電験・エネ管は 同時取得が可能? その方法とメリットは?

電験・エネ管は 同時取得が可能? その方法とメリットは?

電気主任技術者(以下電験)とは、事業用電気工作物の保安監督業務を行うことのできる資格です。エネルギー管理士(以下エネ管)とは、一定以上のエネルギーを使用する工場のうち、製造業・鉱業・電気供給業・ガス供給業・熱供給業を行っている場所に選任が義務づけられています。この2つの資格は試験科目に共通することが多いため、同時に取得したいと考えている方もいることでしょう。実際に両方の試験勉強をして、同時期に取得したという方もいます。

そこで、今回は電験とエネ菅を取得する方法や、同時取得を目指す場合の方法などを解説しましょう。

この記事を読めば、試験対策もバッチリです。電験やエネ管の資格取得を目指す方は、ぜひ読んでみてくださいね。

01. 01. 電験・エネ管の
基礎知識

はじめに、電験やエネ管の職務や、有資格者を必要としている職場などを解説します。取得するとどのような仕事を行うことができる資格なのでしょうか?

電験とはどのような資格?

電験とは、事業用電気工作物の保安監督業務を行うことができる資格です。事業用電気工作物とは、高電圧の受電設備などのことで、電気事業法に基づき定期的な自主点検が義務づけられています。この定期点検は、電験の有資格者しか行うことができません。そのため、電験の有資格者を必要としている職場は、工場・発電所・変電所・オフィスビル・商業施設など豊富です。

電験には1種~3種まであり、それぞれ以下のように取り扱える事業用電気工作物の種類が決まっています。

  • 第1種:すべての事業用電気工作物
  • 第2種:電圧が17万V未満の事業用電気工作物
  • 第3種:電圧が5万V未満の事業用電気工作物(出力5千kW以上の発電所を除く)

エネ管とはどのような資格?

エネ管とは、エネルギー使用の合理化や省エネ化を推進する活動を行うための資格です。具体的には、電気・燃料等の使用方法の改善や、電気や燃料を消費する器具が適正に使えているかどうか監視を行います。場合によっては、設備の入れ替えを所有者に提言することもあるでしょう。
エネルギー管理士は、熱管理士と電気管理士の2種類があります。また、前述のとおり、原油3,000キロリットル、電気1,200万kW以上を消費する工場のうち、製造業・鉱業・電気供給業・ガス供給業・熱供給業を行っている場所に選任が義務づけられている資格です。

ちなみに、電験と共通項目が多いのは電気管理士の方であり、熱管理士との共通項目はほとんどありません。電気管理士は電気設備の管理を行い、熱管理士の方はボイラーなどの熱発生源の監視や管理を行います。

電験を取得するメリット

前述のとおり、電験の有資格者を必要としている職場はたくさんあります。資格の中には、最高位を取得していないと活用できないものもありますが、電験は3種を取得していれば十分に活用可能です。また、電験の資格を活用して行う仕事は定年を迎えても続けることができるので、長く働きたいという方にもピッタリでしょう。
資格を取得していれば、未経験でも問題ないという職場もあります。

エネ管を取得するメリット

前述のとおり、エネ管は一定以上の電力や熱を消費する工場には選任が義務づけられています。そのため、資格を取得していれば転職や就職に有利です。また、エネ管の免状を交付してもらうには1年以上の実務経験が必要になります。そのため、エネルギーの合理化や省エネ化の技術を取得していることの証明にもなるでしょう。

02. 02. 電験とエネ管の
共通点と相違点

この項では、電験とエネ管の共通点と相違点、さらに同時取得を目指すことのメリットとデメリットを解説します。どのような点が共通しているのでしょうか?

2つの資格の共通点

電験もエネ管も、工場に設置している大規模受電設備などの電気設備の点検や管理を行います。エネ管が監視している電気設備を、電験を取得している人が自主点検をすることもあるでしょう。そのため、エネ管の試験と電験の試験は出題範囲が共通しているところもあります。ですから、電験とエネ菅の試験勉強は両立することも可能です。

また、2つの資格を取得すれば省エネのための電気設備の管理と事業用電気工作物の自主点検を1人で行うことができます。

2つの資格の相違点

電験は電力や事業用電気工作物全般の知識が必要です。一方エネ管は、電気設備以外に、照明や空調に関する知識も必要となります。さらに、電験は電気事業法に基づいて事業用電気工作物の保安業務を行い、エネ管はエネルギーの使用の合理化等に関する法律に沿って仕事を行うのです。そのため、受験科目には同じ法規がありますが、内容は全く異なります。

2つの資格を当時に取得するメリット

前述したとおり、電験とエネ管は共に電気に関する高度な知識が必要です。そのため、試験では電気に関するさまざまな問題が出題されます。電験の勉強をしていれば、エネ管の試験で出題される問題の大半も解けることでしょう。また、電験もエネ管も科目合格が認められています。そのため、共通項目の多い科目から勉強して取得していけば、2つの資格をほぼ同時期に取得できるでしょう。

エネ管と電験の両方を取得できれば、仕事の幅も広がります。

2つの資格を同時に取得するデメリット

電験はかなり難易度の高い試験です。ここ数年は3種でも合格率は10%を切っています。エネ管も易しい試験ではありませんが、それでも合格率は19%前後です。勉強する科目が多くなっていくほど、大変になります。特に、全く無資格無経験の状態から、2つの資格を同時期に取得できるほどの実力を身につけるのは、大変難しいでしょう。

エネ管は、エネルギー管理の合理化にかかわる実務経験が3年以上あれば講習を受け、修了試験に合格すれば取得可能です。まず、電験を取得して電気関係の仕事のついてエネルギー管理の合理化の実務経験を積み、講習の受講資格を得る方もいます。

03. 03. 電験・エネ管を
取得する方法

この項では、電験・エネ管を取得する方法を解説します。資格取得を目指す方はぜひ参考にしてください。

電験を取得する方法

電験を取得する方法は2つあります。1つは、認定校を卒業後に電気工事や電気工作物の保安にかかわる実務経験を積み、経済産業省の認定を受ける方法です。この方法は手間と時間がかかるので、あまり推奨はされていません。もう1つは、電気技術試験センターが主催する試験を受けて合格する方法です。受験資格は定められていませんので、誰でも受験ができます。試験費用は、第1種・第2種が12,400円・第3種が4,850円です。

電験の試験科目

電験の試験は、電気・機械・法規・理論の4科目が出題されます。3種の場合は4科目すべて合格すれば資格取得が可能です。第1種・2種の場合は、さらに「電力・管理」「機械・制御」の2科目の二次試験があります。
一次試験の電気・機械・法規・理論は、3年間科目合格の持ち越しができるので、3年間かけて4科目を合格する方も珍しくありません。二次試験の2科目は科目合格が認められていないので、注意しましょう。

試験日や申し込み方法

電験の試験は、毎年9月に行われます。受験申し込みは電気技術試験センターのホームページから電子申請が行われますので、利用しましょう。二次試験は4科目を合格しなければ受験できません。試験は全国で行われるので、受験票が届いたら必ず受験会場を確認しましょう。

勉強方法のコツ

電験の試験は、1科目につき6割以上の得点で合格です。しかし、平均点が低い場合は5割以上の得点で合格になることもあります。試験勉強は独学の他、通信教材を利用したり講習会を受講してもよいでしょう。特に、初めて試験にチャレンジする方は、通信教材や講習の受講がおすすめです。講習会は電気工事や電気保安の団体が行っていますので、探してみましょう。

なお、電験の試験はどの科目にも必ず計算問題があります。そのため、電気の知識だけでなく数学のセンスも必要です。電気の勉強は中学や高校の物理で行った程度という人は、まず電気数学の勉強から始めましょう。

エネ菅の取得方法

エネ管の取得方法は、省エネルギーセンターが主催する試験に合格するか、7日間の講習を受講して修了試験に合格すれば取得できます。前述したとおり、講習を受講するには3年以上の実務経験が必要です。試験に受験資格はありませんが、免状の交付を受けるには、1年以上の実務経験が必要になります。実務経験を試験に合格した後に積み、免状を申請しても問題ありません。試験費用は17,000円、講習受講費用は70,000円です。

試験科目について

エネ管(電気管理士)の試験科目は、電気の基礎・電気応用・電気設備及び器具・エネルギー総合管理及び法規の4科目です。電験と同じく科目合格を3年間持ち越せます。1科目につき6割以上の得点で合格です。

試験の申し込みについて

エネ管の試験は、省エネルギーセンターから電子申請を行うことができます。試験は8月上旬に行われますので、電験と同時に受ける方は2か月連続の試験です。試験は東京や大阪など全国の主要都市で開催されます。全国ではありませんので、遠方の人は宿泊の用意もしましょう。なお、講習は仙台・東京・名古屋・大阪・広島・福岡で開催されます。

勉強方法のコツ

エネ管の試験勉強は、省エネルギーセンターを活用しましょう。毎年webサイトで試験対策講座を開催しています。これなら、全国どこでも受けることができるでしょう。また、東京都港区の省エネルギーセンターでは、1日だけの短期集中講座も開催しています。

04. 04. 電験・エネ管に対する
よくある質問

Q.電験とエネ管、どちらかを取得すれば資格試験の一部が免除になるようなことはありますか?
A.ありません。どちらかの資格を取得していても、すべての科目を受験してください。

Q.電験とエネ管、どちらを先に取得しておいたほうがいいですか?
A 電気の保安業務を行いたい場合は電験、エネルギーの管理を行いたい場合はエネ管を取得しましょう。

Q.週末になかなか勉強時間が取れません。
A.週末にまとめて勉強するより、1日30分でもいいので勉強しましょう。

Q.エネ管の資格は、選任が義務づけられている職場でしか活用できませんか?
A.いいえ。省エネに熱心な企業が有資格者を必要としています。

Q.エネ管と電験を両方取得するメリットはなんでしょうか?
A.省エネ化をするための電気設備の管理と、自主点検を1人で行うことができます。

05. 05. 電験とエネ管
まとめ

いかがでしたか? 今回は電験とエネ管を同時に取得するメリットや方法などを解説しました。必ずしも同時期に取得しなくても、電験を取得した直後にエネ管の勉強を始めれば、スムーズに知識が身につくことでしょう。両方の資格を取得すれば、働ける場所の幅も広がります。可能ならば両方取得しておいて損はありません。

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