建設機械施工技士とは、建設機械を用いた工事の施工管理や工程管理・建設機械オペレーターの監督などを行うことができる資格です。建設機械を使う工事現場には監督者として必要とされる資格であり、取得すれば昇進や昇給ものぞめるでしょう。転職や就職の大きな武器にもなるので、取得を目指している方も多いと思います。また、施工技士の試験対策も豊富で、講習会を開いている団体も多いのです。
そこで、今回は建設機械施工技士の試験内容や勉強方法、講習会を受講するメリットなどを解説しましょう。
この記事は、建設機械施工技士の試験対策にも役立ちます。建設機械施工技士の資格取得を考えている方は、ぜひ読んでみてくださいね。
01. 建設機械施工技士の
基礎知識
建設機械施工技士は国家資格、施工技士の一種であり、もっとも長い歴史があります。その職務は前述のとおり、建設機械を用いた工事の安全管理・作業管理のほか、建設機械を扱うオペレーターたちの技術指導も行うことも可能です。建設機械を用いた工事現場で主任技術者や監理技術者の選任を受けることができますので、資格を取得していればより責任ある立場を任せられるでしょう。
建設機械施工技士には、1級と2級があり、1級を取得すればほぼすべての建設機械を用いた工事において、オペレーターの指導や監督ができます。2級は全6種類に分かれており、それぞれ取得した種の機械を使った工事の施工管理やオペレーターの指導・監督を行うことが可能です。
なお、建築機械を用いた工事現場では主建設機械施工技士の資格保持者を主任技術者・監理技術者として選任することが、義務づけられています。2級は主任技術者の選任を受けることが可能です。1級を取得して講習を受講すれば、監理技術者の選任を受けることができます。資格を取得すれば昇進や昇給がのぞめるほか、転職にも役立つことでしょう。
02. 建設機械施工技士の
資格取得方法
この項では、建設機械施工技士の資格取得方法を解説します。受験資格などはあるのでしょうか?
2-1.受験資格と取得方法
建設機械施工技士の資格は、日本建設機械施工協会が主催している試験に合格すれば取得できます。1級・2級とも受験するには一定の実務経験が必要です。2級は建設機械を扱って工事を行った実務経験が必要であり、1級の場合は主任技術者や指導監督業務の経験も併せて必要になります。まずは2級を取得し、主任技術者の選任を受けられるようになってから、さらに実務経験を積んで、1級を取得する方も多いでしょう。
なお、必要な実務経験の期間は学歴によって異なるので、詳しくは協会のホームページを参考にしてください。大学で建築関係・土木工事関係の学部を卒業した人が、最も短期間の実務経験で受験資格を得られます。
2-2.試験内容
建設機械施工技士の試験は、土木工学・建設機械施工法・法規など7科目の学科試験と、実際に建設機械を操作する実技試験の2つです。2級の学科試験はマークシート方式だけですが、1級の場合は実地試験として「建設機械組合せ施工法」という論述試験も学科試験と一緒に行われます。実技試験というのは、実際に建設機械を運転する試験です。2級は受験する種類の建設機械、1級は6種類の建設機械から2つを選んで試験を受けます。なお、2級を取得した後で1級を受験する場合、実技試験の際に運転する建設機械が1種類に免除されるのです。
また、学科試験に合格し、実技試験に不合格だった場合は翌年に限り学科試験が免除されます。ただし、学科試験(1級の場合は学科と実地試験)に合格しなければ実技試験を受けることができないので、注意しましょう。
2-3.申し込み方法など
建設機械施工技士の試験は、日本建設機械施工協会から願書を購入して必要事項を記入し、添付書類を添えて申し込みます。電子申請は受けつけていないので、注意しましょう。受験費用は学科試験が10,100円・実技試験は運転する建設機械の数によって異なり、15,000円~27,800円です。学科試験が6月、実技試験は8月上旬~9月上旬に行われます。
2-4.難易度など
建設機械施工技士の試験は、1級が学科・実地共に60%以上の得点・2級が学科60%・実地70%の得点で合格です。合格率は1級が31.7%・2級が44.8%と、高めになっています。学科試験と実技試験では学科試験の方が合格率が低くなっていますので、学科試験の勉強に力をいれるとよいでしょう。
03. 建設機械施工技士の
講習会とは?
建設機械施工技士の講習会とは、試験対策講習のことです。建設機械を扱う技術者たちで構成されている一般社団法人が主に主催しており、1~2日の日程で、学科試験や実技試験の対策方法を教えてくれます。
特に、実技試験の場合は試験前に10分間の練習時間が与えられますが、仕事に使う建設機械を利用して練習をする、というわけにはなかなかいきません。初めて試験にチャレンジするという方は、実技試験の対策講座を受講しておくとよりリラックスして試験にのぞめるでしょう。勤めている会社が加入している社団法人が講習会を主催しているという場合は、会社から「講習会に参加してみないか」と声がかかることもあります。講習費用は2~3万円代です。
インターネットで「建設機械施工技士・講習会」で検索すると、いろいろな団体がヒットするので、試験対策に講習会を受講したいという場合は、調べてみてください。講習会は1年を通して行われています。
04. そのほかの
勉強法について
建設機械施工技士の学科試験対策は、自分で参考書を購入して勉強する方法と、通信教材などを利用する方法があります。誠文堂新光社から発売されている「図解でよくわかる」というシリーズが人気です。参考書と過去問題集を購入し、参考書を読んで知識を深め、過去問題集を解いてみるという方法で勉強しましょう。過去5年間分の過去問題を解けば、必要な知識が一通り身につきます。
独学で勉強する自信がないという場合は、通信教材を利用するとメールで質問も受け付けてもらえるので、分からないことがそのままになってしまうことはありません。独学や通信教材で学科試験対策を行い、講習会で実技試験対策をするのもおすすめです。
建設機械施工技士の試験を受験する方のほとんどが、仕事をしながら試験勉強をすると思います。効率よく試験勉強をする方法を考え、実行しましょう。まとめて週末に勉強するよりも、1日に30分でもいいので勉強した方が効果的です。通勤時間・昼休みなども試験勉強にあてるとよいでしょう。
05. 建設機械施工技士に対する
よくある質問
Q.建設機械施工技士の試験対策講習会は、誰でも参加できるのでしょうか?
A.主催団体によって異なりますので、まずは確認してください。
Q.実技試験は難しい動きなどを要求されるのでしょうか?
A.難しい動きではなく、基本的な動作を正確に行えるかどうかをチェックされる試験です。ですから自己流の癖などは直しておきましょう。
Q.2級を受けずに1級の試験にチャレンジすることはできますか?
A.受験資格を満たしていれば可能です。
Q.2級の種をすべて取得すれば、1級と同じでしょうか?
A.いいえ。2級をすべて取得しても、監理技術者の選任を受けることはできません。注意しましょう。
Q.学科試験を受けて合格すれば、実技試験の受験を翌年に延ばすことも可能ですか?
A.できますが、不合格になった場合は翌年の救済措置はありません。
06. 建設機械施工技士の講習会
まとめ
いかがでしたか? 今回は建設機械施工技士の講習会について解説しました。建設機械施工技士の試験は施工技士の試験の中で、唯一実技の試験があります。ですから、自力で対策をするのは難しいので、初めて試験にチャレンジする方は講習会を受講しておくとよいでしょう。全国で講習会は開催されていますので、参加できるものを探してみてください。