「ボイラー技士として働きたいが、年収が気になる」「どんな職場で働くことができるのか知りたい」などとお考えではないでしょうか。ボイラー技士は、ボイラーの取り扱いに関する専門職として高い需要を誇ります。しかし、実際の仕事内容や年収をきちんと理解してから就職・転職したいですよね。そこで、今回は、ボイラー技士の年収や年収アップのコツなど詳しく解説します。
この記事を読むことで、ボイラー技士の年収についてよく分かります。まずは、記事を読んでみてください。
1.ボイラー技士の仕事内容や主な職場
最初に、ボイラー技士の仕事内容や職場など見ていきましょう。
1-1.ボイラー技士はボイラーの専門資格
ボイラー技士は、ボイラーを取り扱うことができる専門資格で、主な仕事内容は、空調・温水ボイラーの操作や点検です。なお、資格の種類によって以下のようにボイラー作業主任者となれる範囲が異なるので確認してください。
- 二級ボイラー技士:伝熱面積の合計が25㎡未満のボイラー
- 一級ボイラー技士:伝熱面積の合計が500㎡未満のボイラー
- 特級ボイラー技士:すべての規模のボイラー
1-2.病院・ビル・工場など幅広い職場で活躍可能
ボイラー技士は、幅広い職場で活躍可能です。具体的には、以下のような職場があります。
- 病院
- ビル
- 工場
- 学校
- 宿泊施設
- 入浴施設
- ビルメンテナンス会社
- ビル管理会社
- プラント建設会社
1-3.ボイラー技士の現状や将来性は明るい
ボイラーを取り扱うためには、ボイラー技士の資格が必要になるため、資格取得者は転職や就職に大変有利です。大規模な施設になるほど、ボイラー設備を使った空調管理をしており、ボイラー技士が活躍することができます。ボイラーを使った空調設備などがある限り、仕事に困ることはないため、将来性があると言っていいでしょう。
2.ボイラー技士の年収について
ボイラー技士の年収相場や最近の推移などを見ていきましょう。
2-1.特級は大企業で働けるため高収入
ボイラー技士の年収相場は、以下を参考にしてください。
- 二級ボイラー技士:300万~350万円前後
- 一級ボイラー技士:350万~400万円前後
- 特級ボイラー技士:450万円前後~
中でも、特級ボイラー技士は最上級資格であり大企業で働く人が多いため年収が高めになります。
2-2.年収は320万~420万程度で安定している
ボイラー技士の年収は、平均して320万~420万円程度で推移しています。景気の変動に影響を受けにくく、安定した収入を得られると見ていいでしょう。今後も、ボイラー技士は需要が高まるため、今のうちに資格取得し実務経験を積むことが大切です。中高年になっても活躍している人が多いことからも、安定して長く働きたい人にもおすすめします。
2-3.資格手当や高収入を目指して転職も
ボイラー技士として年収アップを狙うのなら、資格手当が支給される職場や年収が高い職場探して転職するのがいい方法です。自社内で年収アップを狙うのなら、一級や特級の上位資格を取ってスキルアップに励みましょう。同時に、マネジメント力を身につけることも大切です。いずれにしても、年収アップのためにはスキルアップと情報収取能力・行動力が必要になります。
3.ボイラー技士の資格取得方法
ボイラー技士の資格取得方法を詳しく解説します。
3-1.二級ボイラー技士には受験資格なし
二級ボイラー技士
二級ボイラー技士に受験資格はありません。従って、国籍・性別・学歴・実務経験の有無に限らず希望すれば受験することができます。ただし、受験申請の際に「本人確認書」が必要になるため、忘れずに添付してください。本人確認書には、以下のようなものがあります。
- 住民票もしくは住民票記載事項証明書
- 健康保険被保険者証の写し(表裏両方)
- 労働安全衛生法関係各種免許証の写し(表裏両方)
- 自動車運転免許証の写し(表裏両方)
- そのほか氏名・生年月日・住所が記載されている身分証明書などの写し
なお、一級ボイラー技士・特級ボイラー技士の主な受験資格については、以下をご覧ください。
一級ボイラー技士
- 二級ボイラー技士免許取得者
- 大学・短大・高等専門学校などを卒業後、実務経験が1年以上
特級ボイラー技士
- 一級ボイラー技士免許取得者
- 大学・短大・高等専門学校などを卒業後、実務経験が2年以上
なお、一級および特級でそのほかの受験資格については、公益財団法人安全技術試験協会の受験資格ページを参考にしてください。
3-2.二級の試験は毎月1回程度の実施
ボイラー技士の受験概要は、以下を参考にしてください。
- 試験日程:特級は年1回10月・一級は2~3か月に1回・二級は毎月1回程度
- 受験地:全国7か所の安全衛生技術センター
- 受験料:各級とも6,800円
- 申し込み方法:受験申請書を各安全衛生技術センターに郵送もしくは窓口持参
なお、より受験申請の流れについては、公益財団法人安全衛生技術協会の受験申請から資格の取得までページを参考にしてください。
3-3.マークシート方式の筆記試験で4科目
ボイラー技士の試験内容は、以下のとおりです。
- 試験時間:二級3時間・一級および特級4時間
- 試験科目:筆記4科目(ボイラーの構造に関する知識・ボイラーの取り扱いに関する知識・燃料および燃焼に関する知識・関係法令)
- 実地試験の有無:なし
- そのほかの注意事項:筆記試験は五肢択一のマークシート方式
3-4.二級ボイラー技士の合格率は57%
平成29年度のボイラー技士の合格率は以下のとおりです。二級は10人中5~6人が合格していることから、きちんと対策すれば合格を狙えるレベルと言えます。
- 特級ボイラー技士:34.5%
- 一級ボイラー技士:59.4%
- 二級ボイラー技士:57.0%
3-5.過去問や市販の教材を活用して対策する
二級ボイラー技士試験に合格するためには、過去問や市販の教材を活用することがおすすめです。なお、過去問は公益財団法人安全衛生技術試験協会の公表試験問題ページよりダウンロードできます。実務未経験者は、同時に市販の教材を利用して基礎知識の学習に励みましょう。
3-6.未経験者の二級免状取得には講習受講が必要
二級ボイラー技士には受験資格がありませんが、試験合格後に免状を取得する際に実務(6か月以上)未経験の場合は、規定の講習を3日間受講する必要があります。具体的には、以下のとおりです。具体的な講習日程などは、一般社団法人日本ボイラ協会のボイラー実技講習会日程ページで確認してください。受講料は、東京支部の場合で21,600円(税込み)+教材費となります。
講習科目
- 点火(1時間)
- 燃焼の調整(7時間)
- 附属設備および附属品の取り扱い(6時間)
- 水処理および吹き出し(1時間)
- 点検および異常時の処理(5時間)
講習場所
- 一般社団法人日本ボイラ協会
- 公益社団法人ボイラ・クレーン安全協会
- 一般社団法人青森地区労働基準協会
- 一般社団法人弘前地区労働基準協会
- 一般社団法人八戸地方労働基準協会
- 一般社団法人下北地区労働基準協会
- 一般社団法人西北労働基準協会
- 一般社団法人山形県労働基準協会連合会
- 公益社団法人宮崎労働基準協会
4.ボイラー技士の年収に関するよくある質問
最後に、ボイラー技士の年収に関する質問に回答します。それぞれ確認しておいてください。
Q.年収アップ以外に一級や特級を取得する意味は?
A.仕事の範囲が広がり、大企業に就職しやすくなることです。大企業では、大規模ボイラーを取り扱うことが増え、一級や特級を取得していると転職・就職に有利になります。大企業は、中小企業より安定した福利厚生があるのも魅力です。
Q.資格手当は毎月いくらぐらいもらえる?
A.企業によります。毎月五千円程度の支給がある企業もあれば、資格取得時に数万円の支給だけというケースもあるでしょう。また、受験料の支給があっても、資格手当がないこともあります。詳しくは、企業の担当部署に確認してみてください。
Q.ボイラー技士に向いている人は?
A.仕事に対して真面目に取り組むことができる人です。ボイラー管理を怠ると、大きな事故につながることもあります。常に安全第一を心がけ、仕事の手を抜かない人は周囲にも認められやすいため、昇給面でも有利になるでしょう。
Q.ボイラー技士の実務を積み重ねれば年収が上がる?
A.必要不可欠な条件ではあります。しかし、年収が上がるかどうかは、企業の業績に大きく左右されるのも事実です。実務経験を積みスキルアップしても昇給が望めない場合は、転職を考えるのもいいでしょう。
Q.年収アップのためにはマネジメントの仕事も必要?
A.必要です。長く働いて実務経験を積めば、部下ができます。部下ができれば、業務内容の指導や指示をする・部下の労働状況を管理するといったマネジメント業務を欠かすことができません。
まとめ
今回は、ボイラー技士の年収について詳しく解説しました。ボイラー技士は、350万~450万円程度で、景気に左右されにくく安定した年収を得ることができます。専門知識を身につけて長く働きたいと思っている人にもおすすめです。まずは、受験資格のない二級にチャレンジしてみてください。なお、よりよい条件で働くためには、二級ボイラー技士だけでなく、一級・特級の取得を目指すといいでしょう。