公害防止管理者資格を取得する方法や難易度は?

公害防止管理者とは
どのような資格?
取得する方法や難易度は?

公害防止管理者とは、公害を発生させる可能性のある工場や施設などに常駐し、大気・水・振動・騒音などの検査を行うことのできる資格です。「特定工場」に指定された工場では、必ず公害防止管理者を選任しなければなりません。そのため、有資格者を求めている職場も全国にたくさんあります。

そこで、今回は公害防止管理者の資格を取得する方法や、資格の種類・選任が必要な工場の条件などを紹介しましょう。

この記事を読めば、公害防止管理者の資格を活用して働く方法もよく分かりますよ。公害防止管理者の資格取得を目指している方は、ぜひ読んでみてくださいね。

01. 01. 公害防止管理者の
基礎知識

はじめに、公害防止管理者の種類や選任義務がある職場などを解説します。どのような職場で必要とされている資格なのでしょうか?

公害防止管理者の歴史

公害防止管理者は、1970年代に公害を防止する法律と共に誕生した資格です。1960年代から、日本各地で公害による深刻な健康被害が発生しだしました。公害は、ひとたび発生すると収束までに時間とお金がかかりますので、発生を防止することが大切です。そのために定められた法律の一つが、「特定工場内における公害防止組織の整備に関する法律」であり、公害防止管理者は、この法律に基づいて、公害の発生防止を目的とした検査などを行います。

公害防止管理者の役割と種類

公害防止管理者は、

  • 大気関係(ばい煙を管理し、空気汚染を予防する)
  • 水質関係(水質汚染を予防する)
  • 騒音・振動関係
  • 粉じん関係
  • ダイオキシン類関係

の8種類に分類されています。この中で、大気関係と水質関係は第1種~第4種まであり、それぞれ管理できる設備の大きさが異なるのです。
また、公害防止管理者を統括する「公害防止主任管理者」という資格もあります。ばい煙の発生が1日に4万立方メートル以上、かつ排水量が1日1万立法メートル以上の施設では、公害防止管理者と共に選任し、公害防止組織の構成が必要です。

公害防止管理者は、取得した種類(空気・水など)の検査を定期的に行い、規定以上の数値が出た場合は直ちに対策を取らなければなりません。また、経営者は公害防止管理者の調査結果に基づき、公害防止の措置を取る義務があります。

公害防止管理者の選任が必要な施設

公害防止管理者は、前述したように特定工場で選任義務があります。特定工場とは、

  • 製造業(物品の加工業を含む)
  • 電気供給業
  • ガス供給業
  • ​熱供給業

のいずれかに該当し、

  • ばい煙発生施設
  • 特定粉じん発生施設
  • 一般粉じん発生施設
  • 汚水等排出施設
  • 騒音発生施設
  • 振動発生施設
  • ダイオキシン類発生施設

を備えている工場などです。また、前項で紹介したようにばい煙の発生量と排水量が一定の規模を超えている工場は、「一定規模以上の特定工場」に指定され、公害防止統括者・公害防止主任管理者・公害防止管理者からなる公害防止組織を作る必要があります。

公害防止管理者の種類が多い理由

公害防止管理者の資格区分は13種類もあります。現在のところ、「これを取得すれば公害防止管理に必要な活動を全部行える」という資格は存在しません。これは、公害の多様性も関係しています。公害というと水質汚染や大気汚染が原因で発生するイメージがありますが、騒音や振動も公害ですし、ダイオキシン類のように長い時間をかけて体内に蓄積して健康に被害が出るものもあるのです。そのため、それぞれの分野の専門知識を持った方が公害防止活動を行う必要があります。

なお、現在のところ大気と水質というように、異なる区分の公害防止管理者の資格を取得することは可能です。

資格を取得するメリット

公害防止管理者は、数ある国家資格の中ではどちらかといえばマイナーな存在です。特定工場に就職して初めて資格の存在を知ったという方もいることでしょう。その一方で、有資格者を求めている職場は豊富です。「公害防止管理者・求人」でインターネットを検索すれば、求人を出している企業がたくさん見つかります。どれか一種でも取得しておけば、転職や就職に役立つことでしょう。また、大気の1種か3種を取得している方が、水質の1種か3種を取得すると、公害防止主任管理者の資格を無試験で取得できます。取得していれば、一定規模以上の特定工場への就職や転職に有利です。

資格を取得すれば、資格手当がつく職場が大半ですので、昇給も期待できます。

02. 02. 公害防止管理者の
資格取得方法

この項では、公害防止管理者の資格を取得する方法を解説します。どのような方法があるのでしょうか?

資格を取得する方法

公害防止管理者の資格を取得する方法は2つあります。1つは、産業環境管理協会が主催する試験を受けて合格することです。この試験に受験資格は定められていません。学歴・性別・年齢を問わずに受験可能です。

もう1つは、技術士・ガス主任技術者・衛生工学衛生管理者・薬剤師など一定の資格を取得し、公害防止にかんする実務経験を積んだ後で、認定講習会を修了すれば、資格を取得できます。認定講習会も産業環境管理協会が主催していますので、講習会にかんする詳しいことはホームページを確認してください。なお、平成29年度の認定講習会にかんするお知らせは、9月下旬に発表されます。

試験科目など

公害防止管理者の試験は、3~6科目の学科試験です。資格区分ごとに受験科目と科目数が異なりますが、「公害総論」だけは共通しています。試験科目は35問~75問あり、各科目6割以上の得点で科目合格です。科目合格したものは3年間持ち越すことができますので、3年以内にすべての科目を合格すれば、資格が取得できます。

また、大気と水質の資格は1種から4種までありますが、3種を取得した人が2種を取得したいというようなこともあるでしょう。そのような場合は、特定の科目が免除になります。たとえば、大気の3種を取得した方が水質の3種を取得したいというような場合は、共通科目の公害総論が免除になりますので、取得が容易となるでしょう。

試験を受ける場合の注意点

公害防止管理者の学科試験は種類が多く、科目が免除になる条件も複雑です。分からないことがある場合は、遠慮なく協会に問い合わせてください。なお、前述したように大気の1種か3種を取得している方が水質の1種か3種を取得すると、公害防止主任管理者の資格が無試験で取得できます。

なお、全く無資格無経験な方でも試験に合格すれば公害防止主任管理者の資格を取得することは可能です。しかし、この場合有資格者にできることは、公害防止管理者の統括業務だけであり、自分で公害防止にかんする活動を行うことはできません。

ですから、公害防止主任管理者の資格を取得したい場合は、まず公害管理者を取得してからステップアップしていきましょう。

認定講習を受ける場合の注意点

認定講習を受けたい場合は、産業環境管理協会あてに必要書類を添付した願書を提出し、仮審査を受ける必要があります。取得している資格によって認定講習を受けられる資格区分が異なりますので、必ず協会のホームページをよく確認して申し込んでください。必要な書類も資格や職場・受講希望の講習によって変わります。

資格試験の日程や申し込み方法

公害防止管理者の試験は、毎年1回10月に行われます。平成29年度は10月1日に行われますので、覚えておきましょう。試験会場は、札幌市・仙台市・東京都・愛知県・大阪府・広島市・高松市・福岡市・那覇市です。大阪府や東京都は複数の会場で試験が実施されるので、受験票が届いたら必ず確認してください。遠方に住んでいる方は、宿泊場所も確保しておきましょう。

試験の申し込み方法は、協会の各分室や経済産業局・都道府県庁・主要市役所の環境関係で願書を入手し、協会あてに必要事項を記入して郵送してください。電子申請は行っていません。なお、願書は協会に申し込めば郵送もしてもらえます。受験料は6,400円と6,800円の資格区分がありますので、よく確認してください。

平成29年度の試験申し込みの概要はもうすでに協会のホームページで発表されているので、受験を希望する方は、まず概要を一読してみましょう。なお、すべての資格区分の試験日は同一です。複数の資格区分を同じ年度で受験することはできません。

03. 03. 公害防止管理者の
試験勉強方法

この項では、公害防止管理者の試験勉強方法を紹介します。ぜひ、参考にしてください。

協会を活用しよう

公害防止管理者の試験対策は、産業環境管理協会が積極的に行っています。直前講習・通信講座・参考書や過去問題集の販売もすべて協会が行っていますので、どんどん活用しましょう。スマートフォンのアプリやeラーニングも販売していますので、電子機器を使っての勉強も可能です。自分に合った勉強方法を見つけましょう。

なお、公害防止管理者の合格率は10%代~40%代と幅があります。最も合格率が高いのはダイオキシン類であり、低いものは大気関係第4種です。ちなみに、大気関係第4種は受験者が多いので合格率も低くなっているので、この試験だけが特別に難しいことはありません。試験の難易度からいけば大気関係第1種の方が難しいでしょう。合格率はあくまでも参考程度にして、勉強してください。

勉強は毎日行う

仕事をしながら受験勉強をしている方の中には、週末にまとめて勉強しようと思っている方もいるかもしれません。しかし、週末にまとめて何時間も勉強するより、毎日30分でも勉強した方が知識は身につきます。特に、受験科目が4科目以上の資格区分を受験する場合は、通勤時間や昼休みも勉強時間にあてましょう。

04. 04. 公害防止管理者に対する
よくある質問

Q.公害防止管理者は、資格区分をたくさん取得している方が有利ですか?
A.そのようなことはありませんが、大気と水質は両方取得しておくとメリットが大きいでしょう。

Q.一定規模以上の特定工場は、必ず公害防止統括者の選任が必要ですか?
A.従業員が20名以下の場合は必要ありません。なお、公害防止統括者は工場長など責任のある立場の方が選任されるのが一般的です。資格の有無は問われません。

Q.学生のうちに資格取得は可能ですか?
A.はい。大学の理系学部の中には、取得をすすめているところもあります。

Q.大学で文系学部を卒業しましたが、資格を取得することはできるでしょうか?
A.問題ありません。

Q.何時間ぐらい勉強すれば資格取得は可能ですか?
A.一概には言えませんが、全く知識がない状態から勉強する場合は、3か月以上は勉強しましょう。

05. 05. 公害防止管理者
まとめ

いかがでしたか? 今回は公害防止管理者についていろいろと解説しました。受験資格が定められていない国家資格の中では、資格を活用して働くことのできる場所が多く、取得するメリットは大きいでしょう。ダイオキシン類関係の資格からチャレンジしてみてもいいですね。

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