電験三種は、就職・転職に役立つことで人気が高い資格です。さて、「電験三種に合格するためには、どんな参考書を選べばいいのか」「電験三種の参考書の活用法や勉強法を知りたい」とお考えではないでしょうか。せっかく受験するのなら、自分に合った参考書を選び、試験当日に向けてしっかり学習したいですよね。そこで今回は、電験三種の参考書について詳しく解説します。
この記事を読むことで、電験三種の参考書を選ぶコツがよく分かります。電験三種の合格を目指している人は、記事を参考にしてください。
1.電験三種の試験概要や内容
最初に、電験三種の試験概要や内容を詳しく見ていきましょう。
1-1.電験三種は各種業界から需要が高い資格
電験三種は、第三種電気主任技術者試験のことです。電気主任技術者試験は、第一種・第二種・第三種の3つに区分され、難易度が異なります。それぞれの区分により保安監督を行える事業用電気工作物の範囲は、以下を参考にしてください。
- 第一種:すべての電気工作物
- 第二種:170,000V未満の電気工作物
- 第三種:50,000V未満の電気工作物(出力5,000kW以上の発電所を除く)
電験三種は初級の位置付けになりますが、事業用電気工作物の工事・維持および運用に関する保安の監督を行うスペシャリストとして需要が高い資格です。たとえば、発電所・変電所・ビル・工場やビル管理会社など、活躍の場が幅広くあり就職や転職に困ることはないでしょう。
1-2.試験は4科目のマークシート方式
電験三種の試験科目は理論・電力・機械・法規の4科目で、五肢択一のマークシート方式で行われます。より詳しい内容は、以下をご覧ください。
- 理論:電気理論・電子理論・電気計測および電子計測
- 電力:発電所や変電所の設計および運転、送電線や配電線路(屋内配線を含む)の設計・運用と電気材料
- 機械:電気機器・パワーエレクトロニクス・電動機応用・照明・電熱・電気化学・電気加工・自動制御・メカトロニクス・電力システムに関する情報伝送および処理
- 法規:電気法規(保安に関するもの限定)および電気施設管理
1-3.電験三種の出題傾向は?
電験三種の出題傾向は、以下のとおりです。効率よく学習するためにも、それぞれ頭に入れておきましょう。
- 理論:電気回路と電磁気に関する問題が7割程度を占め、計算問題が全体の7割程度
- 電力:変電分野・送配電分野などが例年多く出題され、計算問題が5割程度
- 機械:電気機器・パワーエレクトロニクス・照明に関する問題が多く、計算問題が6割程度
- 法規:電気事業法から電気設備技術基準の解釈まで幅広い知識が問われる、計算問題が4割程度
4科目とも半数程度は計算問題が占めます。頻出公式の暗記と過去問・例題を繰り返し解くことが合格のカギとなるでしょう。
1-4.最難関レベルの難易度
電験三種の合格率は、2018年の試験で9.1%でした。10人受験して1人受かるか受からないか、という最難関レベルの難易度です。合格基準は、4科目すべてで正答率60%以上が目安なので、満点を目指す必要はありません。しかし、難易度の高さを考えれば、合格するためには入念な準備が必要不可欠と言えるでしょう。
2.電験三種の参考書を選ぶポイント
電験三種に関する数多くの参考書の中で、最適なものを選ぶポイントや勉強方法などを詳しく解説します。
2-1.参考書を利用するメリットやデメリットは?
電験三種の受験に向けて参考書を利用するメリット・デメリットを、それぞれ見ていきましょう。
2-1-1.自分のペースで学習できるなどがメリット
電験三種の受験に向けて参考書を利用する場合、以下のようなメリットがあります。
- 自分のレベルや目的に合った参考書を選ぶことができる
- 自分のペースで学習できる
- 分からないところを何度も復習できる
- 安く学習できる
2-1-2.掲載情報が古いことがあるなどがデメリット
電験三種の受験で参考書を利用するデメリットは、以下をご覧ください。
- 参考書の発行年によっては掲載情報が古い
- 参考書の種類によっては学習内容が偏る
- 学習成果が出ないうちに自己満足に陥りやすい
- 自分に合わないものを選ぶと学習効率が悪くなる
2-2.参考書の主なタイプは?
電験三種の参考書は、以下の3つのタイプに分けることができます。
- 活用タイプ:合格レベルの基礎知識を身に付けることが目的
- 辞書タイプ:活用タイプよりさらに深い知識と理解力を身に付けることが目的
- 問題集タイプ:実際の試験を想定した問題集で、過去問が掲載されていることもある
2-3.自分に合った参考書の選び方
自分に合った参考書を選ぶためには、自分で手に取って中身を確認してみることをおすすめします。大きな書店では、資格取得に向けた参考書コーナーが充実しているはずです。なお、実際に選ぶときには、以下のポイントを参考にしてください。
- 自分が求めるタイプの参考書か
- むやみに難しすぎる言葉を使っていないか
- 適宜イラストなどを使って分かりやすく表現しているか
- 実際の試験の傾向に合ったものか
- 発行年月が新しいか
なお、通勤・通学時間を利用して参考書を活用する場合、携帯性も考える必要があります。大きなサイズのものや重量があって持ち運びしにくいものより、コンパクトにまとまったものが便利でしょう。
2-4.電験三種のおすすめ参考書を紹介
電験三種の受験に向けておすすめの参考書を3つご紹介しましょう。
2-4-1.いつでもどこでもササッとマスター 電験3種重要事項&公式ひとまとめ
電験三種で最低限必要な知識と公式をまとめ、試験合格レベルの基礎力を身に付けることができます。確認問題も豊富で、同時に応用力アップも期待できるでしょう。コンパクトなサイズで持ち運びやすく、通勤・通学時などのすき間時間を使った学習にもおすすめです。
2-4-2.電気教科書 電験三種合格ガイド 第3版
電験三種試験合格にターゲットを絞り、必要なポイントに焦点を当ててまとめた参考書です。各分野の頻出問題をくまなく網羅し、効率よく学習できるように編集されています。電子書籍版もあるので、スマホやタブレットにダウンロードして学習することも可能です。
2-4-3.みんなが欲しかった!電験三種の10年過去問題集 2019年度
2019年1月にTAC出版から発売された大型の問題集で、電験三種の過去問を10年分網羅した充実ぶりが好評です。各問題の解説も丁寧で分かりやすく、合格に向けてじっくり受験対策したい人におすすめの問題集と言えるでしょう。
2-5.参考書の上手な活用法や試験勉強のコツ
電験三種の参考書を入手したら、全体をざっと確認して学習計画を立てましょう。苦手分野は時間を多く割り当て、得点力を上げるように努力してください。電験三種は4科目全部で合格点を獲得する必要があります。苦手分野は早めに克服することが大切です。社会人なら、通勤時間や起床直後・帰宅直後などに10~20分程度ずつ学習するのもいいでしょう。休日に1週間分の復習をすれば実力が高まります。参考書を読んで分からないところ、理解が不十分に感じたところはそのままにせず、分かるまで読み込んだりネットなどで調べたりして必ずクリアにしておきましょう。試験当日まで参考書を何度も読み直し、自分のものにできるかが合格へのカギとなります。
3.電験三種の参考書に関するよくある質問
最後に、電験三種の参考書に関する質問に回答します。それぞれ確認しておきましょう。
Q.古い参考書で学習するのは無駄?
A.まったく無駄とは言いませんが、おすすめしません。電験三種試験に合格するためには、直近の出題傾向を踏まえて学習する必要があるからです。
Q.電験三種の参考書は高価なものほど質が高い?
A.参考書の価格と質が比例するとは限りません。また、高価な参考書でも自分に合わないケースもあるでしょう。参考書の価格より中身を重視し、自分に合うものを選んでください。
Q.試験日の直前1週間にはどんな勉強をするべきか?
A.すでに基礎知識は学習し終えていることを前提にすれば、過去問の繰り返しと苦手分野の補強に努めるのがいいでしょう。過去問を試験当日と同じ日程で解き、時間配分の感覚をつかんでおくこともおすすめです。
Q.評判のいい参考書を選ぶメリット・デメリットは?
A.以下を参考にしてください。
メリット
- 参考書選びで失敗する可能性が低い
- 初心者に必要な知識がまとめられているものが多い
- 入手しやすい
- 購入者限定で手厚いサポート付きのものも多い
デメリット
- 評判だけでは自分に合うかどうか分からない
- 早期に完売する可能性がある
Q.試験当日に実力を発揮するコツは?
A.前日の学習は早めに終え、十分に睡眠を取って体調を整えてください。試験当日は、集中力がものを言います。また、試験会場までの道順と所要時間を確認しておき、当日は早めに出て余裕を持って到着することも大切です。今までの学習成果を存分に発揮するためにも、万全な状態で臨みましょう。
まとめ
今回は、電験三種の参考書について詳しく解説しました。電験三種に合格する実力を養うためには、自分に合った参考書を選ぶ必要があります。まずは、どんな内容か自分の目で確かめながら選びましょう。参考書を入手した後は、試験日に向けて学習計画を立て、コツコツと準備を進めてください。通勤時間や帰宅直後などのすき間時間を活用すれば、忙しい人でも学習できるはずです。電験三種の合格に向けて参考書をフル活用し、合格を勝ち取りましょう。