建設業に関する資格

【必見】建設業に関する資格の
種類をご紹介!
取得方法や勉強法などについて

建設業は、道路・橋・建物などの建築物・建造物を一からつくる仕事の総称です。大工工事業や土木一式工事業・建築一式工事業など29種類に分類されており、現在は2020年の東京オリンピックに向けて業界全体が活発化しています。幅広い業界だからこそ、建設業に関連する資格もさまざまです。どのような仕事に就きたいのか、明確にした上で取得したい資格を選ばなければなりません。本記事では、建設業の基礎知識や関連する資格・資格の取得方法について説明します。

この記事を読むことで、建設業に関連する資格の種類や取得方法について知ることができます。資格取得を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

01. 建設業の基礎知識

建設業にたずさわりたい方は、有利な資格の取得を目指しましょう。ただし、建設業の資格は幅広いので、まずは建設業について深く知る必要があります。ここでは、概要や種類・職務、最近の傾向についてチェックしていきましょう。

1-1.建設業とは

建物の建築・建設から、橋・道路などの公共事業・災害時のライフラインの確保や復旧活動など、さまざまな工事を請け負うのが建設業です。また、建設業法にもとづき、土木工事業・建築工事業・電気工事業・管工事業・ほ装工事業など29種類の業種があります。建設業を大きく分けると、建築・土木の2種類で、それぞれ仕事の内容が大きく異なるのです。土木工事は道路・トンネル・河川・橋・水道などのインフラ整備を、建築工事は住宅・病院・学校などの建物を建築する工事となります。多くの人が建設業にたずさわっており、海外で活躍している人もたくさんいるのです。

1-2.種類・職務について

建設業は、工事内容や施工方法などの違いから29業種に分かれています。29業種は、以下のとおりです。

  • 土木工事業:空港・ダム・橋梁(きょうりょう)・高速道路などの工事
  • 建築工事業:複数の下請業者によって施工される大規模で複雑な工事
  • 大工工事業:大工工事・型枠工事・造作工事など
  • 佐官工事業:モルタル工事・吹つけ工事・洗い出し工事など
  • とび・土工工事業:とび工事・くい工事・土工事・コンクリート工事など
  • 右工事業:石積み工事・コンクリートブロック積み工事など
  • 屋根工事業:屋根ふき工事・屋根一体型の太陽光パネル設置工事
  • 電気工事業:発電設備工事・送配電線工事・照明設備工事など
  • 管工事業:冷暖房設備工事・ダクト工事・厨房設備工事・空気調和設備工事など
  • タイル・れんが・ブロック工事業:コンクリートブロック積み工事・タイル張り工事など
  • 鋼構造物工事業:鉄骨工事・鉄塔工事・屋外広告工事など
  • 鉄筋工事業:鉄筋加工組み立て工事・鉄筋継手工事
  • 舗装工事業:アスファルト舗装工事・コンクリート舗装工事など
  • しゅんせつ工事業:しゅんせつ工事
  • 板金工事業:板金加工取りつけ工事・建築板金工事
  • ガラス工事業:ガラス加工取りつけ工事・ガラスフィルム工事
  • 塗装工事業:塗装工事・ライニング工事・鋼建造物塗装工事など
  • 防水工事業:アスファルト防水工事・モルタル防水工事・塗膜防水工事など
  • 内装仕上工事業:インテリア工事・天井仕上工事・壁張り工事・防音工事など
  • 機械器具設置工事業:プラント設備工事・運搬機器設置工事・舞台装置設置工事など
  • 熱絶縁工事業:冷暖房設備・冷凍冷蔵設備・ウレタン吹つけ断熱工事など
  • 電気通信工事業:電気通信線路設備工事・データ通信設備工事など
  • 造園工事業:植栽工事・景石工事・水景工事・緑地育成工事など
  • さく井工事業:さく井工事・観測井工事・石油掘削工事・天然ガス掘削工事など
  • 健具工事業:金属製健具取りつけ工事・シャッター取りつけ工事など
  • 水道設備工事業:取水施設工事・浄水施設工事・配水施設工事など
  • 消防施設工事業:屋内消火栓設置工事・スプリンクラー設置工事・火災通知設備工事など
  • 清掃施設掃除業:ごみ処理施設工事・し尿処理施設工事
  • 解体工事業:工作物解体工事

それぞれの事業に合わせて、さまざまな工事を行います。従来は、28種類とされていましたが、平成28年度に解体工事業が新しく追加され、29種類となりました。

1-3.最近の傾向

建設業は市場規模が大きく、労働者も非常に多いのが特徴です。特に、近年は、2020年の東京オリンピックに向けて、都市部の建設業が盛んになっています。また、地震などの災害により、人材不足に頭を抱えている状態です。技術者・技能者などの人材不足が深刻化しているため、復興事業は予定よりも遅れていると言われています。

02. 建設業に関連する資格について

それでは、建設業に関連する資格には、一体どのようなものがあるのでしょうか。必要な資格や今後のために取得すると良い資格・資格取得のメリット・難易度などについて説明します。

2-1.資格紹介

建設業の仕事は、有資格者でないとできないものや無資格者でもできるものなど、さまざまな内容があります。先ほど、建設業は人材不足と言いましたが、特に、技術者・技能者などの有資格者が足りていない状態です。そのため、無資格者でもできる仕事だとしても、スキルアップや昇格・昇給のために、資格を取得したほうが良いでしょう。
たとえば、電気工事を行うためには「電気工事士」の資格が必要です。建設機械の運転を行う場合は、車両系建築機械の運転講習を受けなければなりません。
また、「技術士」は資格の中でも上位に位置しており、橋・トンネル・道路などの設計や工事監理を行うことができます。「建築士」と並ぶ取得が難しい資格です。
技術士よりも難易度が低めの「施工管理技士」も、建設業で人気のある資格となっています。土木・電気工事・管工事などの種類があり、取得した分野の施工管理・工程管理や、工事現場で主任技術者・監理技術者として働くことが可能です。

2-2.必須の資格について

建設業関連の資格は幅広いため、必ずしもこれを取得すれば良いというものはありません。まずは、自分がどんな工事を行いたいのか、どんな仕事をしたいのか、明確にすることが大切です。たとえば、電気工事を行いたいのであれば、「電気工事士」の資格取得が必須となります。特定建築物において環境衛生の管理を行いたいなら、「建築物環境衛生管理技術者(ビル管理技術者)」を取得すると良いでしょう。このように、必須の資格は、自分が働きたい内容によって異なります。

2-3.今後のために取得すると良い資格

建築や土木で最も役に立つ資格と言えば、「技術士」です。技術士は、科学技術分野での最高位の国家資格となります。高度な技術力を持った技術者とみなされるため、幅広い現場で活躍できるでしょう。ほかにも、一級土木施工管理技士・コンクリート診断士・一級建築士・測量士・労働安全コンサルタントなどが挙げられます。最初は、就きたい仕事に必要な資格を取得して、仕事を続けながら技術士の資格取得を目指すという方もいるのです。

2-4.資格取得のメリット

資格取得の大きなメリットは、身につけた知識を生かしながらスキルアップができることです。現場の主任技術者や監理技術者は、全体のまとめ役になるため、仕事をこなしながら実力・実績をつけることができるでしょう。もちろん、転職・就職にも有利に働きます。人材不足に陥っている中、有資格者の存在を求めている企業・現場は多いのです。

2-5.難易度

建設業に関連する資格の中で、最も取得が難しいと言われている技術士と建築士の難易度は、「難しい~やや難しい」となっています。施工管理技士や電気工事士の難易度は「普通」です。資格の中には、「易しい」となっていても範囲が広く、不合格になった人もいます。難易度に注目するだけでなく、試験内容も細かくチェックしておきましょう。

03. 建設業に関連する資格の取得について

建設業に関連する資格の取得方法や受験資格・実務経験・試験内容・勉強法などについて説明します。

3-1.資格の取り方について

技術士・建築士・施工管理技士などの上位資格は国家資格なので、試験に合格しなければなりません。取得したい資格が決まれば、試験を実施している機関のホームページを確認してください。たとえば、施工管理技士の場合は、国土交通大臣が指定した機関が試験を行っています。種類によって機関が異なるため、注意してくださいね。

3-2.受験資格・実務経験

上位資格になるほど、受験資格が細かく定められています。受験資格でよくあるのが、一定の実務経験です。実務経験も、学歴によって長さが異なることもあるため、きちんと確認しなければなりません。また、実務経験となるものとならないものが細かく分けられている資格もあります。さらに、資格の中で1級・2級という複数の種類がある場合は、それぞれ受験資格が異なるので要注意です。

3-4.試験内容

試験内容は、資格種類によって異なり、主催の団体ホームページから確認できます。ほとんどの資格試験は択一式ですが、中には記述式や実技試験もあるので事前に確認して計画を立てておかなければなりません。たとえば、電気工事士の試験は、問題用紙に記載された単線図をもとに自分で複線図を作成し、工具を使用して施工します。記述試験に合格しなければ、実技試験を受けることはできません。

3-5.勉強法について

独学・スクール通学・通信講座など、さまざまな勉強法があります。時間と金銭の余裕があれば、自分でテキストを購入して独学を始めたり、スクール通学をしたりすると良いでしょう。ただし、仕事をしながらの勉強は正直難しいのです。自分のペースで勉強したい場合は、通信講座を利用するのも方法の1つでしょう。大切なのは、ライフスタイルに合った勉強法を選ぶことです。

3-6.注意点

試験の中には、範囲が広く、さまざまな内容について把握しておかなければならない資格があります。範囲が広い場合は、時間をかけて基礎知識を身につけていかなければなりません。受験勉強を始める前に、試験範囲や科目をしっかり確認して、計画を立ててください。できれば、毎日10分間でも勉強を続けましょう。そして、ある程度知識を身につけたら、過去問を解いてみてください。

04. 建設業の資格に関してよくある質問

建設業の資格に関してよくある質問を5つピックアップしてみました。

4-1.将来性のある資格が知りたい

建設業で働き続けるのであれば、主任技術者や監理技術者になれる「施工管理技士」、上位資格である「技術士・建築士」がおすすめです。公共工事を受注するためには、技術士がいなければならないので将来性のある資格と言えるでしょう。

4-2.国家資格と民間資格の違いとは?

国家資格は、法律にもとづいて国から委託を受けた機関が実施する資格です。難関試験が多く、地道に勉強しなければ取得が難しいですが、社会的信用性が高いので就職・転職に有利となります。一方、民間資格は、民間団体や企業が独自の審査基準を設けて認定する資格です。認知度が高いものから、社会的評価がほとんど得られないものまであります。

4-3.テキスト選びのポイントとは?

受験する資格に見合ったテキストを選ぶ際は、自分にとって分かりやすい内容のものを選択してください。特に、技術士・建築士は難しい内容もあるため、図解など分かりやすい内容のテキストが良いでしょう。

4-4.実務経験のない者が取得できる資格はあるのか?

測量士や移動式クレーン運転士・車両系建設機械運転技能者・クレーンデリック運転士などは、実務経験がない初心者でも受験が可能です。

4-5.複数の資格を取得したほうがいいのか?

仕事に必要な資格であれば、複数取得したほうが良いでしょう。いろいろな資格を取得したほうが、転職・就職に役立つ可能性があります。

05. まとめ

いかがでしたか? 建設業に関連する資格には、技術士・建築士・施工管理技士・電気工事士などさまざまな種類があります。非常に幅広いので、働きたい職場や就きたい仕事を明確にしておいたほうが良いでしょう。就きたい仕事がハッキリしていれば、その仕事内容に合った資格を選び、取得のための勉強を始めることができます。スムーズに取得するために、実施機関のホームページで受験資格や試験内容などを確認しておきましょう。きちんと確認すれば、勉強計画を立てることができますよ。資格を取得して、建設業界での活躍を目指してくださいね。

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