ビルメンの資格手当はいくらぐらい? 取得しておきたい資格を紹介

ビルメン(ビルメンテナンス)は資格ではなく、建築物を使用し、維持・管理するために、清掃・点検・修繕などの各種業務を行うことです。無資格未経験でもビルメンになることができます。しかし、ビルメンの平均給与は低い傾向があるため、無資格のままでは生活が苦しくなるでしょう。資格を持っている有資格者は、基本給以外にも資格手当を得ることができるのです。そこで、本記事では、ビルメンの資格手当相場や取得しておきたい資格などを解説します。

  1. ビルメンにとって資格手当は重要!
  2. ビルメンの資格手当相場は?
  3. ビルメンで取得しておきたい資格
  4. ビルメンに関してよくある質問

この記事を読むことで、ビルメンの資格手当や取得しておきたい資格などが分かります。気になっている方はぜひ参考にしてください。

1.ビルメンにとって資格手当は重要!

オフィスビルなどで活躍するビルメンは、基本給のほかに資格手当をもらうことができます。

1-1.資格を取得して手当で稼ぐ

ビルメンテナンスの平均年収は300万~400万円と少なめなので、資格を取得し資格手当で稼ぐ方法があります。ビルメンテナンス業界は、近年人手不足といわれているため、有資格者の需要が高まってきているのです。取得している資格が多ければ多いほど、資格手当もたくさん得ることができるでしょう。

1-2.資格取得するとキャリアアップにもつながる

給料アップのために資格を取得する人が多いですが、資格を取得することでキャリアアップにもつながります。資格手当の額は、独立系と系列系で異なり、どちらかというと系列系の大企業のほうが資格手当の額が大きくなるのです。しかし、大手企業に就職するためには、それなりの経験を持ち、資格を取得しなければなりません。無資格者よりも有資格者のほうを採用する傾向があるからです。資格手当のためだけでなく、キャリアアップ+給与アップにもつながります。

1-3.資格手当の支給額上限・資格数が決まっている

ビルメンの資格手当で注意しておきたいのが、会社によって資格手当の支給額上限と、手当の対象となる資格数が決まっていることです。資格を取れば取るほどいくらでも手当が増額するわけではないので注意してくださいね。資格取得を応援しサポートしている会社の中には、資格10個まで支給してくれるところもあります。そのため、資格手当のためだけに必死に勉強して資格を取得しようとしている人もたくさんいるようです。

1-4.独立系と系列系ビルメンの違い

前述したとおり、豊富な資格手当をもらいたい方は、独立系よりも系列系ビルメンのほうがおすすめです。ビルメン業務を行う会社には系列系と独立系があり、それぞれ会社の仕組みが違います。独立系は設備管理が必要な施設から委託されますが、系列系は不動産業者などの子会社として自社ビルの管理を行うパターンです。仕事内容にも違いがあり、独立系は設備管理、系列系はビルマネジメント業務などが基本となります。仕事が豊富な系列系のほうが、資格手当が多い傾向があるのです。

2.ビルメンの資格手当相場は?

では、ビルメンの資格手当相場がいくらぐらいのか、具体的にチェックしていきましょう。

2-1.ビルメン会社の資格手当一覧

ビルメンに役立つ資格と、それぞれの資格手当を以下にまとめたのでぜひ参考にしてください。

  • 危険物取扱者(甲種):1,000~2,000円
  • 消防設備士(甲種):500~2,000円
  • 第二種・第一種電気工事士:500~5,000円
  • 第三種・第二種冷凍機械責任者:1,000~5,000円
  • 二級・一級ボイラー技士:500~3,000円
  • 第三種電気主任技術者:5,000~10,000円
  • エネルギー管理士:5,000~10,000円
  • 建築物環境衛生管理技術者(ビル管):5,000~10,000円

基本的に、資格手当は保有しているだけでもらうことができます。ただし、独立系では資格手当が出ない会社も多く存在しているので注意が必要です。一方で、責任者に選任されれば手当額がアップする可能性もあるでしょう。責任者を目指している方は、上位資格の取得をおすすめします。

2-2.系列系の上限は3万~5万円ほど

独立系では資格手当が出ない会社が多く存在していますが、系列系では上限が約3万~5万円と決まっている会社がほとんどです。また、系列系は責任者として選任されていなくても、資格手当を受け取ることができます。上限5万円と高く設定している企業に就職できれば、毎月基本給+5万円が支給されることになるので生活がかなり安定するはずです。資格手当で給与アップを期待したい方は、独立系よりも系列系のビルメン会社へ就職してください。ただし、系列系は転職時に一定の資格や経験が必要なケースがほとんどです。独立系の求人よりも人気があるので、競争率が高く、無資格未経験者は難しいところがあります。そのため、独立系で経験を積み資格を取得してから、独立系へ転職するパターンも多いようです。

2-3.上位資格ほど手当額も高くなる

資格手当の金額一覧を見ると分かるように、ほとんどが数千円程度です。しかし、上位資格になるほど資格手当も高額になります。たとえば、資格取得が難しいといわれている電験三種・エネルギー管理士・建築物環境衛生監理技術者(ビル管)などです。これらの資格は手当額がグンッと上がります。高額な資格手当をもらいたい方は、上位資格を狙うのも選択肢の1つですよ。

3.ビルメンで取得しておきたい資格

ビルメンで取得しておきたい資格をまとめて紹介します。

3-1.取得しておきたいビルメン4点セット

ビルメン業界で働くのであれば、ビルメン4点セットと呼ばれる資格は取得しておきたいところです。ビルメン4点セットは、以下の4種類になります。それぞれの特徴をまとめてみました。

  • 第二種電気工事士:4点セットの中でも重要な資格で、コンセント増設など電気工事ができる
  • 第三種冷凍機械責任者:1日の冷凍能力が100t未満の製造施設における製造に関わる保安
  • 二級ボイラー技士:伝熱面積の合計が25㎡未満のボイラーが扱える
  • 危険物取扱者乙種4類:ガソリンなど乙種4類の危険物を扱える

ビルメン4点セットを取得しておけば、毎月約1万円の資格手当がもらえるでしょう。また、ビルメンは基本的に資格がなくてもできる仕事ですが、資格を取得したほうが資格手当がもらえるだけでなく、さまざまな仕事ができるようになります。キャリアアップにもつながるので、ぜひ取得を目指してください。

3-2.ビルメン3種の神器は転職にも有利

高額な資格手当を手に入れると同時にキャリアアップを目指したい方は、ビルメン3種の神器と呼ばれる資格の取得がおすすめです。ビルメン3種の神器は、第三種電気主任技術者・エネルギー管理士・建築物環境衛生監理技術者となります。これらの資格は就職・転職に有利になり、資格手当も合わせて数万円程度です。さらに、大企業で働ける機会にもつながるでしょう。ただし、合格率が数%~10%台という難関試験となります。特に、建築物環境衛生管理技術者の資格試験は、定められた実務経験が必要です。そのため、まずはビルメン4点セットを取得し経験を重ねてから3種の神器を取得する方が増えています。

3-3.ほかに役立つ資格は「消防設備士」

ほかにも、ビルメンに役立つ資格に消防設備士があります。消防設備士は、消火器・警報設備や避難道具などの設置工事・点検・整備などを行う国家資格です。ビルメンの設備管理には消防設備もあるため、取得しておくと点検や整備ができます。ただし、消防設備士の甲種は一定の実務経験を積むか、第二種電気工事士の資格を取得しなければ受験資格を得ることができません。そのため、第二種電気工事士を取得してから消防設備士の資格試験に挑戦するといいでしょう。

3-4.取得しやすい資格から挑戦する

どの資格を取得すればいいのか分からない場合は、取得しやすい資格から挑戦していきましょう。難易度が高い資格は、実務経験など受験資格が定められているので、受験資格が決まっていない資格から挑戦してください。たとえば、ビルメン4点セットは、受験資格が定められていないので年齢・性別・学歴・職歴に関わらず試験を受けることができます。また、1年間で一気に4点セットを取得できる可能性もあるのです。特に、危険物取扱者は試験回数が多いため、ほかの試験日に合わせて調整できるでしょう。

3-5.無理のない勉強スケジュールを立てる

効率よく資格を取得するために、無理のない勉強スケジュールを立ててください。比較的、時間に余裕がある方なら、1日に数時間の勉強を続け1年間でビルメン4点セットを取得できるでしょう。しかし、無理は禁物です。ほとんどの人が仕事をしながら勉強に励むので、ライフスタイルに合った勉強法を選びましょう。仕事と勉強の両立が難しいと感じている方は、好きなときに勉強できる通信講座がおすすめです。休憩時間や移動時間などすき間時間を勉強に充てることができます。

3-6.経験を積みながら資格を増やすことができる

ビルメンは未経験者でも仕事に就くことができます。ただし、最初はできる仕事が限られるでしょう。少しずつ経験を積みながら、受験資格を満たす資格を取得するのも方法の1つです。ビルメンは経験を積みながら所有資格を増やすことができます。特に、ビルメンの育成に力を入れている会社は、サポート体制が整っているのでおすすめです。近年はビルメンの需要が高まってきているので、未経験者でも採用してくれるビルメン会社で経験を積んでから資格を増やしていきましょう。

4.ビルメンに関してよくある質問

ビルメンに関する質問を5つピックアップしてみました。

Q.ビルメンの主な仕事内容は?
A.ビル設備の保守点検・テナントや業者との折衝・オーナーとテナントの橋渡しなどがビルメンテナンスの主な仕事です。中でも、ビル設備の保守点検が基本的な仕事となり、電気・水道・空調など多岐にわたるビル設備の点検を定期的に実施します。異変がないかどうか確認することで、事故やトラブルを未然に防げるのです。

Q.系列系ならではの資格手当とは?
A.系列系は独立系とは違い、物件の修繕工事を請け負うことがあります。修繕工事では工事の監督をすることもあるため、施工管理技士という資格に手当を支給する会社が多いのです。施工管理技士とは、日本の建築業において特定業種の技術を認定した国家資格で、建設機械・土木・電気・造園などがあります。

Q.資格取得を目指す場合、会社はバックアップしてくれるのか?
A.会社によって異なります。資格取得をすすめる会社は、バックアップが充実している傾向があるでしょう。たとえば、合格祝いを支給したり試験勉強セミナーなどを開催したりと、サポートが充実しているのです。

Q.待遇のいいビルメン会社への就職に役立つ資格は?
A.電験三種は、正式名称・第三種電気主任技術者です。発電所・変電所・工場・商業ビルなど幅広いところに設置されている電気設備の保安・監督を行うことができます。電気設備の保安監督は、電気主任技術者の独占業務となるため、取得すれば安定した給料を得ることができるでしょう。ビルメン4点セットの中でも、必ず取得しておきたい資格の1つです。

Q.仕事と両立できる勉強法は?
A.独学・スクール通学・通信講座とさまざまな方法がありますが、大切なのは自分のライフスタイルに合った勉強法を選ぶことです。仕事と両立しながら勉強を続けたい方は、通信講座をおすすめします。通信講座は自分の好きなときに勉強できるので、移動時間や休憩時間などすき間時間も活用できるでしょう。

まとめ

ビルメンは基本給が低い傾向があるため、給与アップにつながる資格手当が重要です。資格手当は、500〜10,000円と額が幅広く、資格種類や会社によって異なります。上位資格で大企業に勤めるほど、資格手当の金額は高くなるでしょう。ただし、上位資格は受験資格が定められており、大企業に採用されるためには実務経験が必要です。経験がない方は、まず取得しやすいビルメン4点セットの取得を目指すといいでしょう。実務経験を重ねながら、高額の資格手当がもらえる資格に挑戦してくださいね。

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