主任電気工事士と電気工事士の違いは何?取得する方法は?

主任電気工事士と
電気工事士の違いは何?
取得する方法は?

主任電気工事士とは、一般用電気工事の業務を行う営業所ごとに選任が義務づけられている資格です。電気工事士が取得することができる資格ですが、取得するには一定の条件があります。

今回は、主任電気工事士の職務や資格を取得する方法を解説しましょう。

この記事を読めば、主任電気工事士だけでなく電気工事士の資格を取得する方法もよく分かりますよ。電気工事士の資格に興味のある方も、ぜひ読んでみてくださいね。

01. 主任電気工事士とは
どのような資格?

主任電気工事士とは、一般用電気工事を行う営業所ごとに選任が義務づけられているものです。主任電気工事士に選任されれば、

  • 電気工事の管理業務
  • 一般用電気工事の検査の立ちあい
  • 検査結果の確認
  • 電気工事士の監督業務

などを行います。電気工事士の責任者的な立場を任されると考えればよいでしょう。一般用電気工事を行う営業所では、その規模に関係なく、必ず1名は主任電気工事士を選任しなければなりません。なお、1人の主任電気工事士が複数個所の営業所で主任電気工事士を務めることはできないので、注意しましょう。

02. 主任電気工事士の
選任を受ける方法

主任電気工事士になるには、電気工事士の資格を取得する必要があります。電気工事士には一種と二種があり、一種を取得していれば、無条件で主任電気工事士に選任されることが可能です。第二種を取得している場合は、3年以上の実務経験が必要になります。3年以上の実務経験がある第二種電気工事士は、職場の主任電気工事士から実務経験証明書に印鑑を押してもらいましょう。それで、実務経験の証明になります。実務経験証明書は、各都道府県のホームページからダウンロードが可能です。

なお、どのような電気工事が実務経験に当たるのかは、都道府県によって解釈が分かれます。たとえば、家電の設置工事が電気工事士の実務経験と認められている県もあれば、認められていないところもあるので注意しましょう。自分が行っている工事が実務経験に該当するかどうか不安な場合は、各自治体の担当課に問い合わせてください。

03. 電気工事士の種類と
取得方法

この項では、主任電気工事士の選任を受けるために必要な電気工事士の資格について解説します。どのような資格なのでしょうか?

電気工事士とはどのような資格?

電気工事士は、電気工事を行うことのできる資格です。水道工事やガス工事は、主任技術者の監督下でしたら無資格者でも工事を行うことができます。しかし、電気工事だけは資格を取得しなければ行うことはできません。また、電気工事士の資格を取得すれば、認定電気工事従事者・特種電気工事資格者などの資格も、講習を受講して取得できます。
電気関係の仕事に就くならば、取得しておいて損はないでしょう。

電気工事士の種類

電気工事士には、前述したように一種と二種があります。二種は、600V以下で受電する設備の工事を行うことが可能です。一般住宅や小規模な店舗の電気工事が該当します。一種は、二種が行える電気工事に加えて最大電力500kw以内の工場・ビルなどの電気工事を行うことが可能です。

電気工事士を取得する方法

第二種電気工事士は、専門学校や大学・職業訓練校など経済産業省が認定した学校を所定の単位を収めて卒業するか、電気技術者試験センターが主催する試験を受け、合格すれば取得できます。
第一種電気工事士は、認定校の制度がありません。取得したい場合は試験を受けて合格する必要があります。

なお、電気工事士の試験は受験資格が定められていません。年齢・性別・学歴問わずに受験ができます。ただし、試験に合格しても第一種電気工事士は5年の実務経験(電気関係の大学や短大を卒業していれば3年)がなければ、都道府県知事から免状を交付されません。そのため、第二種電気工事士の資格を取得してから実務経験を積み、第一種を取得することが一般的です。

大学や短大・専門学校で所定の単位を取得すれば第二種の資格が得られる場合、第一種の試験だけを受けて合格し、実務経験を積んでから改めて免状を交付してもらう方もいます。ちなみに、試験に合格していれば何年後でも免状は受け取ることが可能です。

電気工事士の試験科目について

電気工事士の試験は、第一種・第二種ともに学科試験と技能試験です。学科試験は、学歴や取得資格(電気主任技術者)などによって免除されることもあります。詳しくは、電気技術者試験センターのホームページを確認しましょう。

学科試験は択一式の試験問題であり、6割以上の得点で合格です。学科試験に合格しないと技能試験を受けることはできません。技能試験に不合格になった方は、翌年に限って学科試験が免除されます。

技能試験は、実際に工具と与えられた材料を使って電気工作物を作り上げる試験です。実務経験がない方にとっては、少々厄介な試験でしょう。学科試験の合格が分かった時点で、すぐに勉強を始めるとよいですね。工具は自分のものを持ちこみます。忘れても会場で貸してもらうことはできません。

電気工事士の試験日程や申し込み方法

電気工事士は第一種が年に1度、第2種が年に2度試験が実施されます。ただし、第2種でも受験できるのは一回だけです。電気技術者試験センターから電子申請も可能ですので、利用してみましょう。試験は毎年6月と10月に学科試験が実施され、受験料は9,300円です。
試験は全国で実施されますので、受験票が届いたら必ず試験会場を確認してください。東京や大阪などの大都市では、会場も複数あります。

郵送で申し込みたい場合は、センターの窓口や各電力会社の支部で願書が配布されており、郵送も可能です。

受験勉強の方法

電気工事士の勉強方法には、独学・通信教材の利用・講習会の利用などがあります。技能試験の練習材料もネットショップなどで販売されているほか、ホームセンターでも材料は購入可能です。

学科試験ならば、第一種・第二種ともに独学で合格する方も多いでしょう。ツールボックス刊「すいーっと合格シリーズ」や電気書院刊「らくらく学べるシリーズ」などが人気の参考書です。ただし、全く知識のない状態から勉強を始める場合は、通信教材のテキストの方が分かりやすいでしょう。書店販売されている参考書よりも値段が高い分、丁寧に分かりやすく作られています。また、業者によってはメールで質問を受け付けていますので、疑問点をそのまま放置することもありません。

技能試験は、全く経験のない方が自力で練習して合格することは、かなり難しいでしょう。参考書も販売されていますが、写真ではやり方がよく分からない技法もあります。
技能試験だけ通信教材を利用するか、直前講習を利用する方法がおすすめです。実際に作成方法を見ながら勉強した方が、技術は身に付きやすいでしょう。

勉強のコツ

勉強時間が確保できないと悩んでいる方は、通勤時間や昼休みの時間を利用しましょう。スマートフォンに入れられるアプリやeラーニングを利用するのもおすすめです。週末に何時間も勉強するよりも、毎日30分だけでも勉強した方が知識が身に付くでしょう。

技能試験は、道具に使い慣れておくことも大切です。新品の工具では試験当日にうまく使いこなせないでしょう。工具はセットも販売されていますが、電気技術者試験センターから「これだけは必要です」と申し渡されている工具をバラで揃えてもかまいません。当日は作業スペースが限られていますので、狭い場所で工作ができるように慣れておきましょう。

04. 主任電気工事士に関する
よくある質問

Q.主任電気工事士と、営業所の責任者を兼ねることは可能ですか?
A.問題ありません。

Q.主任電気工事士は正社員でなくてはダメですか?
A.雇用形態に厳格な決まりはありませんが、常駐している必要がありますので正社員が望ましいでしょう。

Q.第二種電気工事士の資格を取得し、あと1か月くらいで実務経験が3年になります。その状態で主任電気工事士になれませんか?
A.不可能です。

Q.主任電気工事士の選任に、性別や年齢は関係ありませんか?
A.はい。選任条件だけ満たしていれば大丈夫です。

Q.電気主任技師の資格を取得していますが、主任電気工事士になることはできませんか?
A.はい。必ず電気工事士の資格を取得している必要があります。

05. 主任電気工事士と電気工事士の違い
まとめ

いかがでしたか? 今回は主任電気工事士の選任条件を中心に解説しました。主任電気工事士になることができれば、昇進や昇給ものぞめるでしょう。また、電気工事施工管理技士の受験資格である実務経験を積むことができます。さらに、主任電気工事士の経験は、転職の武器にもなることでしょう。機会があったらぜひ選任を受けてみてください。

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