設備工事

【必見】設備工事には
どんな資格が必要?
人気の資格を詳しく解説!

百貨店などの商業施設や図書館などの公共施設・オフィスビルや工場に至るまで、多くの建物や施設にはトイレ・空調・電気などの設備が整っています。設備工事は、建物や施設の設備工事を行うことです。設備工事が適切に行われているからこそ、利用者が快適・安心できます。設備工事の需要は高く、就職や転職を考えている人も多いことでしょう。そこで、今回は、設備工事について、人気の資格についても詳しく解説しましょう。

この記事を読むことで、設備工事に関する資格が理解でき、取得に向けて適切な準備を進められるようになります。まずは、記事を読んでみてください。

01. 設備工事について

最初に、設備工事に基本として、主な仕事や職場・必要性を解説します。

1-1.設備工事とは

設備工事とは、建物および施設の運営に必要な工事のことです。たとえば、電気工事・管工事・ガス工事などがあります。建物や施設を建築しても、電気・水道・ガスなどが使用できなければ困るでしょう。適切な設備工事を行ってこそ、快適に過ごすことができるのです。

1-2.設備工事の主な仕事

設備工事の主な仕事は、電気工事・管工事・ガス工事など設備運営に必要な工事を行うことです。設備工事を設計どおりに正しく進めることで、安心して設備を利用できるようになります。また、点検の結果不具合が発生したときには、修繕工事を行うことも大切な仕事です。

1-3. 設備工事の職場や必要性について

設備工事の職場は、ありとあらゆるところにあります。建物や施設には、各種設備が必要不可欠です。そのため、職場がなくなることはありません。実際には、設備工事会社などに就職し、現場に派遣となって働くことになります。多くの人が快適に建物や施設を利用するためにも、設備工事の必要性は高いのです。

02. 設備工事に関する資格について

設備工事に関する資格について、主な種類の人気度や難易度をはじめ、資格取得のメリットを解説します。

2-1.どんな資格があるか

設備工事に関する資格は、多く存在します。たとえば、以下のようなのものです。

  • 電気設備関連:電気工事士など
  • ガス設備関連:ガス主任技術者など
  • 水道設備関連:給水装置工事主任技術者など
  • ボイラー設備関連:ボイラー技士など
  • 管工事関連:配管工事士など

2-2.関連資格で特に人気の高いものについて

関連資格の中でも、以下の3種類は特に人気が高くなります。それぞれの難易度も併せて確認してください。

2-2-1.電気工事士

電気工事士は、電気工事士法に基づく資格であり、管轄は経済産業省です。電気工事士には、以下の2つの区分があります。

  • 第一種電気工事士:500kW未満の自家用電気工作物および一般用電気工作物(一般家屋・小規模商店・600V以下で受電する電気設備など)の工事が可能
  • 第二種電気工事士:一般用電気工作物の工事が可能

2-2-2.ボイラー技士

ボイラー技士は、空調・温水ボイラーの操作や点検が主な業務です。ボイラー技士は、厚生労働省の管轄で労働安全衛生法に基づく国家資格であり、以下の3つの区分があります。

  • 特級ボイラー技士 :すべての規模のボイラー取扱作業主任者になれる
  • 一級ボイラー技士 :伝熱面積の合計が500m2未満のボイラー取扱作業主任者になれる
  • 二級ボイラー技士 :伝熱面積の合計が25m2未満のボイラー取扱作業主任者になれる

2-2-3.配管技能士

配管技能士は、水管や排水管・ガス管をはじめ、空気清浄装置・冷暖房の換気設備など、建築物の配管工事を行う技能を有する資格です。管轄は厚生労働省であり、職業能力開発促進法に基づいており、以下の3つの区分があります。

  • 1級配管技能士:上級レベル(配管工事全般にかかわる知識・技能が身についている)
  • 2級配管技能士:中級レベル(適切な材料を用意して工事ができる)
  • 3級配管技能士:初級レベル(配管工事の基本がわかる)

2-3.設備工事に関する資格取得のメリット

設備工事に関する資格取得には、以下のようなメリットがあります。

  • 就職や転職に有利
  • 求人が安定している
  • 年収アップにつながる
  • 専門的な仕事にかかわることができる

03. 設備工事に関する資格の取り方

設備工事に関する資格の取り方について、主なものをそれぞれ詳しく解説します。

3-1.電気工事士の取得について

電気工事士の受験資格・試験概要・試験内容などに関しては、以下を参考にしてください。

3-1-1.受験資格

電気工事士試験には、受験資格はありません。誰でも試験を受けることができますが、電気関連の知識がまったくない状態で受けるのは困難です。未経験での受験を考えている人は、しっかりと計画立てて学習をすすめましょう。

3-1-2.試験概要

電気工事士の試験概要は、以下を参考にしてください。

  • 試験日程:第一種(筆記試験10月・技能試験12月)、第二種(上期は筆記試験6月および技能試験7月、下期は筆記試験10月および技能試験12月)
  • 試験地:第一種:札幌から那覇まで全国13か所(技能試験は11か所)、第二種(上期は全国・下期は札幌から那覇まで全国14か所)
  • 受験料:第一種(郵便11,300円、ネット10,900円)、第二種(郵便9,600円、ネット9,300円)
  • 申し込み方法:郵便もしくはネット経由で申し込み
  • そのほかの注意点:第二種は同一年度に2回受験できない(上期・下期の連続受験不可)

なお、より詳しいことは、一般財団法人電気技術者センターの試験案内ページをご覧ください。

3-1-3.試験内容

電気工事士の試験内容は、下記のとおりです。

  • 試験科目:(第一種)電気に関する基礎理論・配電理論および配線設計など9科目、(第二種)電気に関する基礎理論・配電理論および配線設計など7科目
  • 実技試験:詳しい内容はこちらを参照
  • 合格基準:筆記試験は正答率60%以上、技能試験の判定基準はこちらを参照

3-1-4.おすすめの勉強法

電気工事士の筆記試験は、過去問や市販の問題集などを繰り返し解き、正答率を上げることをおすすめします。また、筆記試験に関しては事前に「候補問題」が公表となるため、早めに入手し対策してください。

3-1-5.受験の注意点

電気工事士は、学科試験だけでなく実技試験も伴います。基礎知識を身につけるだけでなく、実技科目も準備が必要です。未経験者は感覚をつかみにくい可能性があるので注意しましょう。民間の資格取得専門スクールや、自治体などが実施する試験準備対策講座などの利用をおすすめします。

3-2.ボイラー技士の取得について

ボイラー技士の受験資格・試験概要・試験内容などは、以下をご覧ください。

3-2-1.受験資格

二級ボイラー技士には、受験資格がないので誰でも受けることができます。一級と特級に関しては、一定の条件が必要です。詳しくは、こちら(一級の受験資格特級の受験資格)を確認してください。

3-2-2.試験概要

ボイラー技士の試験概要は、以下のとおりです。

  • 試験日程:二級・月に1回程度、一級・年に7回程度、特級・年に1回
  • 試験地:全国の安全衛生技術センターの指定会場
  • 受験料:いずれの級も6,800円
  • 申し込み方法:郵便もしくは持参にて申請

なお、より詳しいことは公益財団法人安全衛生技術協会の試験案内ページを参考にしてください。

3-2-3.試験内容

ボイラー技士の試験内容は、以下をご覧ください。

  • 試験科目:ボイラーの構造に関する知識・ボイラーの取り扱いに関する知識・燃料および燃焼に関する知識・関係法令
  • 実技試験:なし
  • 合格基準:各科目がそれぞれ40%以上の得点率かつ総合計で60%以上の得点率

3-2-4.おすすめの勉強法

ボイラー技士の勉強は、過去問を繰り返し解くことが大切です。また、通勤途中や帰宅直後などのすき間時間を使い、勉強に充てましょう。まずは、試験範囲全体をざっと勉強し、基本を理解してから過去問に集中するとより効果的です。

3-2-5.受験の注意点

ボイラー技士の合格率は、二級および一級が約50~60%・特級が20~30%程度です。大規模な施設用のボイラーを扱うためには、より上位級が有利になるでしょう。しかし、まずは初級レベルである二級の合格を目指し、実務経験を重ねてから一級・特級の受験を目指すことをおすすめします。

3-3.配管技能士の取得について

配管技能士の受験資格・試験概要・試験内容などは、以下を参考にしてください。

3-3-1.受験資格

配管技能士を受験するためには、以下の条件を満たす必要があります。3級は、誰でも受験することが可能です。

  • 1級配管技能士:学歴によって規定の実務経験が必要
  • 2級配管技能士:2年以上の実務経験者(職業訓練校および専門学校などを卒業もしくは3級配管技能士の資格取得者は実務経験不要)
  • 3級配管技能士:受験資格なし

3-3-2.試験概要

配管技能士の試験概要は、以下をご覧ください。

  • 試験日程:年2回(前期5月下旬ごろ・後期11月下旬ごろ)
  • 試験地:全国47都道府県の指定会場
  • 受験料:学科試験3,100円・実技試験16,500円
  • 申し込み方法:都道府県の職業能力開発協会へ直接もしくは郵送により申請

より詳しい内容は、中央職業能力開発協会の資格試験案内ページを参考にしてください。

3-3-3.試験内容

配管技能士の試験内容は、以下をご覧ください。

  • 試験科目:1~2級(施工法一般・材料・製図・関係法規・安全衛生、建築配管施工法かプラント配管施工法のいずれか)・3級(施工法一般・材料・製図・安全衛生、建築配管施工法かプラント配管施工法のいずれか)
  • 実技試験:1~3級ともに建築配管施工法かプラント配管施工法のいずれか
  • 合格基準:学科試験は65%の正解率、実技試験は100点満点中60点以上の得点が必要

3-3-4.おすすめの勉強法

なお、配管技能士の実技試験問題は、事前に公表となります。早めに内容をチェックし、十分に練習をしておきましょう。また、試験の過去問は各都道府県の職業能力開発協会もしくは中央職業開発協会で閲覧可能です。過去問を繰り返し解き、出題傾向をつかんで効率よく勉強してください。

3-3-5.受験の注意点

配管設備工の試験は、学科試験と実技試験の両方の合格基準を満たす必要があります。なお、いずれかに合格している場合は、次回以降に不合格となった試験だけを受験可能です。

04. 設備工事に関する資格でよくある質問

最後に、設備工事に関する資格についてよくある質問に回答します。それぞれの内容を理解し、役立ててください。

Q.資格取得をしても未経験では結局不利なのでは?
A.確かに、実務経験者と比較すると不足している部分はあるでしょう。しかし、未経験者でも資格取得をすることで、すでに業務に必要な知識を身につけていることになります。企業としては、やる気と素質を評価するため、未取得者よりも有利になることは間違いありません。実務経験がなくても、入社意欲をアピールし、就職試験を突破してください。

Q.設備工事の仕事は女性でも活躍できますか?
A.男性が多い職場であることは事実です。工事現場では、力仕事が発生する確率も高いため、体力面で不利になる可能性はあります。しかし、今後は女性特有の細やかな視点が必要となってくることでしょう。男女の区別なく働きたいのなら、女性がまだ少ない業界としても有望です。

Q.設備工事の資格は一般企業でも役立ちますか?
A.一般企業でも、設備工事の知識が役立つことがあるものです。オフィスや店舗に勤務していると、何らかの理由で設備に不具合が発生することもあるでしょう。必要な知識があれば、適切な対応ができるので貴重な人材です。また、一般企業でも設備工事の担当者として活躍できる可能性もあります。

Q.設備工事に関する資格は複数取得するべきですか?
A.複数の資格取得で、仕事の幅が広がることは事実と言えます。設備工事のプロフェッショナルとして幅広く活躍したい場合は、おすすめです。しかし、まずは、取得済みの資格の上位級を目指すのもいいでしょう。現在の仕事を深く掘り下がることができ、責任を任される機会も増えます。いずれの場合でも無理をせず、きちんと計画を立てながら取得を目指してください。

Q.設備工事の資格で独立は可能ですか?
A.個人事業主や法人として独立をした人もたくさんいます。まずは、特定の資格で実務経験を積むこととで技術力を磨くことです。また、人脈作りにも励みましょう。企業を離れた途端、仕事がなくなる場合があります。優れた技術力と人脈力が独立後もやっていけるかどうかのカギとなるでしょう。

05. まとめ

今回は、設備工事に関する資格について詳しく解説しました。設備工事関連の資格は需要が安定しており、就職や転職に有利に働くなどメリットがたくさんあります。建物や施設がスムーズに運営でき、人々が快適に利用できるのの設備工事がきちんと行われているからです。やりがいのある仕事であり、長く続けたい・専門的な仕事をしたいと考えているのなら特におすすめします。資格取得は、未経験者にはチャンスを与え、経験者にとっても実力の証明となるでしょう。自分に必要なものや向いているものはどれか、じっくり考えて取得してください。

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