施工管理の仕事は監督業務! 仕事内容・職場・資格取得方法を解説!

施工管理は、建設機械・土木・建築・電気工事・管工事・造園それぞれの分野で監督業務を担う資格です。工程管理・安全管理・品質管理など、現場の全体を把握し専任技術者として大切な役割を担います。施工管理は資格を取得した者だけが担当できる仕事なので、さまざまな企業で重宝されるでしょう。本記事では、そんな施工管理の仕事内容や資格取得のポイントなどを解説します。

  1. 施工管理の仕事内容は監督業務
  2. 施工管理の職場は幅広い
  3. 施工管理に関する資格を知ろう!
  4. 施工管理技士の資格取得方法とポイント
  5. 施工管理に関してよくある質問

この記事を読むことで、施工管理の仕事内容と資格取得方法が分かります。気になっている方は、ぜひチェックしてください。

1.施工管理の仕事内容は監督業務

気になる施工管理の仕事内容を一緒にチェックしていきましょう。

1-1.現場監督と施工管理が主な役割

施工管理は建設業において、現場監督と施工管理が主な役割です。具体的な業務は幅広く、大まかに分けると電気工事・土木工事・管工事等の工事現場で全体管理を行います。現場を統率するためには、全体を管理する役職が必要です。そのため、「現場監督」とも呼ばれています。主な役割は以下のとおりです。

  • 施工計画の作成:現場責任者クラスの施工管理経験者が施工スケジュールを作成する
  • 安全管理:日々の安全管理を担当する
  • 品質管理:設計どおりに造られているかなどを確認し記録する
  • 工程管理:工事スケジュールが予定どおり進むように管理する

1-2.仕事内容は多岐にわたる

施工管理の主な役割は、前述した4つの管理となりますが、細かく分けるとたくさんの仕事を担うことになります。最も重要な仕事内容といわれているのが現場の統率を図るためのスケジュール管理です。建設現場ではスケジュール管理がきちんとされているかどうかで、仕上がりや工期が大幅に変わります。品質を保ち続け、スケジュールどおりに工事を進めるためには、施工管理の手腕が重要なのです。たとえば、スケジュール作成・職人の配置・重機や素材の手配などを行います。また、スケジュールに遅れが出ている作業があれば、ほかの作業場から人員を確保するなど、適応力も必要になるでしょう。

1-3.施工管理の仕事がきついのは責任者だから

施工管理の仕事は激務だといわれていますが、その理由は責任者としての立場にあるからです。現場監督である施工管理者は、トラブルが起きた場合、1番に対処しなければなりません。現場を統率する役割を担っているからこそ、休日関係なく出勤することもあります。1週間に1回は休日が確保できる現場がほとんどですが、働きづめというケースもあるようです。

2.施工管理の職場は幅広い

施工管理の職場と必要なスキルと能力を解説します。

2-1.主な職場は建設現場

施工管理にもさまざまな種類がありますが、主な職場は建設現場です。就職先には、建設会社・不動管理会社・建設請負会社・プラント建設会社・ハウスメーカー・大手ゼネコンなどがあります。施工管理の種類によって、最適な職場が異なるでしょう。施工管理の資格は、専門知識を持っている証明になるので、多くの職場で重宝されるのは間違いありません。

2-2.統率力とコミュニケーション能力が重要

さまざまな管理業務を行う施工管理は、幅広い視野で全体を見渡し状況を常に把握しなければなりません。建設現場で働いている人たちを1つにまとめ、指示を出す統率力が必要不可欠です。統率力を培うためには、スタッフや作業員とのコミュニケーションが必要となるため、その能力も重要なスキルといえるでしょう。意思疎通がしっかりできなければ、思わぬトラブルを招くことになります。

2-3.どんなときでも順応に対処する臨機応変さ

建設現場ではいつどこでどんなトラブルが起きるのか分かりません。常に、天候の影響を受けることになるため、状況に応じてスケジュールを調整する必要があります。いつどんなときでも素早く適切に対処できる臨機応変さが必要なスキルの1つです。ただし、このスキルは、施工管理者として経験を積んでいけば、自然と身につくスキルでもあります。最初は、うまくできないかもしれませんが、常に報告・連絡・相談を欠かさず、最小限にトラブルを抑えるように心がけてください。

3.施工管理に関する資格を知ろう!

ここでは、施工管理の資格種類と取得のメリットを解説しましょう。

3-1.施工管理の資格は全部で6種類

施工管理の資格は、「施工管理技士」と呼ばれています。そして、施工管理技士は全部で6種類あり、それぞれ国土交通大臣が指定した機関が試験を実施しているのです。また、全6種類とも1級と2級に分かれています。それぞれの特徴を以下にまとめたので、ぜひ参考にしてください。

3-1-1.土木施工管理技士

1級は河川・道路・港湾・橋梁(きょうりょう)・鉄道・下水水道などの土木工事において、主任技術者または監理技術者として役割を担うことになります。主な仕事内容は、現場における工程・安全管理や工事に必要な技術上の管理などです。そして、2級は土木・鋼構造物塗装・薬液注入に分かれ、それぞれの土木工事で主任技術者としての役割を担います。1級とは異なり、監理技術者にはなれません。

3-1-2.建築施工管理技士

1級は一般建設業・特定建設業の許可基準の1つとなる営業所ごとに選任される技術者です。また、建設工事の現場に設置しなければならない主任技術者及び監理技術者として働くためには、必要不可欠な資格といえるでしょう。一方、2級は建築・躯体・仕上げの3種類に分かれます。それぞれの一般建設業・特定建設業の許可基準となる営業所ごとに選任され、主任技術者及び監理技術者としての役割担う資格種類です。1級は大規模工事、2級は小規模工事を扱うことになります。

3-1-3.電気施工管理技士

1級は一般建設業及び特定建設業の営業所で専任技術者として働くことができます。2級は一般建設業の営業所で専任技術者になれますが、特定建設業ではその資格がありません。また、1級の有資格者に限り、現場の技術水準を確保するために配置される監理技術者として働くことができます。さらに、1級の取得者には建築設備士の受験資格が得られるという特徴もあるのです(ただし、2年の実務経験が必要)。

3-1-4.管工事施工管理技士

管工事施工管理技士は、冷暖房設備・空調設備・給排水と給湯設備工事などの管工事専門です。1級は建設業法により、特定建設業の営業所に設置しなければならない専任技術者や、主任技術者・監理技術者になることができます。2級も専任技術者や主任技術者として働けますが、一般建設業限定です。

3-1-5.造園施工管理技士

公園や緑地・遊園地など造園工事の現場監督として働けるのが造園施工管理技士です。1級は営業所ごとに選任しなければならない専任技術者・主任技術者・監理技術者になることができます。2級は一般建設業の営業所における専任技術者・主任技術者になれる資格です。1級のように監理技術者として働くことはできません。

3-1-6.建築機械施工管理技士

建築機械施工管理技士は、トラクターやショベルなど建設現場で使う機械における運転・施工の業務に関わる資格種類です。1級は各種建設機械を用いた施工における指導と監督的業務を行うことができます。2級は機械の種類によって第1種~第6種に分かれており、それぞれの機械を用いた施工において運転・施工業務に携わることができる資格です。

3-2.需要が高まりつつある施工管理技士

2020年の東京オリンピックに向けて、さまざまな工事が行われている現在は、施工管理技士の需要が高まっています。需要が高まっている資格だからこそ、転職や就職に有利になるのが大きなメリットです。また、有資格者は、基本給のほかに資格手当をもらうことができます。経験を積めば積むほど、給与アップにつながるでしょう。

4.施工管理技士の資格取得方法とポイント

それでは、施工管理技士の資格取得方法と勉強のポイントを解説します。

4-1.施工管理技士の種類によって資格試験の主催が変わる

施工管理技士の資格試験で注意しておきたいのが、資格試験の実施機関です。資格の種類によって実施期間が異なるので注意してください。それぞれの資格の試験実施機関は以下のとおりです。

各申し込み方法や受験料、具体的な試験の流れに関しては、上記のホームページをご確認ください。

4-2.受験資格は一定の学歴と実務経験が必要

施工管理技士は専門の知識を習得することが目的ということもあり、一定の学歴と実務経験が受験資格に必要です。実務経験がない方は、まず現場で実績を積み重ねながら勉強を始めるという選択肢があります。まずは、それぞれの試験を行っている団体のホームページで受験資格を確認してください。経歴・学歴によっては、試験の一部が免除されるケースもあります。

4-3.試験科目は学科試験と実地試験

施工管理技士の資格試験は、どの種類も学科試験と実地試験の2つに分かれています。2級の試験は同日に行いますが、1級の場合は先に学科試験を行い、合格者だけが実地試験を受けることができるという仕組みです。実施試験は記述式となりますが、自分自身が経験した施工管理に関する内容を正しく記載すれば問題ありません。

4-4.難易度が高い資格は土木と建築

施工管理技士の資格種類の中で最も難易度が高いといわれているのが、土木と建築です。土木と建築の合格率は約2~4割と、ほかの資格種類と比べてやや低めとなります。ただし、地道に勉強を続けて知識を習得していけば、合格の可能性が高くなるでしょう。

4-5.ライフスタイルに合った方法で勉強することが大事

独学・スクール通学・通信講座とさまざまな勉強法がありますが、大切なのはライフスタイルに合った方法で勉強することです。1級は学科試験をクリアしなければ先に進めないので、基礎知識を固めた上で過去問に何度もチャレンジしていきましょう。施工管理の試験は、過去問から類似問題が出題されることがあります。何度も解くことで、自分が苦手な問題や分野が何なのか分かり、試験対策ができるでしょう。

5.施工管理に関してよくある質問

施工管理に関する質問を5つピックアップしました。

Q.施工管理の中で取得しておきたい資格種類は?
A.全6種類の施工管理資格がありますが、中でも取得しておきたい種類は土木と建築です。ここ近年、需要が高まっている資格種類で、建設業界の職場で必要としている会社が増えています。また、1級の資格取得者は管理技術者として働くことができるので、スキルアップにつながるでしょう。

Q.女性でもできる仕事?
A.施工管理の仕事は激務といわれていますが、女性でも活躍できる仕事です。全体的に男性の数が圧倒的に多い傾向があります。けれども、実際に女性の管理技士として活躍している方はいますし、珍しいからこそ職場で重宝されるでしょう。女性だからといって諦めるのは、とてももったいないことです。

Q.施工管理として独立できる?
A.地道に経験を積んでいき実績を積めば、独立も不可能ではありません。ただし、一般的に施工管理は企業に就職し、そこに属した上で働くスタイルになります。もし、独立を考えているのであれば、1級建築士を取得したほうが有利に働くでしょう。

Q.平均年収はいくらぐらい?
A.施工管理の平均年収はおよそ400万~500万円です。豊富な実績がある人ほど大手企業に採用されやすくなるため、700万円以上の収入も夢ではありません。年収は実務経験と企業によって異なります。

Q.勉強で使うテキスト選びのポイントは?
A.自分が理解しやすい内容で、試験の重要ポイントが記載されているテキストを選びましょう。何冊も用意する必要はありません。自分にぴったりなテキストを1冊だけ選び、何度も読み直します。そうすることで、本当に必要な知識だけを頭の中に入れることができるのです。

まとめ

施工管理技士は、有資格者にしかできない仕事があるため、専任技術者として幅広い職種で専門知識を生かすことができます。全体の施工スケジュールを把握しながら、外部とのやり取りはもちろんのこと、工程・安全・品質管理を行う監督業務が主な仕事です。専門知識を持つ有資格者を求めている企業は多数存在しているので、求人傾向は安定しています。施工管理技士は6種類あるため、まずはどの分野で働きたいのか明確にすることが大切です。

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