労働安全コンサルタントの資格取得に必要なこと

労働安全コンサルタントの
資格を取得したい!
必要な知識や試験のポイント

労働安全コンサルタントは、労働衛生の水準向上を目的とした国家資格の1つです。事業者からの依頼を受けて事業場の診断を行い、結果をもとに指導を行う専門家として活躍しています。いわゆる、労働安全・労働衛生にかんする専門家です。労働安全コンサルタントとして働くためには、資格試験に合格しなければなりません。合格するためには、基礎知識や試験内容を把握することが大切です。そこで、本記事では、労働安全コンサルタントの基礎知識や資格概要・仕事内容と種類・試験内容・勉強法について説明します。

この記事を読むことで、労働安全コンサルタントの資格を取得するために必要な知識を身につけることができます。資格取得を考えている方は、ぜひチェックしてください。

01. 01. 労働安全コンサルタント
の基礎知識

労働安全コンサルタントとは、一体どのような仕事なのでしょうか。概要や主な職務、目的・必要性について説明します。

概要

労働安全コンサルタントは、労働安全衛生法に基づいて昭和47年に創設された国家資格です。厚生労働大臣が行う国家試験に合格しなければ資格取得ができません。基本的に、労働者衛生の水準向上を図るため、事業場の衛生について診断および結果に基づく指導を行います。事業場や企業内で指導する、安全衛生の専門家と言えるでしょう。

主な職務

労働安全コンサルタントの主な職務は、事業所の安全性を診断し、その結果をもとに問題点を改善するための指導を行うことです。事業所の安全状態を診断する業務・事業所の安全指導および安全マニュアル作成業務・安全衛生改善計画書の作成補助業務と、3種類が挙げられます。それぞれの詳細について以下に記してみました。

  • 事業所の安全状態を診断する業務:労災となり得る部分を見つけ出すなど、事業所を安全衛生の面から診断する
  • 事業所の安全指導および安全マニュアル作成業務:安全指導の講習やマニュアル作成など、安全管理にたずさわる
  • 安全衛生改善計画書の作成補助業務:1年間にわたり、事業所の危険有害要因を取りのぞき、安全・衛生水準をアップさせる

目的・必要性

労働安全コンサルタントの目的は、労働者の安全・衛生環境を守ることです。事業場などの職場は、労働者にとって快適かつ安全を確保しておかなければなりません。労働基準法に基づいているか確認して、改善の指導を行うのが、労働安全コンサルタントの大きな役割なのです。ただ、法律を守るだけでなく、労働者の安全を守ること・労働環境を衛生的に保ち続けることが大切なポイントとなります。

02. 02. 労働安全コンサルタント
の資格について

労働安全コンサルタントの年収・手当て、職場、求人・需要、独立などについて説明します。

年収・手当てについて

労働安全コンサルタントの収入は、働き方によって異なります。企業・会社に所属して働く場合は、平均年収がおよそ400万円前後です。独立して自ら事務所を立ち上げた方は、仕事内容によって1,000万円以上稼ぐこともあります。ただし、高額な年収を得るためには、経験と実績があると同時に、人脈も構築しなければなりません。また、会社によっては資格手当てがつくこともあります。金額はばらばらなので、面接時に尋ねるといいでしょう。

職場について

ほとんどの場合は、労働安全コンサルタントの派遣業務を行っている会社に就職します。そして、経験と実績を積んでから、独立して自分でコンサルタント業を起こす流れです。依頼された事業所に向かい、労働安全コンサルタントしての役割を果たします。

求人・需要について

労働安全衛生法に基づき、事業所などは労働災害を防ぐ取り組みを行わなければなりません。労働者の安全・安心が確保された場所を維持し続ける必要があります。人が働く場所において、労働安全コンサルタントは必要不可欠な存在です。求人・需要は安定しているため、求人数が少ないという理由で就職できないことにはなりません。

独立について

自分で労働安全コンサルタント業を始める方はたくさんいます。ある程度、経験と実績を積んでから独立する方が多いようです。ただし、独立する場合は、仕事がもらえる状態に持っていかなければなりません。人脈も必要となるため、依頼者との関係も大切にすることがポイントです。

資格取得のメリットは?

労働安全コンサルタントと似ている資格で、安全管理者というものがあります。安全管理者は職場の安全管理を行う一般的な資格ですが、ほかの職場に対する安全管理はできません。しかし、労働安全コンサルタントは、求められさえすれば、あらゆる職場の安全管理指導・安全診断を行うことができます。独立しやすい点でも、労働安全コンサルタントの大きなメリットと言えるでしょう。

03. 03. 労働安全コンサルタント
に似ている資格

労働安全コンサルタントに似ている資格に「労働衛生コンサルタント」という資格があります。これら2つをあわせて、労働安全衛生コンサルタントと呼ぶのです。労働衛生コンサルタントは、事業所などの労働衛生基準の向上が主な職務となります。2つとも目的や職務は同じですが、受験者層が異なるようです。労働安全コンサルタントの場合は、1級土木施工管理技士の一部科目免除ができることもあり、土木関連の方が多く受験します。一方、労働衛生コンサルタントの場合は、筆記試験免除となる医師(産業医)の受験者が多い傾向があるのです。2つとも異なる資格であることを覚えておきましょう。

04. 04. 労働安全コンサルタント
の試験について

それでは、労働安全コンサルタントの受験資格・試験概要・科目・合格基準・注意点について説明します。

受験資格

労働安全コンサルタントの試験は、受験資格に制限があります。受験資格を得るための条件は、全部で24とおりです。ここでは、その中から主な条件をピックアップして紹介します。

  • 大学などで理系の課程を修了後、安全管理の実務経験を5年以上有している者
  • 短期大学などで理系の課程を修了後、安全管理の実務経験を7年以上有している者
  • 高等学校で理系の科目を修了後、安全管理の実務経験を10年以上有している者
  • 安全管理者の実務経験が10年以上
  • 1級建築士試験の合格者
  • 技術士試験の合格者
  • 電験1種の免許所持者
  • 1級建築施工管理技士または1級土木施工管理技士試験の合格者
  • 航空大学校などを卒業後、安全管理の実務経験を7年以上有している者

修了過程や取得している資格によって、実務経験の有無・年数などが異なります。そのほか詳細は、こちら(公益財団法人安全衛生技術試験協会ホームページ)で確認してください。

試験概要

試験日・申し込み方法・受験料について詳しく説明します。

日時

労働安全コンサルタントの試験は、公益財団法人安全衛生技術試験協会が行っています。1次試験と2次試験の2回に分かれており、1次は10月中旬ごろ、2次は1~2月ごろです。2次試験にすすめられるのは、1次試験合格者だけとなるので注意してくださいね。

申し込み方法

試験の申し込みには、専用の申込書類が必要です。安全衛生技術試験協会の各支部で願書を購入した後、郵送か各支部の窓口に直接提出してください。インターネットによる電子申請は行っていませんので注意が必要です。申込期間が決まっているため、事前にホームページで確認しておいたほうがいいでしょう。

受験料

労働安全コンサルタントの受験料は、24,700円となっています。受験申請書に含まれている振込用紙で、郵便振替または銀行振り込みのいずれかを選んで払い込んでください。直接、窓口で提出する際は、現金で払い込むことができます。

試験内容

労働安全コンサルタントの1次試験は筆記試験、2次試験は面接形式の口述試験となります。どちらも、共通科目は同じなので安心してください。試験科目は以下のとおりです。

  • 産業安全一般
  • 産業安全関係法令
  • 機械安全・電気安全・化学安全・土木安全・建築安全から1つを選択して解答する記述式問題

合格基準

1次試験の場合は、原則、全体で60%の得点率が合格基準となります。しかし、ここで注意しておかなければならないのが、1科目でも40%を切ってしまえば不合格になることです。つまり、全体の得点率が60%以上でも、産業安全一般の得点率が40%以下になれば不合格になります。2次試験の場合は、評価が4段階で、上位2段階の評価を受けることができれば合格です。

注意点

労働安全コンサルタントの試験は、1次に合格しなければ、2次にすすめません。そのため、まずは、1次試験突破を目指すことが大切です。きちんと問題を理解しているか、基本情報が頭の中に入っているか、計画的に勉強を続けてくださいね。

05. 05. 労働安全コンサルタント
の勉強法について

ほとんどの方が、仕事と勉強を両立するために励んでいます。しかし、仕事が忙しくなれば、勉強時間も少なくなるでしょう。ここでは、勉強を続けるためのコツや記述試験の対策などについて説明します。

合格率・難易度

労働安全コンサルタントの合格率は、毎年20%前後です。1次試験は約43%、2次試験は約25~30%になっています。それほど難しい試験ではありませんが、決して簡単なものでもありません。1発で合格するためには、毎日勉強を積み重ねることが大切です。

記述試験の対策について

記述試験では、基礎知識と理解力が試されます。参考書を何度も読み返し、きちんと基礎が頭の中に入っていれば、難なく突破できるでしょう。資格試験の中には、過去問題と同じような問題が出るケースをよく見ます。しかし、労働安全コンサルタントの場合はほとんどありません。問題慣れのために過去問を解くことはもちろん大切ですが、その前に基礎知識を身につけることが必要でしょう。

講習会について

労働安全コンサルタント試験の受験者に向けた講習会が、一般社団法人日本労働安全衛生コンサルタント会主催で開催されています。受講料とテキスト代併せて47,340円かかりますが、今までの知識をまとめたい方や独学では分からない方は、参加するのも選択肢の1つです。ただし、講習だけで合格するのは困難でしょう。

おすすめの勉強法

独学・スクールなど、さまざまな勉強法があります。時間に余裕があればスクールに通うこともできますが、仕事が忙しいとなかなか時間がありませんよね。そんなときは通信教育がおすすめです。テキストを使いながら、自分のペースで勉強を続けることができます。ライフスタイルに合った勉強法を試してみてくださいね。

06.  06. 労働安全コンサルタント
に関してよくある質問

労働安全コンサルタントに関してよくある質問を5つピックアップしてみました。

Q.何年経験を積めば、独立できるのか?
A.独立のタイミングは人よってばらばらです。30代後半~40代で独立する方が多く、だいたい8~10年の経験・実績を積んだうえで独立していると考えていいでしょう。自分自身が事業を起こしても大丈夫、と思えるところまで持っていかなければなりませんね。

Q.記述式試験の選択科目は、何を選ぶべきか?
A.自分の得意分野を選択するといいでしょう。選択科目によって、将来の道が決まるわけではないので安心してください。確実に点数が得られる科目を選ぶことも、合格のポイントです。

Q.試験に科目免除はあるのか?
A.薬剤師・保健師(10年以上の実務経験)・衛生管理士など、取得している資格によって科目免除が可能です。それぞれ条件が決まっているため、事前にホームページで確認しておきましょう。また、科目免除を利用する際は、免許証などの証明書を用意しなければなりません。

Q.永久的に資格は保持できるのか?
A.労働安全コンサルタントの資格は更新の必要がないため、1度取得すれば永久に保持できます。ただし、合格者は、登録機関で登録手続きをしなければなりません。手続きを完了してからでないと、労働安全コンサルタントとしてみなされないので注意してください。

Q.参考書の選び方が知りたい。
A.基本的に、参考書は1冊で十分です。何冊も購入してしまえば、内容がごちゃごちゃになり、大切なポイントが押さえられなくなってしまいます。1冊を何度も読み返すようにしてください。また、購入する際は、自分にとって分かりやすい内容か、試験の重要ポイントが記載されているかに注目するといいでしょう。

07. 07. 労働安全コンサルタント
まとめ

いかがでしたか? 労働安全コンサルタントは、事業所などで労働安全・衛生にかんする診断を行い、結果に基づいて改善のための指導をする大切な役割を担っています。国家試験に合格しなければ、資格取得はできません。また、受験資格が細かく決まっているので、あらかじめきちんと確認しておきましょう。労働安全コンサルタントは独立しやすい資格でもあるため、取得しておくとさまざまな現場で役立ちます。資格取得のためにも、試験内容や勉強法などの知識を身につけてくださいね。

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