建築物環境衛生管理技術者の試験内容・おすすめの勉強法などを解説

建築物環境衛生管理技術者の
試験内容は?
おすすめの勉強法などを解説!

建築物環境衛生管理技術者は、建築物環境衛生の維持管理にかんする監督を行う国家資格です。通称、おビル管理技術者やビル管理士と呼ばれており、特定建築物において選任義務があります。特定建築物の管理における、事実上の最高責任者です。建築物衛生管理技術者として働くためには、国家試験に合格しなければなりません。事前に、基礎知識から試験内容などを把握しておけば、スムーズに取得できるでしょう。そこで、本記事では、建築物の環境衛生管理や建築物環境衛生管理技術者の基礎知識・仕事内容・国家試験・勉強法について説明します。

この記事を読むことで、建築物環境衛生管理技術者の資格を取得するために、必要な知識を得ることができます。資格取得を考えている方はぜひ参考にしてください。

01. 01. 建築物の
環境衛生管理とは?

建築物環境衛生管理技術者の資格を取得するためには、基礎知識を習得しておかなければなりません。建築物の環境衛生管理とは何なのか、詳しく説明します。

定義・概要

建築物の環境衛生管理は、「建築物における衛生環境の確保にかんする法律(建築物衛生法)」に基づいています。特定建築物維持管理権原者は、建築物衛生法に基づき、特定建築物の衛生管理を維持しなければなりません。建築物環境衛生管理基準は、衛生管理を維持し続けるための大切な基準です。空気環境の調整・給水および排水の管理・清掃・ねずみなどの防除などが、基準項目として挙げられます。また、建築物の環境衛生維持管理を行う監督者のことを「建築物環境衛生管理技術者」といい、ビル管理技術者・ビル管理士とも呼ばれている有資格者です。

目的・必要性

不特定多数の人が出入りする場所は、ほかの場所よりも汚れやすく、不衛生な環境になりがちです。だからこそ、建築物衛生法に基づいて、環境衛生を良好な状態に維持し続けなければなりません。もし、不衛生な環境になれば、その場に出入りする多くの人の健康にも悪影響をおよぼします。多くの人にとって、快適かつ安全な建築物にするためにも、建築物の環境衛生管理が必要なのです。

適用される場所

建築物の環境衛生管理が適用される場所は、不特定多数の人物が出入りする場所です。特定建築物と言われており、特定用途に利用される部分の面積が3,000平方メートル以上の建築物を指しています。たとえば、オフィスビル・商業施設・美術館・ホール・娯楽施設・映画館などです。

建築物環境衛生管理基準について

建築物における環境衛生管理の指標となるのが、建築物環境衛生管理基準です。「空気環境の調整・給水および排水の管理・清掃・ねずみ、昆虫などの防除そのほか環境衛生上良好な状態を維持するのに必要な措置について定める」と規定されています。高い水準の快適な環境実現を目的とした基準です。

02. 02. 建築物環境衛生管理技術者
の資格について

建築物環境衛生管理技術者は、一体どのような資格なのでしょうか。ここでは、資格概要・必要性について説明します。

資格概要

建築物環境衛生の維持管理にかんする監督などを行うのが、建築物環境衛生管理技術者です。建築物衛生法に基づいて、面積3,000平方メートル以上の特定建築物において選任義務があります。特定建築物の所有者やテナントに対して意見を述べる権限があり、事実上の最高責任者です。

必要性

不特定多数の人が出入りする場所の衛生管理は、チェックしなければならないことがたくさんあります。全体像を把握しつつ、所有者やテナントとのやり取りをスムーズに行える役職を設けなければなりません。それが、建築物環境衛生管理技術者であり、ビル管理にかんする衛生面などプロの視点から管理することができます。快適かつ安全な建築物を保つためには、必要不可欠な存在です。

03. 03. 建築物環境衛生管理技術者
の仕事内容は?

それでは、建築物環境衛生管理技術者の仕事とは、一体どのような内容なのでしょうか。選任義務や職場・就職・求人・給与・キャリアアップについても説明します。

主な業務内容

建築物環境衛生管理技術者の業務内容は、維持管理業務の計画立案・実施・測定や検査の実施とその評価・是正措置の4つがあります。それぞれの具体的な内容について、以下に記してみました。

  • 維持管理業務の計画立案:総合計画、個別計画、整備・改修計画の作成など
  • 維持管理業務の実施:帳簿書類等の整理、計画に基づく実施状況の監督、安全管理など
  • 測定・検査の実施とその評価の実施:空気環境などの測定、水質検査、各種設備の整備など
  • 是正措置:問題点の改善・改善案の作成・意見の具申など

選任義務について

基本的に、建築物環境衛生管理技術者は面積3,000平方メートル以上(学校は8,000平方メートル以上)の特定建築物において選任義務があります。たとえば、超高層ビル・ホテル・商業施設・大学などの大規模・中規模建築物は、必ず建築物環境衛生管理技術者を置かなければなりません。

職場・就職・求人について

特定建築物には必要不可欠な存在となるため、建築物環境衛生管理技術者の就職・求人は安定しています。就職先のほとんどは、設備会社・ビル管理会社となり、特定建築物が職場になるでしょう。無資格者よりも有資格者のほうが採用されやすく、実務経験がある人ほど重宝されます。

手当・給与などのメリット

資格を取得すれば、資格手当などの給与面で大きなメリットがあります。企業・会社によって資格手当の金額は異なりますが、約5,000円~1万円前後となるでしょう。実務経験が多い人ほど、昇給・昇格も期待できます。具体的な資格手当に関しては、求人先に尋ねてみてください。

キャリアアップについて

建築物環境衛生管理技術者は、キャリアアップも期待できる資格です。不特定多数の人物が出入りする場所の衛生管理を任されるため、より大きい施設で経験を積むことができます。マネジメント能力やコミュニケーション能力が高い人ほど、適している仕事と言えるでしょう。能力がなくても、経験を積むほどに自然と身につくものなので安心してください。

04. 04. 建築物環境衛生管理技術者
の国家試験について

建築物環境衛生管理技術者として働くためには、国家試験にパスしなければなりません。それでは、国家試験の受験資格・試験概要・科目・合格率・講習などについて説明します。

受験資格

建築物環境衛生管理技術者の国家試験は、受験資格が定められています。厚生労働省で定められた建築物の用途部分において、同省令の定める実務に2年以上従事した者です。実務に従事した建築物の用途と実務内容は、以下のとおりとなります。

実務に従事した建築物の用途

  • 興行場・百貨店・集会場・図書館・博物館・美術館・遊技場
  • 店舗・事務所
  • 学校(研修所を含む)
  • 旅館・ホテル
  • そのほかの類する建築物

実務内容

  • 建築物における環境衛生上の維持管理にかんする実務
  • 空気調和設備管理
  • 給水・給湯設備管理
  • 排水設備管理
  • ボイラー設備管理
  • 電気設備管理
  • 清掃・廃棄物処理
  • ねずみ・昆虫等の防除

試験概要

建築物環境衛生管理技術者の試験は、公益財団法人日本建築衛生管理教育センターが実施しています。それでは、試験概要について詳しくチェックしておきましょう。

試験日・試験地

試験は、毎年10月の第1日曜日に実施しています。試験地は、札幌市・仙台市・東京都・名古屋市・大阪市および福岡市の5か所です。最も近い試験場を選びましょう。

受験料

受験手数料は、13,900円(非課税)です。支払い方法は、受験願書に含まれる振込用紙を使って、郵便局の窓口で支払います。申し込みと一緒に必ず支払いましょう。

申し込み方法

試験の申し込みには、受験願書が必要です。受験願書は、ホームページからダウンロードする方法・郵送料着払いのゆうメールで入手する方法・返信用封筒の送付で請求する方法があります。入手した願書に必要事項を記入して、公益財団法人日本建築衛生管理教育センターに郵送してください。無事に申し込みが完了すれば、9月上旬ごろに受験票が送付されます。

試験内容

建築物環境衛生管理技術者の試験内容は、全部で7科目です。すべて記述問題となり、午前に3科目・午後に4科目行われます。試験科目は以下のとおりです。

  • 建築物衛生行政概論
  • 建築物の構造概論
  • 建築物の環境衛生
  • 空気環境の調整
  • 給水および排水の管理
  • 清掃
  • ねずみ・昆虫等の防除

合格率・難易度

合格率は毎年異なりますが、およそ17~23%です。国家試験における難易度は「普通」になっているため、それほど難しい試験ではありません。しかし、出題範囲が幅広いため、合格率が25%以下と低くなっているのです。合格するためには、十分な時間をかけて勉強する必要があります。

講習について

受講資格のある者が103時間の講習を受けることで、試験を受けずに資格が取得できます。ただし、受講資格条件は、国家試験の受験資格よりも厳しくなっているので注意してください。受講資格はすべて15とおりありますが、代表的な項目を以下にピックアップしてみました。

  • 大学または旧大学の理学・医学・歯学・薬学・保健学・衛生学・工学・農学・獣医学の課程を卒業してから1年以上
  • 防衛大学校の理工学の課程を卒業してから1年以上
  • 海上保安大学校を卒業してから1年以上
  • 高等学校または旧中等学校の工業にかんする学科を卒業してから5年以上
  • 医師
  • 1級建築士
  • 第1種冷凍機械責任者免状を取得後、1年以上
  • 衛生管理者免許を取得後、5年以上

ほかの条件に関しては、公益財団法人日本建築衛生管理教育センターのホームページで確認してください。

05. 05. 建築物環境衛生管理技術者
の勉強法について

国家試験に合格するためには、毎日の勉強が大切なポイントです。おすすめの勉強法やテキスト・注意点について説明します。

おすすめの勉強法

仕事が忙しいときは、勉強に充てる時間がなくなりますよね。仕事と勉強の両立が難しい方は、自分のペースで勉強できる通信教育がおすすめです。独学は不安・分からないところを教えてもらいたいという方で金銭面に余裕があれば、スクールに通うのも選択肢の1つでしょう。独学・スクール・通信教育と勉強法はさまざまですが、ライフスタイルに合ったタイプを選ぶことが大切です。

テキスト・参考書について

テキストや参考書は、1冊にしぼって勉強を始めてください。なぜなら、数冊を利用すれば内容がごちゃごちゃになるからです。また、購入する際は、自分にとって分かりやすい内容か、試験の重要ポイントが記載されているかに注目しましょう。以下に、おすすめのテキスト・参考書をいくつかピックアップしたので、ぜひ参考にしてください。

スーパー暗記法 合格マニュアル 建築物環境衛生管理技術者/関根康明
ビル管理技術者(建築物環境衛生管理技術者)試験合格テキスト/秀和システム
ビル管理技術者受験テキスト第2版 建築物環境衛生管理技術者/松浦房次郎

注意点

試験内容で話したとおり、建築物環境衛生管理技術者の試験は出題範囲が広いのが特徴です。どこから手をつけたらいいのか、分からなくなる方も多いと思います。まずは、建築物の環境衛生管理について理解を深めていき、各科目の基本を身につけてください。範囲が広いため、時間をかけて計画的に勉強することがポイントです。ギリギリになって勉強を始めないように注意しましょう。

06. 06. 建築物環境衛生管理技術者
に関してよくある質問

建築物環境衛生管理技術者に関してよくある質問を5つピックアップしてみました。

Q.建築物環境衛生管理技術者の平均年収とは?
A.平均年収は、約300~400万円です。通常のサラリーマンは400万円前後と言われているため、それよりも低い収入となるでしょう。しかし、実績・経験を積めば、400万円以上の収入が得られる可能性もあります。

Q.転職に有利なのか?
A.40代~50代の受験者が多い傾向があり、建築物環境衛生管理技術者は定年後の再就職に最適な資格と言えます。無資格者よりも有資格者のほうが採用されやすいため、転職に有利です。

Q.受験資格において、実務経験に当てはまらない内容とは?
A.修理専業やアフターサービスとしての巡回などは、建築物環境衛生管理技術者の受験資格における実務に該当しません。そのほか、受験資格について疑問点がある方は、厚生労働省の窓口に問い合わせてみてください。

Q.国家試験の合格基準は?
A.各科目が満点中40%以上の得点率、総合得点が満点中65%が合格基準です。すべての科目を40%以上正解しなければならないため、地道な勉強が合格のポイントとなります。

Q.過去問はどこで見ることができますか?
A.公益財団法人日本建築衛生管理教育センターで、過去3年分の試験問題が無料ダウンロードできます。過去問を何度も解いて、問題に慣れておきましょう。

07. 07. 建築物環境衛生管理技術者
まとめ

いかがでしたか? 建築物環境衛生管理技術者は、不特定多数の人物が多く出入りする場所において、 建築物衛生法に基づき、建築物の環境衛生を維持するための監督などを行います。衛生管理だけでなく、所有者やテナントとのコミュニケーションも必要とされる役職です。しかし、建築物環境衛生管理技術者になるためには、毎年10月に実施される国家試験に合格しなければなりません。事前に、試験内容や勉強のポイントを押さえて、試験対策を立てておきましょう。基礎知識を身につけておけば、計画的に資格が取得できます。

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