要があります。無線従事者には、総合・陸上・海上・航空の4区分があり、区分内でも使える無線機器の周波数や空中線電力によっていくつかの区分があるのです。資格区分について詳しく知りたい方は、日本無線協会の該当ページをご覧ください。

なお、主任無線従事者にはどの資格区分を取得していてもなることができますが、自分が取得した資格区分で扱える基地局の無線機器でしか監督業務を行うことはできません。たとえば、陸上無線従事者の資格を取得した方が、航空無線を行う基地局で主任無線従事者の仕事をすることはできないので、注意しましょう。

また、以下のような方は無線従事者の資格を取得していても、主任無線従事者になることはできません。

  • 電波法第9章に定める罪を犯し、罰金以上の刑が確定してその刑の執行が終わって2年以内である
  • 電波法に違反した等の理由により無線通信の業務に従事することを停止され、その処分期間が終了して3か月以内である
  • 主任無線従事者として選任される日から5年以内において、無線局での無線機器の操作や監督業務に従事した期間が3か月未満である

主任無線従事者の仕事内容

主任無線従事者の仕事内容は、監督業務のほかにも

  • 無線設備の保守点検
  • 無線業務日誌の作成、もしくは作成したものの確認
  • 主任無線従事者の仕事をスムーズに行うために意見を述べる

などがあります。ですから、無線機器を技術的に取り扱えるだけでなく、ある程度人の上に立ったことのある立場の人が職務を遂行しやすいでしょう。また、無線設備の保守点検のために電気工事士の資格を取得する方もいます。

主任無線従事者の資格を取得するメリット

主任無線従事者の資格を取得すれば、前述のとおり無資格者が無線機器を操作する際に監督を行うことができます。無線従事者の資格と共に取得していれば、仕事の幅も広がることでしょう。資格手当をつけるところもありますので、給与がアップする可能性もあります。

主任無線従事者を必要としている職場は複数の無線局がある大規模なところも多いので、転職をする際にも有利でしょう。

無線従事者を選任したら行うこと

主任無線従事者を選任した無線基地局の免許人(無線局を開設する際に免許を受けた人)は、その旨を総務大臣に届けなければなりません。なお、無線従事者の資格だけを持っている方を主任無線従事者として選任して届け出た後で、必要な講習を受講し、主任無線従事者の資格を取得しても大丈夫です。

また、主任無線従事者が監督業務を行える無線基地局の数に、制限はありません。複数の基地局の監督業務を兼任することも可能です。ただし、主任無線従事者は特別な場合を除いて無資格者が無線機器を操作する際、その場に立ち合いをしていることが必要ですので、離れた場所にある無線基地局の監督業務を1人で行うことは実質的にはできません。

02. 主任無線従事者の
資格取得方法

この項では、主任無線従事者の資格を取得する方法を解説します。どのような方法なのでしょうか?

主任無線従事者の資格取得方法

主任無線従事者の資格を取得するには、日本無線協会が主催する6時間の講習を受講する必要があります。なお、この講習は主任無線従事者に選任されて6か月以内に受ければよいことになっていますので、選任された時点で主任無線従事者の資格を取得していなくても問題はありません。

講習は2月・6月・10月に全国の主要都市で行われ、東京のみ8月にも講習が開かれます。詳しい実施場所などは協会のホームページを参考にしてください。

なお、主任無線従事者の講習は5年ごとに更新が必要です。1度資格を取得し、主任無線従事者として仕事をしている場合は、5年ごとに講習を受けなければなりません。

講習の申し込み方法など

主任無線従事者の講習を受講したい場合は、日本無線協会の本部や全国の各支部に申し込みましょう。申請書は協会のホームページからダウンロードできます。受講料は26,900円です。
なお、長期航海をする船舶で主任無線従事者の仕事を行っており、5年ごとの更新と航海時期が重なる場合は、船が日本に到着してから3か月以内に講習を受けましょう。

03. 無線従事者の資格を
取得する方法

この項では、無線従事者の資格を取得する方法を解説します。どのような方法があるのでしょうか?

無線従事者の種類

前述のとおり、無線従事者には

  • 総合無線通信士(1~3級)
  • 陸上無線従事者(陸上無線技術士1.2級・陸上特殊無線技士1~3級・国内電信級陸上特殊無線技士)
  • 海上無線従事者(海上無線通信士1~4級・海上特殊無線技士1~3級・レーダー級海上特殊無線技士)
  • 航空無線従事者(航空無線通信士・航空特殊無線技士)
  • アマチュア無線技士(1~4級)

の5種類の資格区分があります。この中で、総合無線従事者は陸・海・航空すべての無線基地局で無線機器の操作が行える資格です。それ以外は、陸・海・航空それぞれの基地局で無線機器の操作を行うことができます。なお、陸上に基地局があっても、船舶や航空機と無線通信を行う場合は、海上無線基地局・航空無線基地局に分類されるので、陸上無線従事者が無線機器の操作を行うことはできません。

資格取得の方法

無線従事者の資格を取得するには、養成課程を修了する方法と日本無線協会が主催をする資格試験に合格する方法があります。養成課程を修了して資格取得ができるのは、以下の資格区分です。

  • 海上無線通信士(3.4級)
  • 海上特殊無線技士(1~3級)
  • レーダー級海上特殊無線技士
  • 航空無線通信士
  • 航空特殊無線技士
  • 陸上特殊無線技士(1級~3級)・国内電信級陸上特殊無線技士
  • アマチュア無線技士(1級~4級)

養成課程には受講資格が定められていないものと、一定の条件が必要なものがあります。ですから、自分が取得したい資格区分に受講を受けるための条件が定められているかどうかを、協会のホームページから確認してください。養成課程は全国で行われるほか、eラーニングでも受講ができます。

資格試験を受験して合格する必要がある資格区分は、

  • 総合無線通信士(1~3級)
  • 陸上無線技術士(1.2級)
  • 海上無線通信士(1.2級)

です。なお、養成課程を受講して資格取得ができる資格区分も、資格試験が設けられています。資格試験を受けた方がすぐに資格取得できるということで、試験を選択する方もいるでしょう。

資格試験の科目や申し込み方法など

無線従事者の試験科目は、資格区分によって異なります。無線工学・法規・英語・地理などがありますので、受験したい資格区分の試験科目を確認してください。受験資格は定められていません。どの資格区分も国籍・年齢などを問わずに受験できます。また、取得している資格によっては試験科目の免除がありますので、確認をしてください。

無線従事者の試験は、1年を通して行われます。日本無線協会のホームページ上で随時募集が行われているので、受験をしたい資格区分の受付期間がきたら、ホームページ上から電子申請を行うと便利です。

合格率や勉強方法

無線従事者の試験は資格区分ごとに合格率が異なり、総合無線通信士が最も難易度が高くなっています。合格率は数%~20%前後を推移しており、何度もチャレンジして資格を取得する方も珍しくありません。一方、陸・海・航空の特殊無線技士などは合格率が30%以上あり、等級が低いものは1発合格できやすいでしょう。全く知識のない状態から資格を取得していく場合は、等級の低い資格からチャレンジしていき、上位資格を目指すのも一つの方法です。

なお、勉強方法は独学や通信教材の利用があり、等級の低い資格は独学でも十分に合格できるでしょう。無線通信士や無線技術士の資格取得にチャレンジする場合は、通信教材の利用もおすすめです。認定講習会と資格試験のどちらを利用しても資格が取得できる区分は、合格率と時間の余裕を比較して取得方法を選びましょう。

04. 主任無線従事者に対する
よくある質問

Q.認定講習を受講中で確実に無線従事者の資格が取得できることが分かっていますが、主任無線従事者の講習を同時に受けることはできますか?
A.できません。無線従事者の資格を取得していることが受講の条件です。

Q.主任無線従事者として働く必要がなくなり、5年以上講習を受けていません。資格は失効しますか?
A.失効はしませんが、また主任無線従事者として働く場合は講習を受けてください。

Q.アルバイトやパートを主任無線従事者に選任することは可能ですか?
A.禁止されてはいませんが、責任ある立場ですので、アルバイトやパートよりは正社員の方がよいでしょう。

Q.主任無線従事者に年齢制限はありませんか?
A.はい。ありませんので、何歳でも取得できます。

Q.学生時代に無線従事者の試験に合格しましたが、資格を活用して働いてはいません。主任無線従事者にはなれますか?
A.3か月以上無線従事者として働いていない場合は、主任無線従事者の選任を受けることはできません。

05. 主任無線従事者
まとめ

いかがでしたか? 今回は、主任無線従事者の資格取得方法を中心に解説しました。主任無線従事者は無線従事者の資格を取得し、活用して仕事をしていれば、容易に取得ができます。機会があったらぜひ取得をしておきましょう。なお、会社の要請で資格を取得する場合は、講習費用を会社が負担してくれるところもあります。

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