インテリアデザイナー

インテリアデザイナーに
必要な資格は?
取得のための豆知識を紹介

インテリアデザインは、家具・カーテン・照明など内装全般の設計を行うことです。その専門家であるインテリアデザイナーは、個人宅やオフィス・店舗・ホテル・美術館・学校など、さまざまな場所のインテリアを担当しています。専門スキルや技術・センスが問われる仕事だからこそ、常に学ぶ姿勢を持ち続け、アンテナを張り巡らせておかなければなりません。そんなインテリアデザイナーになるためには、必要な資格があるのでしょうか。本記事では、インテリアデザイナーの基礎知識や資格・習得方法について説明します。

この記事を読むことで、インテリアデザイナーになるために必要な資格が分かります。将来、インテリアデザインの仕事に就きたい方は、ぜひ参考にしてください。

01. インテリアデザイナーの基礎知識

インテリアデザイナーとは、一体どんなものなのでしょうか。定義や仕事内容、職場・求人・年収、魅力・将来性、最近の傾向について説明します。

1-1.インテリアデザイナーとは

インテリアデザイナーの定義とは、インテリアと呼ばれる建物内部や外部の装飾・空間構成・家具や照明器具などの室内演出、デザインや建物全体の構成などを手がける職業を指します。最初は、デザイン会社などで働き、その後、独立してフリーランスとして活動する方も多いのです。中には、自らインテリア雑貨をデザイン・制作している人もいます。
建築士は建築基準法に基づき、建築の意匠設計を行う仕事です。しかし、インテリアデザイナーは法令に違反しない範囲で建築設計の一部であるインテリアのデザインを担当することになります。

また、インテリアコーディネーターは、違う仕事なので注意してくださいね。インテリアデザイナーは、ホテル・美術館・イベントブースなど幅広い場所で、照明・音・空間を使用したデザインを担当します。一方、インテリアコーディネーターは、住宅や店舗など身近な仕事を対象にしていることが多いのです。デザインの幅広い仕事がしたい方は、インテリアデザイナーを目指すのが良いでしょう。

1-2.仕事内容・職務について

インテリアデザイナーの仕事内容は、室内設計です。企画・基本設計の段階から室内空間の創造にかかわり、クライアントの要望を踏まえながら最適な空間を演出します。家具・照明器具・建物内部の構成やデザインを手がける仕事です。また、家具の色彩的統一、設置場所など快適に暮らすための相談やコンサルティングも行います。

1-3.職場・求人・年収について

一般的なインテリアデザイナーは、家具メーカーや設計事務所などに就職して、経験・実績を積んでいきます。会社に属しているときの平均年収は、大卒初任給で約20~25万円、専門学校卒で約18~23万円です。実績や経験を積んで独立する場合は、経験・能力によって異なるでしょう。気になる求人傾向は、需要が高まってきているため、就職・転職に困ることはありません。一般住宅・オフィス・店舗・ホテル・レストランなど活躍の場が広がっています。

1-4.魅力・将来性について

インテリアデザイナーの魅力は、自分の手で空間をつくり、多くの人に喜んでもらえることです。さまざまな場所で活躍できるのはもちろんですが、ホテルや公共施設などの大きな仕事になると、コンペに勝ち抜いて、プロジェクトをすすめていきます。完成したときの達成感やクライアントからの感謝・周囲からの高評価は、インテリアデザイナーとしての醍醐味(だいごみ)です。
近年はリノベーションやリフォームの需要が高まり、インテリアデザイナーの仕事の幅も広くなっています。実績・経験を積めば、海外からの仕事も入るでしょう。

1-5.最近の傾向

現在は、地球温暖化対策などのエコ活動に注目が集まっており、インテリアデザインに関してもナチュラルなスタイルが好まれる傾向があります。たとえば、木材を使用した建物・内装や自然のハーブ・観葉植物を生かしたインテリアデザインです。見た目のデザイン性はもちろん大切ですが、自然との共存にも目を向けると良いでしょう。

02. インテリアデザイナーの資格について

インテリアデザイナーになるためには、どのような資格が必要なのでしょうか。資格の種類や難易度・取得のメリット・専門学校について説明します。

2-1.どういうものか

インテリアデザイナーは、必ず資格を取得しなければできない仕事ではありません。実際に、大学や専門学校で学び、資格を持たぬまま会社で働く人もたくさんいます。しかし、取得したほうが就職や転職、仕事に有利な資格もあるのです。インテリアデザイナーを仕事にしたい方は、取得したほうが良いでしょう。

2-2.種類・難易度

インテリアデザイナー資格(インテリアデザイナー認定試験)は、日本デザインプランナー協会が運営している民間資格です。2か月ごとに試験が実施されており、インテリア関連の商品知識・販売技術・理解力や表現力などが問われます。インテリアデザイナーの合格率は全体の約30%です。
また、インテリア産業協会が実施する民間資格のインテリアコーディネーターや、建築技術普及センターが実施するインテリアプランナーもおすすめします。インテリアプランナーは、難易度が高く、合格率は約22%、インテリアコーディネーターも、合格率は約25%前後です。

2-3.取得のメリット

資格を取得することで、インテリアデザインに関する専門的知識を持っていることが証明できます。クライアントへのアピールにつながるため、フリーランスの場合は無資格者よりも仕事が獲得しやすくなるでしょう。また、就職・転職へのメリットも大きく、採用されやすい傾向があります。より上位の資格を取得するほど、仕事の幅も広がるでしょう。

2-4.専門学校について

インテリアデザイナーとして働いている人の多くは、大学か専門学校を卒業しています。建築やインテリアデザインに関する知識を幅広く学べる学科や、インテリアデザインだけに焦点を当てたコースなど、さまざまです。どのようなことを学びたいのか、どんな仕事をしたいのか、ある程度明確にしておいたほうが、適切な専門学校を選ぶことができます。

03. インテリアデザイナーの資格習得について

日本デザインプランナー協会の「インテリアデザイナー」資格について説明します。受験資格や受験内容・試験概要・試験内容・勉強法も併せてチェックしておきましょう。

3-1.受験資格

「インテリアデザイナー」資格の認定試験に、受験資格はありません。年齢・性別・国籍問わずに、誰もが受験できます。受験資格が定められていない分、実務経験のない方でも気軽に受けられる試験ではないでしょうか。

3-2.試験概要

試験日・試験地や申込方法について説明します。

3-2-1.試験日・試験地・受験料

試験は、在宅受験となります。試験会場に行かず、自宅で受験するシステムとなるため、交通費はかかりません。毎年、2月・4月・6月・8月・10月・12月と2か月ごとに実施しています。受験料は、1万円(消費税込み)で、受験票・試験問題・解答用紙が送られてきたときに代金引換で支払ってください。代金引換では、現金払い・クレジットカード払い・デビットカード払いが可能です。

3-2-2.申込方法

申込方法は、インターネットからの申し込みとなります。日本デザインプランナー協会のホームページから、「受験申込み」のボタンをクリックしてください。名前・郵便番号・住所・電話番号・受験試験選択に記入した後、送信します。申し込みが完了すると、佐川急便のeコレクトサービスで、受験に必要な受験票・試験問題・解答用紙が送られる流れです。

3-3.試験内容

具体的な試験内容は、日本デザインプランナー協会のホームページに記載されていないためハッキリとしていません。実際に受験した人の話によると、デザインに関する知識はもちろんのこと、家具・照明などのインテリアや販売技術に関する内容も問われるとのことです。インテリアデザインに関する幅広い知識を、きちんと学んでおいたほうが良いでしょう。

3-4.問い合わせ先

試験に関する相談をしたい方は、日本プランナーデザイン協会のサイトに記載しているメールアドレスに問い合わせてみてください。また、周囲に資格を取得している方がいれば、試験について聞いてみるのも方法の1つです。実際に聞いてみると、より試験を身近に感じることができるでしょう。

3-5.勉強法について

趣味の一環として受験するのであれば、独学でも良いでしょう。しかし、本格的な仕事として働くためには、専門学校やコースのある大学・短期大学に通って勉強をするほうがベターです。初心者がいきなりデザイン関連の書籍・テキストを読んでも、なかなか理解できません。または、通信講座を利用して勉強をする方法もあります。何のためにインテリアデザイナーの資格を取得するのか、目的をハッキリした上で勉強法を選ぶことが大切です。

04. インテリアデザイナーに関してよくある質問

インテリアデザイナーに関してよくある質問を5つピックアップしてみました。

4-1.インテリアデザイナーに向いている人とは?

インテリアデザイナーは専門知識だけでなく、美的センスが重要な仕事となります。クライアントの要望に耳を傾けながら、どのような空間にするのか想像を具現化していかなければなりません。美的センス・色彩感覚・造形能力・人とのコミュニケーションスキルも必要となります。さまざまな分野に興味を持ち、社交性を持っている人が向いていると言えるでしょう。

4-2.インテリアデザインの専門学校に通う場合、費用はいくらか?

専門学校によって異なりますが、1~3年制で約70万~160万円、1~2年制度で約50万~130万円でしょう。教材費は別に支払わなければならない学校もあるため、パンフレットなどに記載されている費用を細部まで確認してください。また、専門学校・大学を選ぶときは、どのようなことが学べるのか、就職先や就職率についてもチェックしておいたほうが良いでしょう。

4-3.プラスとなる資格が知りたい

インテリアコーディネーターやカラーコーディネーターなどさまざまな種類はありますが、インテリアデザイナーはパソコンを使ってデザイン作成をすることが多い傾向があります。そのため、パソコンによる作成技術やプレゼンテーション能力も必要です。できれば、CADなどのパソコンスキルを身につけておいたほうが良いでしょう。就職してからでは即戦力になりませんので、在学中などに取得すべき資格です。

4-4.1人前のインテリアデザイナーになるには、どのくらいかかるのか?

1人前になるまでには、最低でも10年以上かかると言われています。最初は、インテリアデザイナーが所属している設計事務所に就職して、実績・経験を積んでください。独立開業する場合は、専門知識や技術だけでなく、経営能力や人脈が必要です。事務所に所属している間に、人脈を築きあげておいたほうが独立しやすくなるでしょう。

4-5.インテリアデザイナーの働き方・生活とは?

納期が近づくころは、最も多忙な生活を送ることになるでしょう。深夜・早朝まで仕事が続き、休日に駆り出されることもたびたびあります。多忙な時期が続くと負担に感じますが、成し遂げたときの気持ちのほうが勝るでしょう。事務所の規模によって働き方や生活が異なるため、就職・転職をする際は、複数の就職先を比較してくださいね。

05. インテリアデザイナーの資格
まとめ

いかがでしたか? インテリアデザイナーは、企画・基本設計の段階から室内空間を生み出す仕事です。一般的な家庭から店舗・商業施設・美術館・イベントコーナーなど、働く現場は多岐にわたります。インテリアコーディネーターとは異なり、さまざまな場所で働くことができる点は、インテリアデザイナーの魅力でしょう。必要な資格はありませんが、民間資格を取得したほうがスムーズに就職・転職でき、フリーランスになった際の信用性もアップします。インテリアデザイナーになるために、必要な知識を身につけておきましょう。

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