飲食店にはどんな消防設備が必要?定期点検の頻度はどれくらい?

飲食店には
どんな消防設備が必要?
定期点検の頻度はどれくらい?

飲食店は不特定多数の方が利用する施設です。また、厨房だけでなく客席でも火を使う店舗もあるため、オフィスビルよりも厳しい消防設備の設置義務が課せられています。消防設備はただ設置するだけではいけません。定期的な点検も必要です。しかし、点検の仕方がいまひとつよく分からないと思っているオーナーもいるのではないでしょうか?

そこで、今回は飲食店に設置が必要な消防設備や、定期点検の頻度などについて解説します。

この記事を読めば、飲食店の防火対策はバッチリです。消防設備士の資格取得を目指している方も、ぜひ読んでみてくださいね。

01. 消防設備には
どんなものがある?

消防設備とは、消防法で規定されている消防用の設備・消火用水・消火活動上必要な施設の総称です。自動火災報知器や消火器・スプリンクラー・防火設備・誘導灯・火災通報装置などがあります。特定多数が利用する施設では、消防法によって設置しなければならない消防設備が定められているのです。

また、消防設備の設置に対して独自の決まりを制定している自治体もあります。なお、消防設備の設置義務が課せられるのは、建物の持ち主です。たとえばビルのテナントとして入居している場合、消防設備の設置義務はビルのオーナーにあります。

02. 消防設備の
設置義務と消防法

消防法とは、火災から人命と財産を守るために制定された法律です。消防設備とその点検にかんしては、消防法第17条によって規定されています。消防設備の設置が義務づけられている設備は、特定防火対象物と非特定防火対象物に分類されており、飲食店は特定防火対象物です。

また、消防設備は施設の使い道のほか、

  • 延べ床面積
  • 建物の構造(平屋・ビル・地下など)
  • 収容人数

などによって設置義務のあるものが変わってきます。また、ビルでテナントを借りて営業をする場合、どの階にテナントに入るかにより、設置義務のある消防設備が変わってくるので注意しましょう。

03. 飲食店に必要な
消防設備について

この項では、飲食店に設置が必要な消防設備について解説します。どのようば設備が必要なのでしょうか?

飲食店と他の特定防火対象物の違い

飲食店は独立した建物だけでなく、いろいろな施設と一緒になっていることも珍しくありません。たとえば、百貨店・ホテル・病院・遊技場などに飲食店が入っていることもあるでしょう。ですから、一律に「飲食店だから、この消火設備を設置しておけば大丈夫」ということはありません。

前項でご紹介したように、延べ床面積や施設の使い道・飲食店が経営を行っている場所などで必要な消防設備が決まってきます。なお、病院や百貨店・学校・劇場などに入っている飲食店は、それらの建物に設置義務のある消防設備と、飲食店に必要な消防設備の両方を設置しなければなりません。

飲食店に必要な消防設備は?

飲食店に必要な消防設備には、

  • 消火器(延べ床面積150平米以上)
  • 屋内消火栓設備(延べ床面積700平米以上)
  • 自動火災報知設備(延べ床面積300平米以上)
  • 避難器具(2階以上もしくは地階に店があり、収容人数が50名以上の店舗)
  • 誘導灯(すべての飲食店)

以上のような消防設備の設置義務があります。なお、今回記した延べ床面積などの条件はあくまでも目安です。建物の構造や防火体制・使い道などによっては変化することもあるでしょう。すべての飲食店に設置義務があるのは誘導灯だけですが、飲食店が自主的に消火器などを設置してもかまいません。

住宅との違い・排煙設備について

小さな飲食店でも、不特定多数が利用する施設であることにはかわりありません。火災が起きた際、素早く的確に飲食店の利用者を避難させる必要があります。そのため、誘導灯の設置義務があるのです。

また、百貨店・病院・映画館・劇場などで一定以上の延べ床面積を持つ施設は、建築基準法第二条で特殊建築物に指定されています。特殊建築物では、排煙設備にかんしても一定の基準があるため、飲食店を入れる場合は注意が必要です。

消防設備の点検について

前述したように、消防設備は単に設置しておくだけでは不十分です。消防設備がいざというときにスムーズに使えるように、年に二度の定期点検が義務づけられています。なお、特定防火対象物で延べ床面積が100平米以上の飲食店の場合、点検は消防設備士や消防設備点検資格者でないと行うことができません。

また、消火器の中身の詰め替えなど一部の消防設備の点検は、消防設備士しか行うことができませんので、無資格者が見よう見まねでやらないようにしましょう。

点検の結果は、専用の書類に記入して最寄りの消防署の署長あてに提出します。専用の書類は各自治体の消防庁や消防局のホームページからダウンロード可能です。消防署で配布しているところもあるでしょう。

消防設備士や消防設備点検資格者は自社で雇用してもいいですし、点検を専門におこなっている業者に依頼することもできます。

防火対象物点検について

一定以上の延べ床面積を持つ建物や、建物の構造・施設の収容人数によっては、防火対象物点検の義務があります。これは、消防計画や消防訓練が正しく行われているかどうかを点検するものです。単独の飲食店だけで防火対象物点検の義務がある場所は少ないのですが、ホテルや百貨店・学校などに入っている飲食店では行われることがあるでしょう。こちらも、点検結果を最寄りの消防署に提出する必要があります。

04. 消防設備の点検に
関する資格

この項では、消防設備の点検に関する資格について解説します。資格に興味がある方や資格取得を目指す方は、ぜひ参考にしてくださいね。

消防設備点検資格者

消防設備点検資格者とは、文字どおり消防設備の点検を行うことができる資格のことです。消防設備点検資格者は第1種・第2種・特類の3種類があり、第1種は1~3類・6類、第2種は4~7類に分類された消防設備の点検を行うことができます。ちなみに、消防設備は種類に応じて1~7類・特類に分類されており、次にご紹介する消防設備士も類によって資格区分がされているのです。

消防設備点検資格者は、消防設備士・電気工事士・建築士・技術士など一定の資格を持つ人、消防用設備等や特殊消防用設備等の工事又・整備について5年以上の実務経験を持つ人などが、講習を受けることによって取得できます。

講習は日本消防設備安全センターが主催しており、全国で受講が可能です。受講資格など詳しいことはセンターのホームページを参考にしてください。講習は3日間にわたって行われるため、仕事をしながら資格取得を目指す方は職場の理解が必要です。

消防設備点検資格者は5年ごとに講習を再受講し、資格を更新する必要があります。

消防設備士

消防設備士は、消防法で規定されている消防設備の点検・整備・設置工事を行うことのできる資格です。甲種と乙種があり、乙種は設置工事を行うことはできません。また、甲種は特類・1~5類、乙種は1~7類までの資格区分があります。ちなみに、消防設備6類と7類は消火器や漏電火災警報器など、設置工事が必要のないものが分類されているため、甲種に6類と7類はありません。

消防設備士の資格は、消防試験研究センターが主催する試験に合格すれば取得可能です。現在のところ、取得すればすべての消防設備の設置工事・点検・整備が行える資格区分はありません。必要な資格区分から優先的に取得していきましょう。

乙種は受験資格が定められていないため、誰でも受験することができます。甲種は、乙種を取得して一定の実務経験を積むか、電気工事士などの資格を取得している方でないと受験することができません。受験資格についてのより詳しいことは、センターのホームページを確認してください。全く無資格無経験な方が資格を取得する場合は、乙種から取得していくのが一般的です。

消防設備に関する資格は、電気に関する資格を取得していると何かと取得に有利でしょう。ですから、電気に関する資格と消防設備に関する資格の両方を取得する方も珍しくありません。

05. 飲食店の消防設備に
関するよくある質問

Q.消防設備士と消防設備点検資格者の違いはなんですか?
A.消防設備点検資格者は、点検しか行うことはできません。ですから、消防設備士の補助的な資格と考えましょう。

Q.劇場などで飲み物などを提供する店は飲食店に含まれますか?
A.調理を行っていなければ、飲食店には当てはまりません。

Q.ビルの一区画を購入し、飲食店を経営している場合は消防設備の設置義務は誰にありますか?
A.購入した場合は購入者に設置義務があります。

 Q.ビルの一区画にテナントとして入り、飲食店を経営しています。消防設備の不備をオーナーに訴えても改善してくれません。
A.最寄りの消防署に通報してください。指導が入ります。

Q.消防設備の点検を怠った場合、罰則などはあるのでしょうか?
A.30万円以下の罰金が科せられます。

06. 飲食店の消防設備
まとめ

いかがでしたか? 今回は飲食店に設置が義務づけられている消防設備などを解説しました。設置義務がある消防設備の種類は、建物の構造や延べ床面積で異なります。建物全体の延べ床面積は広いけれど、飲食店単体の延べ床面積は狭いという場合は、建物に設置義務のある消防設備があれば他に必要ない、ということもあるでしょう。また、設置義務のある消防設備以外にも、自分で火災予防のために消防設備を設置しておくことは可能です。従業員はいざというときの通報の仕方や顧客の避難のさせ方などを学んでおくとよいでしょう。特に、狭いビルや地下にある設備などは、避難の方法が生死を分けることも珍しくありません。また、非常階段を荷物置き場などにしないことも大切です。定期的にチェックしましょう。

そのカテゴリーで訪れる価値のある場所
遠回りしてでも訪れる価値のある場所
そのために旅行する価値のある場所