土木施工管理技士の資格取得のコツを解説!

土木施工管理技士になりたい!
合格するための勉強法・
資格取得のコツを解説!

土木施工管理技士は、現場系の資格の中でも土木工事に特化した内容となります。土木工事は、あらゆる建築工事の基本であり、きちんとした施工管理が重要です。そのためにも、土木施工管理技士の資格に関する需要は、ますます増えてくることでしょう。そこで、今回は、土木施工管理技士の資格取得のコツについて詳しく解説することにします。資格取得を目指している人は、必見ですよ。

記事を読むことで、土木施工管理技士の基本がわかるほか、資格取得のためのコツが理解できます。実際の試験でも、有利に運ぶことができるでしょう。本気で資格取得を考えている人は、最後までじっくり読んで必要な知識を頭に入れてください。試験日まで、気を抜かずに頑張ることで資格を手に入れることができますよ。

01. 土木施工管理技士とは
どんな仕事?

まずは、土木施工管理技士の基本を学びましょう。種類や職務を理解することも大切なことです。

土木施工管理技士とは?

土木施工管理技士とは、復興工事を含む土木工事全般の工程管理を行います。土木工事は、道路・河川・橋・鉄道・港湾・空港など、私たちのライフラインを造成・整備する工事です。物流システムも、ライフラインが整備してあるからこそスムーズに流れることができます。しかし、設計どおりに工事を進めるためには、土木施工に詳しい専門家が必要です。土木施工管理技士は、土木工事を確実かつ安全に進めるために欠かすことができない存在と言えます。

土木施工管理技士の種類について

土木施工管理技士は1級と2級の2種類があり、1級が上位資格となります。

  • 1級土木施工管理技士:土木工事において主任技術者または監理技術者として職務に当たる
  • 2級土木施工管理技士:土木工事において主任技術者として職務にあたる

また。資格試験のとき、2級は「土木」「鋼構造物塗装」「薬液注入」と区別があり専門分野が決まっていることに比べ、1級は専門分野の区別が無いことが特徴です。当然ながら、1級の方が幅広い知識や経験を問われることになります。

土木施工管理技士の職務は?

土木施工管理技士の職務は、土木工事が計画どおりに安全に進めるように工程管理・安全管理をすることです。常に進み具合をチェックするほか、安全に作業ができているか・設計どおりに工事が行われているか、なども含みます。間違ったやり方で工事が進んでしまうことが無いように常に指示を統一し、作業工程を監視しているのです。土木施工管理技士は、管理者としての職務に当たります。

02. 土木施工管理技士を
もっと詳しく知ろう

では、土木施工管理技士についてもっと詳しく学びましょう。実際の就職状況や、最近の傾向について解説します。

土木施工管理技士の就職について

資格取得者は、就職や転職を有利に進めることが可能です。土木施工管理技士は、土木施工に関するプロとして国が正式に認めています。また、誰でも受験できるわけではなく、規定の実務経験も必要です。そのため、信頼できる資格であると言えます。企業にとっても、土木工事を手掛けているところにとっては、土木施工管理技士は常にほしい人材なのです。

土木施工管理技士の就職に関する最近の傾向

土木施工管理技士は、復興関連工事で需要が非常に高くなっています。そのため、常に人手不足の状態が続いているのです。土木施工に関する専門知識と実務経験を備えた人材として、需要があるでしょう。自然災害が多い日本では、土木施工管理技士の必要不可欠なのです。

03. 土木施工管理技士の
資格について

ここでは、土木施工管理技士の資格について詳しく解説します。資格概要や取得のメリットだけでなく、難易度や合格率についても知っておきましょう。

土木施工管理技士とはどんな資格?

土木施工管理技士は、土木工事の施工管理を行うときに必要な国家資格です。管轄は国土交通省となります。復興事業やオリンピック開催に向けた整地・建設需要が見込まれる中、土木施工管理技士が今注目の資格のひとつであることは間違いありません。

資格取得のメリットを知っておこう

  • 土木工事の施工に関する深い知識があることの証明になる
  • 土木工事の現場で仕事の幅が広がる
  • 土木工事会社や建設会社など多数の企業で必要な人材なため転職に有利になる
  • 昇給・昇進に有利になる
  • 1級・2級ともに資格取得者は社会保険労務士の受験資格を得ることができる

土木施工管理技士の資格取得は、想像以上にメリットが大きいものです。

土木施工管理技士の難易度や合格率について

平成28年度の土木施工管理技士の合格率は、以下のとおりです。なお、いずれも実地試験の合格率を示しています。

  • 1級:36.7%
  • 2級(土木):29.9%
  • 2級(鋼構造物塗装):17.7%
  • 2級(薬液注入):24.9%

合格率の数字だけで比較すると、1級の難易度が低く見えます。しかし、実際には、1級受験者は実務経験が長いなど、2級受験者よりも高度な知識を身に付けている可能性が高いのです。10人のうち4人だけが合格するという点から、難易度は高いと考えてください。

04. 土木施工管理技士の
試験について

では、土木施工管理技士の試験について詳しく解説します。合格するためには、試験そのものをよく知っておくことも大切ですよ。

土木施工管理技士の受験資格

土木施工管理技士の試験を受けるためには、規定の受験資格を満たしていることが条件となります。主なものは、以下をご覧ください。

  • 1級:大学の指定学科を卒業後に3年以上の実務経験を有するものなど
  • 2級:大学の指定学科を卒業後に1年以上の実務経験を有するものなど

まずは、下記を参考にして受験資格があるかどうか確かめてください。

土木施工管理技士の実務経験について

土木施工管理技士の試験を受けるためには、1級・2級ともに実務経験が必要です。では、どんな内容が実務経験としてカウントできるのでしょうか。一般財団法人全国建設研究センターの注意書きでは、「土木工事の施工に直接的にかかわる技術上のすべての職務経験」となっています。企業の正社員でなく、請負やアルバイト・パートの身分でも施工を指揮したり監督したりした経験があれば、認められるのです。なお、設計だけの経験などは実務経験として認められないので注意しましょう。

土木施工管理技士の試験内容や科目

  • 学科試験:1級3科目(土木工学・施工管理法・法規)・2級3科目(土木工学・法規・施工管理法または鋼構造物塗装施工管理法または薬液注入施工管理法)
  • 実地試験:1級1科目(施工管理法)・2級1科目(施工管理法もしくは鋼構造物塗装施工管理法または薬液注入施工管理法)

2級の学科・実地試験は同日実施です。また、2級は施工管理法(学科・実地試験ともに)において、選択した区分の内容で試験を受けます。なお、1級は学科試験が1次試験・実地試験が2次試験となり、学科試験に合格した人だけが実地試験を受験可能です。

土木施工管理技士の受験方法

平成29年度の受験概要にかんしては下記を参考にしてください。

  • 申し込み方法:簡易書留郵便によって個別に申し込み(締め切り日の当日消印有効)
  • 受験費用:1級(学科・実地それぞれ 8,200円)、2級(学科・実地それぞれ 4,100円)
  • 試験日程:1級(学科が7月、実地が10月)・2級(学科・実地ともに10月)
  • 試験会場:1級(札幌・釧路・青森・仙台・東京・新潟・名古屋・大阪・岡山・広島・高松・福岡・那覇の13地区)、2級(1級の試験地に秋田・富山・静岡・松江・高知・鹿児島を加えた19地区)

まずは、締め切り日までに忘れないように手続きしてください。なお、2級にかんしては、土木分野の学科試験だけ翌年2月に実施します。より詳しい内容は、下記をご覧ください。

平成29年度土木施工管理技術検定試験実施日程

土木施工管理技士の合格ライン

合格ラインは、学科・実地ともに正解率60%以上です。確かに、全問正解できることに越したことはありません。しかし、合格という点だけで言えば、60%を超えていれば構わないのです。ただし、1級の場合は1次試験である学科が60%以上の合格ラインに達していない場合は、実地試験を受けることができないので注意しましょう。なお、実地試験に不合格となった場合は、翌年度にかんして学科試験免除で受けることができます。受験申し込みのときに、忘れずに申請してください。

土木施工管理技士の試験に関する問い合わせ先

土木施工管理技士の試験で質問や疑問があるときは、一般財団法人全国建設研修センターに問い合わせましょう。また、「技術検定試験に関するよくある質問」ページに掲載していることもあります。内容を確認して、不明なことは問い合わせるようにしましょう。

05. 土木施工管理技士の
勉強法について

土木施工管理技士の試験に合格するためには、効率よく必要な知識を学ぶことが重要です。では、試験合格のコツを解説しますからじっくり読んでください。

土木施工管理技士の学習方法について

土木施工管理技士の試験対策は、過去問や模擬問題をたくさんこなして試験の傾向に慣れることが大切です。ただし、基礎知識がまったく無い状態ではきちんと解くことができません。まずは、試験範囲をざっくりと確認して苦手分野を確認し、重点的に勉強してください。大体の知識を学ぶことができたら、過去問や模擬問題を解いてみましょう。すると、初見では難しそうに見えた問題でもわかるようになっているものです。なお、間違えたり回答に悩んだりした部分は弱点として受け止め、本番までに攻略しておきましょう。

土木施工管理技士の独学のコツ

土木成功管理技士は、独学で受験する人も多くいます。独学で試験対策を行うことは、強い意志が必要です。まず、目標が試験合格にあることをしっかり認識してください。そして、目標達成のためには何が必要かを書き出すのです。書き出した内容をひとつずつクリアしていけば、合格を手にすることができます。また、無理無く独学を続けけるためにも、学習環境を整え、すき間時間を利用するなど、いろいろと工夫してみましょう。

試験対策におすすめのテキストや参考書

土木施工管理技士の試験対策におすすめのテキストや参考書を3つご紹介します。いずれも評判の良いものですから、役に立つことでしょう。

4週間でマスター 2級土木施工管理技術検定問題集 学科・実地試験対策編
「4週間でマスター 2級土木施工管理技術検定問題集 学科・実地試験対策編」は、2級土木施工管理技士を目指す人のために特化した問題集です。まず問題を解き、解説を見て復習するというやり方なので無理なく実力アップすることができます。

1級土木施工管理技術検定試験問題解説集録版(2016年版)
「1級土木施工管理技術検定試験問題解説集録版(2016年版)」は、過去7年間の問題を元に徹底解説している参考書です。合格するために必要な基礎知識を身に付けたい人には、特におすすめと言えます。

図解でよくわかる1級土木施工管理技術検定 実地試験(平成25年版)
「図解でよくわかる1級土木施工管理技術検定 実地試験(平成25年版)」は、1級土木施工管理技士の実地試験に特化した内容となっています。学科試験を突破した後に、実地試験に向けて集中して対策したいときにピッタリの内容です。

土木施工管理技士の過去問について

土木施工管理技士の試験対策として、最も効率の良い学習方法は、過去問を攻略することです。過去問は、主催者が「最低限理解していてほしい」という内容になっています。そのため、過去問を攻略して出題の傾向をつかむことが効果的なのです。過去問自体は、市販のテキストや参考書・教材類からも入手できるほか、一般財団法人全国建設研修センターの「技術検定試験問題、正答肢一覧」からも最新年度の問題と回答例をダウンロードできます。

土木施工管理技士の講習について

土木施工管理技士試験の合格を目指して、各地の専門学校や資格学校などで講習会を開くことがあります。普段独学で進めている人も、機会があったら参加してみるといいでしょう。講習会では、独学で見過ごしてしまっていたポイントを発見できるだけではありません。学んだことに対する疑問や質問を、その場で聞くことができるのも大きなメリットです。それに、ほかの参加者からのいい刺激を受けることもできますよ。

土木施工管理技士の勉強法に関するそのほかのこと

土木施工管理技士の勉強法として、同じ職場の仲間たちと勉強会を開くことも考えてみましょう。同期や同僚の中には、同じタイミングで試験を受ける人がいる可能性があります。気心の知れた仲間たちとなら、試験対策もはかどることでしょう。また、お互いがライバル意識を持つことで良い方向に向かいます。独学だけでは挫折しそうな人は、仲間と一緒に進めていくことも考えてください。

土木施工管理技士の勉強法に関する注意点

土木施工管理技士の勉強をしていると、途中でどうしてもわからない問題にぶつかることがあります。いけないのは、わからないままにしてしまうことです。インターネットや参考書で調べてみたり、詳しい人に聞いてみたりして必ず解決しておいてください。試験当日に、あやふやになっていたところが出て慌てる可能性もあります。不安要素は、できるだけ取り除いておきましょう。

06. 土木施工管理技士について
よくある質問

最後に、土木施工管理技士の資格についてよくある質問に回答します。合格を確実につかむためにも、それぞれの内容を確認しておきましょう。

Q.土木施工管理技士は現場作業をしなくてもいいのですか?
A.土木施工管理技士は、施工管理や工程管理・安全管理が職務です。現場作業ではなく管理が仕事ですから、現場作業を実際に行う必要はありません。しかし、実際には現場に出掛け、作業をしている人たちに指示を出すことも多くあります。ときには、必要に応じて現場作業にかかわることもあると認識しておくといいでしょう。

Q.土木施工管理技士としてスキルアップするにはどうすればいいですか?
A.同じ会社でスキルアップをするには、実務経験を積む・マネージャーの立場になる・ほかの資格を取って仕事の幅を広げる、などがあります。いずれにしても、自分のスキルを高められる職場であることが前提です。もしも、頑張ってもスキルアップしにくいのなら、転職も視野に入れて考えてみてください。土木施工管理技士は、転職市場でも人気です。常にアンテナを張っておくことで、チャンスを逃さないで済みますよ。

Q.結婚して名前が変わった場合は技術検定合格証明書を更新するべきですか?
A.何らかの理由で、技術検定合格証明書の内容に変更があった場合は、速やかに手続きをして正しい内容に書き換えてください。紛失した場合も、同様に申請しましょう。なお、手続きは本人だけが行うことができます。所属企業などが代理で申請することはできないので注意しましょう。詳しい手続き方法は、下記を参考にしてください。

一般財団法人全国建設研修センターの技術検定合格証明書の再交付・書き換え申請について(土木・造園)

Q.2級土木施工管理技士(土木)を取得済みの場合1級も目指すべきですか?
A.2級を取得済みの人は、ぜひ1級の取得を目指してください。2級でも、取得分野の土木工事の施工管理などに当たることは可能です。しかし、1級は区分が無くなり担当工事の幅を広げることができます。また、1級は監理技術者にもなることができるため、企業にとっても必要不可欠な人材となるのです。昇級・昇進にもより有利になりますよ。

Q.土木施工管理技士として女性でも活躍できる場面はありますか?
A.今、建築業界では女性の活躍が目立ってきています。建設現場や土木工事現場でも、男性ばかりの職場に女性の姿を見ることができるようになりました。今後は、男女の区別無く土木施工管理技士として活躍できる場面も増えることでしょう。ただし、現時点では多いとは言えません。できるだけ女性の採用を積極的に行っている企業を探して、就職してください。

07. 土木施工管理技士
まとめ

今回は、土木施工管理技士の資格取得を考えている人のために、資格の概要から試験の内容・おすすめの勉強法などさまざまな点から解説しました。復興事業や地域活性事業などが活発化しており、土木施工管理技士の需要はますます高まっています。現場系の資格として取得しておくと、就職や転職に困らないでしょう。土木工事が計画どおりに行うことを管理する立場として、ぜひ活躍してください。なお、資格取得のためには綿密な準備が必要です。きちんと対策をして、試験当日を万全な状態で迎えるようにしましょう。

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