空調工事に必要な資格

空調工事に
必要な資格が知りたい!
資格の種類や試験内容について

商業施設やオフィスビルなどには、大型の空調設備が整っています。空調設備は、定期的にメンテナンスするからこそ、正常に安全かつ安心に稼働し続けることができるものです。しかし、空調メンテナンスや工事をきちんとしていなければ、不具合や不調が起きてしまいます。また、空調工事をするためには、管工事施工管理技士などの資格が必要です。そこで、本記事では、空調やその工事の基礎知識・関係する資格・試験内容について説明します。

この記事を読むことで、空調工事について詳しく知り、関係する資格取得に必要な知識を身につけることができます。ぜひ参考にしてください。

01. 01. 空調について

空調工事に関連する資格を取得する前に、まずは、空調とはどんなものなのか知る必要があります。重要性や空調設備について詳しくチェックしておきましょう。

1-1.空調とは

室内空気の汚れを取りのぞき、温度・湿度を自動的に調節することを空調といいます。また、その装置や空気調節を指していることもあり、空気調和の略語でもあるのです。私たちが心地良い環境を実現するためには、温度・湿度・気流・空気の汚れなどを配慮しなければなりません。空調は、これらをきちんと配慮し、コントロールするためのものです。空調システムには、家庭用ルームエアコンやビル用マルチなどがあります。

1-2.重要性

オフィスビルや商業施設は、不特定多数の人物が出入りしますよね。行き交う人の数が多くなるほど、室内の空気が汚れやすく、室外と室内の温度の調節が難しくなりがちです。たとえば、夏場は、出入り口の扉が開く回数が多いほど、外からの熱気が中に入ってきます。そこで、空調管理をきちんと行うことで、心地良い環境を維持し続けることが可能です。逆に、空調管理が出来ていない場所では、室内の空気が汚れてしまい、その場にいる人たちの健康に悪影響を与えてしまいます。

1-3.空調設備はどんなものか?

空調設備は、空気調和をするための建築設備のことです。基本的に、熱源設備・熱搬送設備・空気調和設備の3つから構成しています。それぞれの特徴を以下にまとめてみました。

  • 熱源設備:ボイラー・冷凍機・吸収礼温水機・ヒートポンプ・蓄熱槽などで構成する冷温熱源
  • 熱搬送設備:機器から機器、または機器から室内へと熱を搬送するための配管やダクトなど
  • 空気調和設備:水・冷媒・蒸気・空気との熱交換を行う冷却・加熱コイルや加湿器・エアフィルター・送風機などで構成する

オフィスビルなどに設置されている空調設備は、各フロアにスイッチがある個別空調と、制御室で管理するセントラル空調の2種類に分かれています。

02. 02. 空調工事について

それでは、空調工事の概要や必要な場所とタイミング・工事を依頼する場所について説明します。

2-1.空調工事とは

空調工事とは、業務用エアコンの新規設置や増設・移設・入れ替え・撤去から、換気扇や空気清浄機・排気ファン・空調ダクトなど、空調設備にかんする工事のことです。空調設備は、設置すれば終わりではなく、月日の経過とともに内部が汚れ、劣化します。快適な環境を提供するためには、定期的なメンテナンスが必要です。メンテナンス時に異常が見られた場合は、すぐに工事を行わなければなりません。

2-2.どんなところで、どんなときにすべきか

たとえば、オフィスビルだと各フロアにあるエアコンから、制御室の大型空調設備になるでしょう。建築物における衛生的環境の確保にかんする法律(ビル管理法)では、ビルの空気内に含まれる粉塵(ふんじん)・二酸化炭素・一酸化炭素の量が決まっています。定期的なメンテナンス・点検で異常が見られた場合は、原因を突き止めて、改善するための工事を行うのです。早めに改善策を立てておかなければ、施設全体の空調機能が働かなくなります。

2-3.工事を依頼する場所とは

空調工事を依頼する先は、空調のメンテナンス・修理・工事を行っている業者です。オフィスビルなどの施設を安全かつ衛生的に運営するために選任される「建築環境衛生管理技術者」という有資格者がいますが、その人自身が工事を行うわけではありません。ほとんどの場合が、空調設備をメンテナンスする業者、または空気調査を行う業者に管理・検査を依頼しています。業者の中には、遠隔操作で空調を最適な環境にコントロールする業者も存在しているのです。

03. 03. 空調工事に関係する資格について

空調工事を行うためには、関連資格を取得しておかなければなりません。資格の種類や取得のメリット・就職先、注意点について説明します。

3-1.資格紹介

空調工事・メンテナンスに関係する資格といえば、管工事施工管理技士と電気工事士などがあります。それぞれの特徴について詳しくチェックしておきましょう。

3-1-1.管工事施工管理技士

管工事施工管理技士は、日本の建築業において特定業種の技術を認定した国家資格「施工管理技士」の1種です。建設業のうち、冷暖房設備工事や空調設備工事・ダクト工事・ガス配管工事などの管工事において、施工計画の作成や工程・品質・安全管理などを担当します。1級と2級の2種類があり、それぞれ役割が大きく異なるので注意してください。

  • 第1種管工事施工管理技士:建設業法により、特定建設業の営業所に置かなければならない専任技術者や、工事現場ごとに置かなければならない主任技術者・監理技術者になることができる
  • 第2種管工事施工管理技士:建設業法により、一般建設業営業所の専任技術者や、工事現場における主任技術者になることができる

3-1-2.電気工事士

電気工事士は、ビル・工場などにある電気設備の工事ができる資格です。空調設備の中には、電気系統の工事が必要な場合があり、その際は電気工事士の資格が必要となります。保安監督を行う電気主任技術者もありますが、電気工事だけを行うことができるのは電気工事士です。また、電気工事士は第1種・第2種があり、それぞれ扱える工事内容が異なります。

  • 第1種電気工事士:第2種の範囲と最大電力500kW以内の工場・ビルなどの工事
  • 第2種電気工事士:一般住宅や店舗など、600ボルト以内の受電設備工事

3-2.資格取得のメリット・就職先

空調工事ができる資格を取得しておけば、転職・就職に有利です。空調設備の工事や管理を行っている会社やビルメンテナンス企業は、有資格者を欲しがっています。オフィスビルや商業施設など、大型空調設備がある場所では、必要な資格です。仕事がない状態にはならないので安心してください。また、複数の資格を取得することで、さらなるスキルアップを目指すことができます。大型施設で働きたい方は、複数の資格を取得すると良いでしょう。

3-3.注意点

資格によっては種類に分かれており、それぞれ取り扱えるものが異なります。自分がどのような場所で働きたいのか、どんな空調設備の工事を行うかによって、受験すべき資格が異なるので注意してください。たとえば、より大きな空調設備の工事を行いたい方は、第1種電気工事士の資格を取得したほうが良いでしょう。第2種を取得しても、工場・ビルなどの工事ができません。

04. 04. 管工事施工管理技士の試験について

それでは、空調工事に最も関係している管工事施工管理技士の試験について、より詳しく説明します。受験を考えている方は、ぜひチェックしてくださいね。

4-1.受験資格

管工事施工管理技士は、誰でも取得できる資格ではありません。試験を受けるためには、受験資格をクリアしておかなければならないのです。各種学校の指定学科を卒業して、実務経験があることが条件であり、指定学科以外を卒業した場合は長い実務経験が必要となります。1級・2級によって、受験資格が異なるため、詳細は「一般財団法人全国建設研修センター」のホームページで確認してください。

4-2.試験概要

申込方法、試験日・試験地、受験料について説明します。

4-2-1.申込方法

管工事施工管理技士の試験申し込みは、簡易書留郵便による個人別申し込みとなっています。インターネットによる受付は行っていませんので注意してください。申込用紙は、学科・実地試験と実地試験だけの2種類があり、1部600円です。試験申込期間が近づくと、 一般財団法人全国建設研修センターのホームページに、申込用紙販売の案内が提示されます。

4-2-2.試験日・試験地

試験日は、学科試験と実地試験の2回に分かれています。学科試験は、9月上旬ごろ、実地試験は12月上旬ごろです。試験地は、1級と2級によって異なるので注意しましょう。

  • 1級の試験地:札幌・仙台・東京・新潟・名古屋・大阪・広島・高松・福岡・沖縄
  • 2級の試験地:札幌・青森・仙台・東京・新潟・金沢・名古屋・大阪・広島・高松・福岡・鹿児島・沖縄

4-2-3.受験料

受験料は、1級と2級や受験する試験によって異なります。以下にまとめましたので、申し込み前に確認してください。

  • 1級:学科試験 8,500円/実地試験 8,500円
  • 2級:学科・実地試験 8,500円/学科試験だけ 4,250円/実地試験だけ 4,250円

4-3.試験内容

管工事施工管理技士の資格試験は、筆記の学科試験と実地試験があります。学科試験の科目は、機械工学・施工管理法・法規の3科目です。実地試験は、施工管理法があります。学科試験は択一式で、実地試験は記述式が出題されることになるでしょう。また、実施試験は、実際に施工した現場にかんする内容について、記述する出題があります。

4-4.受験者数・合格率

管工事施工管理技士の合格率は、1級が約20%、2級が約40%前後です。実務経験が受験資格となっているため、合格率はそこまで低くありません。しかし、合格率が高い=試験が易しいというわけではないので気をつけてください。資格試験サイトなどの難易度では、「ふつう」になっています。きちんと勉強をすれば、合格できる可能性が高まるでしょう。また、近年の受験者数を見てみると、15,000~18,000人の間を行き来しています。

4-5.問い合わせ先

資格試験について分からないことがあれば、試験を実施している「一般財団法人全国建設研修センター」に問い合わせてください。電話にて、管工事試験課に問い合わせることができます。

4-6.おすすめの勉強法・テキストについて

独学・スクール・通信講座と、さまざまな勉強法があります。勉強法は、ライフスタイルに適しているかどうかが大切です。たとえば、仕事や家事で毎日忙しくしている方は、自分のペースで勉強できる通信講座が良いでしょう。時間にある程度余裕があれば、スクールに通うのも良いですし、テキストを購入して独学するのも選択肢の1つです。また、テキストを選ぶ際は、自分にとって分かりやすい内容か、試験ポイントを押さえているか、解説が詳しく記載しているかに注目してください。何冊も購入するのではなく、1冊を何度も読み返すことが大切です。

05. 05. 空調工事に関してよくある質問

空調工事に関してよくある質問を5つピックアップしてみました。

5-1.ビルに設置されている空調の役割が知りたい

適切な空調工事を行うためには、空調設備の役割を把握しておかなければなりません。ビルなどに設置している空調の役割は、換気・空気の清浄化・消臭・冷房と暖房などの役割を担っています。中でも、特に大切なのが換気です。生きていくために必要な酸素を定期的に入れ替えます。

5-2.空調工事は無資格でもできるのか?

空調工事自体は、無資格でもできる内容です。しかし、冷暖房設備や空調設備などの電気工事になると、電気工事士の資格が必要となるため、実際に施す内容は限られてくるでしょう。資格を取得してから仕事に就く方と同じく、働きながら資格を取得して、仕事の幅を広げている方もいます。

5-3.取得すると便利な資格とは?

管工事施工管理技士だけでなく、電気工事士や冷媒フロン類取扱技術者などの資格を取得しておくと便利になりますし、転職・就職にも有利です。冷媒フロン類取扱技術者は、フロンの充てん作業や改修作業を行うことができるので、仕事の幅が広がります。

5-4.管工事施工管理技士の資格は、1級・2級どちらを取得すべきか?

管工事施工管理技士としてのスキルアップを目指している方は、1級取得を視野に入れたほうが良いでしょう。1級は、2級ではなれない「特定建設業の専任技術者」として働くことができます。また、工事現場において、現場の技術水準を確保・維持する監理技術者にもなれる資格です。

5-5.管工事施工管理技士の独立は可能か?

最初は、空調設備管理会社などに就職することになるでしょう。所属する会社・企業で実績をつくり、ある程度の知識を身につけてからの独立をおすすめします。資格を取得したからと、すぐに独立するのは難しいでしょう。

06. 06. まとめ

いかがでしたか? 空調設備は、私たちが快適な環境の中で過ごすために必要不可欠なものです。その空調設備を安全かつ安心に稼働し続けるためには、定期的なメンテナンスが大きなポイントとなります。何かしらの異常が見られたときは、すぐに空調工事を施さなければなりません。しかし、工事をするためには、関連資格が必要になるときがあります。空調工事を仕事にしたい方は、関連資格を取得しておいたほうが良いでしょう。事前に、基礎知識を身につけておけば、スムーズに資格を取得することができます。

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