第三種冷凍機械責任者のテキスト選びとポイントをチェックしよう!

第三種冷凍機械責任者は、比較的やさしい資格です。第一種・第二種よりも科目試験が少ないので、仕事をしながらでも受験勉強ができるでしょう。また、ビルメンを目指している方にとっては、最低限取得しておきたい資格でもあります。そこで、本記事では、第三種冷凍機械責任者の概要からテキストの選び方などについて解説しましょう。

  1. 第三種冷凍機械責任者の概要をチェック!
  2. 第三種冷凍機械責任者の勉強法は?
  3. 第三種冷凍機械責任者のテキスト選び
  4. 第三種冷凍機械責任者の試験内容は?
  5. 第三種冷凍機械責任者の資格に関してよくある質問

この記事を読むことで、第三種冷凍機械責任者のテキスト選びや勉強方法もよく分かります。資格取得を目指す方は、ぜひチェックしてください。

1.第三種冷凍機械責任者の概要をチェック!

まずは、第三種冷凍機械責任者の基礎知識をチェックしておきましょう。

1-1.第三種は1日100t未満の冷凍能力が対象

高圧ガス保安法に規定される高圧ガス製造保安責任者のことを冷凍機械責任者といいます。第三種は、資格種類の1つで、1日の冷凍能力が100t未満の製造施設で製造に関わる保安を担う資格です。高圧ガス保安法でいう製造は、工場で製品を製造する一般的な意味とは異なります。ガスを製造するのではなく、ガス(または液化ガス)を圧縮したり、容器へ充てんしたり、状態を変化させたりすることです。詳細に関しては、高圧ガスを取り扱っている岡谷酸素株式会社のホームページをチェックしてください。
ほかにも、第一種・第二種とありますが、冷凍機械責任者の中では第三種が1番取得しやすい資格といえるでしょう。初心者は、まず第三種の資格試験から始め、ステップアップしていく方法で取得することをおすすめします。

1-2.冷凍機械が設置されているところで保安業務を行う

冷凍機械責任者の主な業務は、冷凍機械に関わる保安業務です。高圧ガスの製造工場に配備されるのではなく、冷凍機械が設置されているところで保安業務を行います。第一種・第二種・第三種の種類で異なるのは、保安業務を担うことができる設備の冷凍能力です。第三種は第一種・第二種よりも保安業務ができる冷凍機械の能力が低いですが、一般的な施設の設備なら第三種でも十分でしょう。また、一定規模の冷凍設備がある会社は、有資格者の中から保安責任者を選任することが義務づけられています。冷凍設備を安全に稼働し続けるためには、知識にたけている人が保安業務を行う必要があるのです。

1-3.転職・就職に有利

第三種冷凍機械責任者の資格を取得する大きなメリットは、冷凍機械を設置している会社や管理を請け負っている会社への転職・就職に有利になることです。前述したとおり、一定の規模の設備を設置しているところは、有資格者を選任する必要があります。必ず設置しなければならないため、第三種の需要も高めです。第二種まで取得すればさらに仕事の幅が広がるでしょう。

1-4.ビルメン4点セットの1つ

第三種冷凍機械責任者は、ビルメン4点セットの1つとして知られています。ビルメンテナンス業界において需要が高い資格で、ビルメンを目指す人にとっては取得しておきたいものです。また、資格手当が支給されるというメリットもあります。給与面でも大きなメリットになるのは間違いありません。会社の中には、資格取得のバックアップを行っているところもあるので、未経験者でも試験に挑戦しやすい資格といえるでしょう。

2.第三種冷凍機械責任者の勉強法は?

それでは、第三種冷凍機械責任者の資格を取得するために必要な勉強の方法を紹介します。

2-1.年々、難しくなっている!?

第三種は冷凍機械責任者の資格種類の中でも試験がやさしい資格ではありますが、年々問題が難しくなっているといわれています。油断は禁物です。第三種は基礎が最も大切なので、基礎をきちんと理解し習得しておく必要があります。冷凍機械責任者の資格試験で基礎となるのは、蒸発・圧縮・凝縮・膨張という冷凍サイクルのことです。冷凍の状態時に温度や圧力がどうなるのか、冷媒の流れなどを把握しておきましょう。

2-2.合格率の約35〜37%は鵜呑みにしてはいけない

第三種の資格試験の合格率は、年によって異なりますが、一般受験生の合格率は25%前後です。平成28・29年度の合格率は約35〜37%となっています。しかし、この数字を鵜呑みにするのはNGです。第三種は講習制度があり、講習を受けた人は試験科目の一部が免除されます。つまり、約35〜37%という合格率には、免除された人も含まれているのです。よって、免除せずに受験した一般受験生の合格率は、実質25%前後となります。決して、楽に取得できる資格ではありませんが、きちんと勉強をしておけば合格できる範囲内です。

2-3.ライフスタイルに合った勉強法を

独学・スクール通学・通信講座など、さまざまな勉強法があります。大切なのは自分のライフスタイルに合っているかどうかです。たとえば、毎日仕事で忙しく勉強時間が確保できない人は、移動時間や休憩時間などのすき間時間を利用しましょう。気軽にテキストを広げられるものや、自分の好きなときに勉強できる通信講座がベストです。

2-4.基礎をマスターして過去問に挑戦する

前述したとおり、第三種の合格への近道は基礎をマスターすることです。特に、冷媒の流れを理解すると、問題が理解しやすくなるでしょう。ただ文章を暗記するだけでなく、何がどのようにして冷凍されるのか、流れを把握することが大切なのです。第三種の試験は文章を巧みにひねっているので、問題で引っかかるケースがたくさんあります。基礎をマスターした後は、過去問に挑戦し、自分の苦手分野を見つけてください。

3.第三種冷凍機械責任者のテキスト選び

さまざまなテキストの中からベストな種類を選ぶためのポイントを紹介します。

3-1.分かりやすい内容のテキストを選ぶ

1番に注目してほしいポイントは、自分が見て分かりやすい内容が記載されているかです。ほかの人が理解できる内容だとしても、自分が分かりやすい内容でなければ勉強を始めても理解できません。たとえ、友人や知人から紹介されたとしても、1度ページをめくって確かめてください。

3-2.試験の重要ポイントが記載されているか

第三種の資格試験は、ほかの試験よりも科目が1つ少なめです。試験範囲は狭くなっても、試験の重要ポイントを押さえておかなければ合格は難しいでしょう。そのため、テキストは重要ポイントが記載されているものを選んでください。特に、暗記が苦手な方は、必要な内容だけ頭に入れることができ、効率的に勉強へ励むことができます。無理にすべてを暗記する必要はありません。

3-3.評判と口コミをチェックする

インターネットを使って、テキストの評判と口コミをチェックすることも大切なポイントです。口コミには、実際に使用した人の感想が確認できます。評判がいいテキストほど分かりやすく、重要ポイントが記載されているものです。Amazonなどで検索し、なるべく評価が高いテキストを選ぶといいでしょう。

3-4.テキストを何冊も用意するのはNG

テキストは、何冊も買いこむより、1冊だけにしぼったほうが整理しやすくなり、必要な箇所だけ暗記できるものです。分かりやすいものを1冊だけ用意し、何度も読み返しましょう。最低でも3回は読み直したほうが、頭の中に知識をインプットできます。ある程度、知識を習得した後に、過去問にチャレンジしてください。

4.第三種冷凍機械責任者の試験内容は?

それでは、第三種冷凍機械責任者の試験概要を解説します。

4-1.受験資格はない

第三種冷凍機械責任者の資格試験は受験資格がないので、年齢・性別問わずに受験できます。初心者でも気軽にチャレンジしてみましょう。また、高圧ガス保安協会が実施する3日間の講習を受け検定試験に合格すると、一部の科目を免除することができます。なるべく試験の負担をかけたくない方などは、講習を受講してから受験に挑むのもアリでしょう。

4-2.試験科目は2つだけ

第三種に限り、試験科目は以下の2科目だけです。

  • 高圧ガス保安法に係る法令
  • 冷凍のための高圧ガスの製造に必要な初歩的な保安管理の技術

試験範囲は広くないので、地道に勉強を続ければ取得できるでしょう。すべて五肢択一なので、記述する必要もありません。高圧ガスの保安管理は文系の理解を超えた内容となるため、テキストと過去問を何度もくり返しながら理解を深めてください。試験科目は2科目だけですが、あまく考えていると後で痛い目を見ることになります。

4-3.試験は年1回、11月の第2日曜

第三種冷凍機械責任者の試験を主催しているのは、高圧ガス保安協会です。各都道府県ごとに年に1回試験が実施されます。日程は、11月の第2日曜日になるでしょう。年に1回しか実施されないため、一発合格のために勉強時間を確保しておいたほうがいいかもしれませんね。

4-4.インターネット申し込みも可

申し込み方法はインターネットと郵送の2通りがあり、それぞれの方法で受験料が異なります。インターネット受付の場合は7,900円で、郵送の場合は8,400円です。できるだけ費用を抑えたいならインターネット受付がおすすめですが、受付期間にだけ気をつけてください。願書提出期間は8月下旬~9月上旬ごろまでとなっているため、提出し忘れないようにしましょう。

5.第三種冷凍機械責任者の資格に関してよくある質問

第三種冷凍機械責任者に関する質問を5つピックアップしてみました。

Q.冷凍機械責任者を必要としない設備が増えているのは本当?
A.最近では、技術の向上によって、冷凍機械責任者を設置しなくても稼働できる設備が増えているのは事実です。しかし、冷凍機械責任者の資格を取得していると、「冷凍機械に関する正しい知識がある」という証明になります。冷凍設備を備えた会社は、たとえ責任者を必要としない設備であっても無資格者より有資格者のほうを採用するでしょう。

Q.いずれは第一種を取得したほうがいいのか?
A.第三種でも十分に冷凍設備の保安業務ができますが、第二種まで取得しておけばほとんどの冷凍機械を扱うことができます。そのため、必ずしも第一種を取得しなければならないというわけではありません。ビルメンテナンス業界で活躍したい方は、第二種でも十分でしょう。

Q.試験勉強をコツコツと取り組むポイントは?
A.第三種の試験に合格するためには、モチベーションと勉強の習慣化が大切です。どうしても時間がないときは、無理をせず、数分でもいいのでテキストを読んでください。大切なのは時間の長さではなく、毎日続けることなのです。また、「ここまで理解したら好きなものを食べる」など、ちょっとしたご褒美を用意するのもモチベーションアップにつながるでしょう。

Q.主題形式がほかの試験と違うのは本当か?
A.確かに、第三種は出題形式がちょっとだけ特殊です。基本的に五肢択一式ですが、正しい選択肢の組み合わせを解答させる問題があります。選択肢をいくつかしぼっても、最終的に2つの答えで迷うでしょう。このような特殊な出題形式に慣れるためには、何度も過去問を解くことが1番です。最初は時間関係なく解き、分からなかった問題や間違った問題はテキストを読み返して理解しましょう。そして、試験本番前には同じ時間配分で過去問にチャレンジしてください。

Q.おすすめのテキストは?
A.「初めての第三種冷凍機械責任者試験受験テキスト」がおすすめです。説明の分かりやすさと、基礎となる冷凍サイクルがすんなり頭の中に入るような内容となっています。基礎的な用語説明も充実しているので、初心者にやさしいテキストと言えるでしょう。

まとめ

第三種冷凍機械責任者は、1日の冷凍能力が100t未満の製造施設で保安を行う資格です。ビルメンテナンス業界においては需要が高い資格で、受験資格も定められていないので初心者でも受験しやすい資格といえるでしょう。難易度もそこまで高くないため、きちんと勉強すれば合格できます。勉強に必要なテキストを選ぶ際は、理解しやすい内容で重要ポイントが記載されているものを選んでくださいね。

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