ボイラーの構造や種類について

ボイラーの構造や
種類について知りたい!
どんなものがあるの?

ボイラーとは、熱源を用いて水を沸かし、お湯や水蒸気の力を利用する熱源装置のことです。現在では暖房や給湯用に使用されているもののほか、発電装置などに利用されているものもあります。ボイラーには構造や原材料によっていくつかの分類があり、一定規模のボイラーを取り扱うには、ボイラー技士という資格が必要です。

今回は、ボイラーの構造や種類について解説しましょう。

この記事を読めば、ボイラーの種類だけでなく、取り扱いに必要な資格のこともよく分かるでしょう。ボイラー技士の資格を取得したい方も、ぜひ読んでみてくださいね。

01. ボイラーの
基礎知識

はじめに、ボイラーの役割や構造などについて解説します。どのような装置なのでしょうか?

ボイラーの定義

前述のとおり、ボイラーは熱源を用いて水を沸かし、お湯や水蒸気の力を利用する熱源装置です。同じように熱源を用いてお湯を沸かしても、圧力容器を利用しないものはヒーターに分類されます。ボイラーは20世紀初頭までは汽車や汽船の動力源として活躍していました。現在でも、発電所や工場・蒸気船などでは動力源として使われています。
そのほか、給湯や暖房のために使われているボイラーも多いのです。

ボイラーの構造

ボイラーは、燃焼装置・水管・蒸気発生口などからなりたっています。ボイラーには温水ボイラーと蒸気ボイラーがあり、温水ボイラーは蒸気発生口がありません。また、蒸気ボイラーは構造別に水管ボイラーや丸ボイラーなどに分類されています。また、ボイラーには事故を防止するために保安装置も設置されており、定期的な点検整備をしなければなりません。

ボイラーに関する法律

ボイラーは正しく取り扱い、定期的に点検整備を行わないと事故を起こす可能性があります。そのため労働安全衛生法とボイラー及び圧力容器安全規則によって、設置場所や定期点検の頻度・取扱者などが規制されているのです。ボイラーには、構造の他に、大きさや伝熱面積によって種類分けされており、取り扱うには、以下のような資格が必要になります。

  • 簡易:資格なしでも取扱可能だが、特別教育修了・技能講習修了していることが望ましい
  • 小型:特別教育修了・技能講習修了で取扱可能
  • 小規模:技能講習修了・二級ボイラー技士取得で取扱可能
  • 伝熱面積25m2未満:特級~二級ボイラー技士取得で取扱可能
  • 伝熱面積25m2以上500m2未満:特級~二級ボイラー技士取得で取扱可能
  • 伝熱面積500m2以上:特級~二級ボイラー技士取得で取扱可能

小規模ボイラー以上を取り扱う場合は、ボイラー技士という資格が必要です。なお、特別教育や技能講習は試験ではなく、講習会になります。

02. ボイラーの
種類について

この項では、ボイラーの種類について解説します。どのような種類があるのでしょうか?

製造上の分類

製造の違いでボイラーを分類すると、鋳鉄(ちゅうてつ)ボイラーと鋼鉄ボイラーに分けられます。鋳鉄ボイラーは暖房用の低圧の蒸気ボイラーや温水ボイラーとして使われることが多く、安価で小型なものが大部分です。また、鋳鉄という性質上設置場所に合わせた形を作ることもできるので、オーダーメイドで特注品を作ることもできます。その反面、圧力や温度の急変に弱く内部構造も複雑になりがちで、掃除が大変です。そのため、大規模なボイラーや1年中稼働しっぱなしのボイラーには適していません。

鋼鉄ボイラーは、圧力や温度の急変に強く、内部の構造も複雑にしたりシンプルにしたりすることができます。そのため、掃除や点検なども行いやすく、大規模なボイラーのほとんどが鋼鉄ボイラーです。

構造上の分類

前述のとおり、鋼鉄ボイラーには構造によって以下のように分類されています。

  • 水管ボイラー:伝熱部が水管になっているボイラーで、水の循環方法によってさらに貫流・強制循環・自然循環の3種類に分けられる。
  • 丸ボイラー:円形の外殻があり、内部に煙管(えんかん)や炉筒(ろとう)があるボイラーです。円形の外殻が立てになっているものは立てボイラーと呼ばれるほか、煙管があれば煙管ボイラー、炉筒があれば炉筒ボイラーと呼ばれます
  • 特殊ボイラー:排熱ボイラーや電気ボイラーなど

法律上の分類

前述のとおり、労働安全衛生法とボイラー及び圧力容器安全規則によって、ボイラーは簡易ボイラー・小規模ボイラー・小型ボイラー・ボイラー(大型ボイラー)の分類されています。労働安全衛生法施行令によってサイズや伝熱面積が詳しく定められていますので、興味がある方は確認してみてください。

03. ボイラーの
取り扱いについて

この項では、ボイラーを取り扱える資格などについて詳しく解説します。どのような資格があるのでしょうか?

ボイラーを取り扱える資格は?

ボイラーを取り扱える資格には、ボイラー技士があります。このほか、小規模ボイラーを取り扱うだけという場合は、『ボイラー取扱技能講習』という講習を受ければ、取り扱うことが可能です。

ボイラー取扱技能講習について

ボイラー取扱技能講習は、日本ボイラ協会が主催しています。全国の支部で1年を通して講習が行われているので、詳しくはホームページを確認してください。受講資格は定められていません。無資格無経験でも受講できます。

ボイラー技士の種類

ボイラー技士には、二級~特級までの3種類があります。二級を取得するだけでも、ボイラーと名のつく装置はすべて取り扱い可能です。では、何のために資格区分があるのかというと、区分ごとにボイラー取扱作業主任者の選任を受けることができるボイラーの大きさが決まっているため、資格区分があります。

ボイラー取扱作業主任者とは、ボイラー取扱作業の監督や、ボイラーの日常的な点検・ボイラーに異常が見られた際の応急処置などを職務とすることができる資格で、ボイラーを取り扱っている場所では1名以上の選任が必要です。

ちなみに、二級は、伝熱面積25m2未満のボイラーで、取扱作業主任者になることができます。1級は伝熱面積25m2以上500m2未満のボイラー、特級はすべてのボイラーの取扱作業主任者になることが可能です。

ボイラー技士の取得方法

ボイラー技士は、全衛生技術試験協会が主催する試験を受け、合格すれば取得できます。受験資格は、以下のとおりです。

  • 二級:受験資格が定められていません。ただし、無資格未経験者はボイラー実技講習を受講しないと免許交付不可
  • 一級:二級ボイラー技士の有資格者・エネルギー管理士や海技士の資格を有し、1年以上の実務経験者・学や高等専門学校でボイラーに関する学科を卒業した者で、1年以上の実務経験者
  • 特級:一級ボイラー技士の資格を有している者・一級の受験資格を満たしている者で、2年以上の実務経験者

これ以上詳しいことは、協会のホームページを確認してください。なお、ボイラー実技講習は日本ボイラ協会などが主催しており、講習期間は3日間です。ボイラー取扱技能講習を修了し、実務経験がある方は講習を受ける必要はありません。

ボイラー技士の試験内容

ボイラー技士の試験科目は、二級~特級まですべて同じであり、以下のようなものです。

  • ボイラーの構造に関する知識
  • ボイラーの取扱いに関する知識
  • 燃料及び燃焼に関する知識
  • 関係法令

総合で6割以上の得点で合格ですが、1科目でも4割以下の得点ですとその時点で不合格になりますので注意してください。特級に限り一定の科目で科目合格が認められており、2年間は合格の持ち越しができます。

試験日程と申し込み方法

ボイラー技士の試験は、

  • 二級:毎月
  • 一級:約2か月に1度
  • 特級:毎年10月

全国の安全衛生技術センターで実施されます。詳しい日程やセンターの場所は、全衛生技術試験協会のホームページに記載してありますので、確認してください。センターから遠い場所にお住まいの場合は、宿泊準備も必要です。なお、二級と一級は年に1回程度出張試験があります。詳しい日程等は、出張試験を行う日本ボイラ協会の該当ページを確認しましょう。

試験の申し込みは協会で配布されている願書に必要事項を記入し、添付書類(特級・一級受験の場合に必要)を添えて郵送で申し込んでください。電子申請は行っておりません。受験料は、すべての資格区分で6,800円です。

勉強方法のコツ

ボイラー技士の試験対策には、日本ボイラ協会が主催する受験準備講習を受講することがおすすめです。二級は通信講座もありますので、講習に参加する時間がない方でも問題ありません。特級の場合は市販の参考書がほとんどないため、ボイラ協会が実施する講習が頼りです。

なお、二級に限っては、全国の職業訓練校(ポリテクセンター)でも講習会などが実施されていますので、興味がある方は確認してください。ボイラー技士の合格率は二級が55%前後、一級が57%前後、特級が38%前後となっています。実務経験者が受験する一級と特級でも合格率は60%を超えません。しっかりと勉強して試験にのぞみましょう。

04. ボイラーに関する
よくある質問

Q.ボイラー取扱技能講習を受講しただけでは、取扱作業主任技術者になることはできませんか?
A.はい、ボイラー技士の資格が必要です。

Q.職場で扱っているボイラーのサイズが分かりません。
A.製造元に問い合わせてください。

Q.ボイラー技士は未成年でも取得できますか?
A.はい。試験を受けることは可能です。しかし、免許の交付は18歳以上に限られていますので、注意しましょう。

Q.ボイラー技士が1人で作業をする場合、取扱作業主任技術者の選任は必要ですか?
A.はい。この場合は、技士が取扱作業主任技術者を兼ねます。

Q.ボイラー技士はやはり特級を取得した方がよいのでしょうか?
A.大規模なボイラーは数少ないので、無理して取る必要はありませんが、機会があったら取得しておくといいですね。

05. ボイラーの種類
まとめ

いかがでしたか? 今回はボイラーの種類について解説しました。取り扱いの規制は法律に基づく分類に沿って行われるので、構造上の種類や製造方法の種類は関係ありません。丸ボイラーでも水管ボイラーでも取り扱うことは可能です。2級ボイラー技士を取得したら、1級まではステップアップしておくと仕事の幅も広がります。

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