タンクローリーの運転手に必要な資格

タンクローリーの運転手に
必要な資格とは?
危険物取扱者について

タンクローリーは、固体・液体・気体を運搬するための特種用途自動車です。ガソリン・灯油・軽油・重油などの危険物を運搬することもあるため、「危険物取扱者」という国家試験に合格しなければ取り扱いができません。タンクローリーを運転するためには、危険物取扱者の資格について詳しく把握することが大切です。そこで、本記事では、タンクローリーの運転に必要な資格について説明します。

この記事を読むことで、タンクローリーの資格が詳しく分かります。資格取得を考えている方は、ぜひチェックしてください。

01. 01. タンクローリーの資格について

タンクローリーの運転に必要な資格をチェックしていきましょう。

1-1.タンクローリーとは

タンクローリーとは、貨物自動車(トラック)の1種で、固体・液体・気体を運搬するための特種用途自動車のことです。主に、危険物ローリー・粉粒体運搬車(ふんりゅうたいうんぱんしゃ)ローリー・高圧ガスローリーの3種類に分かれています。それぞれの特徴を以下にピックアップしてみました。

  • 危険物ローリー:消防法で規定される危険物を運搬する
  • 粉粒体運搬車ローリー:毒物・飲料水・食品・セメントを運搬する
  • 高圧ガスローリー:高圧ガスを運搬する

トラックには筒形の鉄製トランクが装備されており、その中にさまざまな液体物質を積みます。可燃性のガソリン・アルコール類など危険物を運搬する場合は、安全構造のタンク・車体に発生する静電気の処理などの工夫が凝らされているのです。

1-2.運転手になるには

タンクローリーの運転手になるためには、「危険物取扱者」の資格が必要です。タンクローリーは危険物を運搬することもあるため、危険物の取り扱いができる資格が必要になります。危険物取扱者にはさまざまな資格種類がありますが、ほとんどの方が「乙種4類(乙4)」の資格を取得しているようです。乙種4類は、消防法で第4類危険物に指定されている引火性液体を扱うことができます。第4類危険物に指定されているのは、以下の種類です。

  • ガソリン
  • アルコール類
  • 灯油
  • 軽油
  • 重油
  • 動植物油類など

1-3.資格取得のメリット

資格を取得すれば、タンクローリーの運転手だけでなく、危険物を取り扱うさまざまな場所で働くことができます。乙4の主な就職先は、ガソリンスタンド・石油メーカー・化学メーカー・食品工場・研究所などです。第4類危険物を扱える唯一の資格となるため、重宝されるでしょう。就職・転職にも大いに役立ちます。タンクローリーの運転手の求人を見てみると、乙4の資格を要求されるケースが多いようです。

02. 02. 危険物取扱者の資格について

それでは、もっと詳しく危険物取扱者の資格について見ていきましょう。

2-1.どんな資格か

危険物取扱者とは、消防法で規定する危険物の取り扱い・定期点検・保安の監督を行う資格です。危険物を取り扱うためには、必ず資格を取得しなければなりません。また、一定数量以上の危険物を貯蔵・取り扱っている施設は、危険物取扱者を置かなければならないと定められています。取り扱える危険物は、資格の種類によって異なるので要注意です。

2-2.種類

危険物取扱者の資格は、甲種・乙種・丙種(へいしゅ)の3種類です。それぞれの資格が取り扱える危険物は以下のとおりとなります。

  • 甲種:全種類の危険物
  • 丙種:ガソリン・灯油・軽油・重油など
  • 乙種:第1類~第6類ごとに指定されている危険物

さらに、乙種は第1類~第6類まであり、それぞれの類で扱える危険物が異なります。

  • 第1類:塩素酸塩素・過塩素酸塩類・過マンガン酸塩類・よう素酸塩類などの酸化性固体
  • 第2類:硫化りん・赤りん・硫黄・鉄粉・マグネシウムなどの可燃性固体
  • 第3類:カリウム・ナトリウム・黄りんなどの自然発火性物質および禁水性物質
  • 第4類:ガソリン・アルコール類・灯油・軽油・重油・動植物油類などの引火性液体
  • 第5類:有機過酸化物・硝酸エステル類・ニトロ化合物などの自己反応性物質
  • 第6類:過塩素酸・過酸化水素・硝酸などの酸化性液体

2-3.できること

危険物取扱者の資格を取得すれば、危険物の取り扱い・立ち会い・保安点検ができます。危険物をタンクローリーで運搬する場合は、危険物取扱者が同乗していなければなりません。しかし、運転手と危険物取扱者を乗せると、効率が悪いでしょう。運転者本人が資格を持っていれば、その問題も解決できます。実際に、タンクローリーを運転している方のほとんどが、危険物取扱者を取得しているのです。

2-4.難易度・合格率

危険物取扱者の難易度・合格率は、資格種類によって異なるのです。全種類の危険物が扱える甲種は、難易度が1番高くなります。合格率は約3割前後です。丙種・乙種は約5~6割と合格率は高めですが、乙4だけ甲種と同じ合格率となっています。決して、試験内容が困難なわけではなく、受験者が多く、その中には何度も不合格をくり返している人が多いので合格率が低くなっているのが理由です。

03. 03. 危険物取扱者の試験について

危険物取扱者の受験資格・試験概要・内容・問い合わせ先について説明します。

3-1.受験資格

乙種と丙種は受験資格がないので誰でも受験できます。しかし、甲種は受験資格があるので要注意です。以下の項目が、甲種の受験資格となります。

  • 大学などで化学に関する学科などを卒業
  • 大学などで化学に関する授業科目を15単位以上取得
  • 危険物取扱者(乙種)の試験を合格後、危険物製造所などで危険物取り扱いの実務経験が2年以上
  • 「第1類または第6類」「第2類または第4類」「第3類」「第5類」すべての試験を合格
  • 修士(博士)の学位を授与された者で化学の事項を専攻

3-2.試験概要

危険物取扱者の試験は、「一般財団法人消防試験研究センター」の主催となります。試験の申し込み方法・試験日と試験地・受験料をチェックしておきましょう。

3-2-1.申し込み方法

申し込み方法は、書面申請と電子申請の2つです。書面申請の場合は、当センターか各支部へ問い合わせて申請に必要な書類を手に入れてください。電子申請は、当センターのホームページから申請可能です。

3-2-2.試験日・試験地

試験は前期(4月~9月)と後期(10月~3月)に分かれています。全国各地で開催されており、試験地によって試験日も異なるので注意が必要です。試験日程に関しては、こちら( 一般財団法人消防試験研究センターホームページ)をご覧ください。

3-2-3.受験料

受験料は、試験の種類で異なります。それぞれの受験料は以下のとおりです。

  • 甲種:5,000円
  • 乙種:3,400円
  • 丙種:2,700円

3-3.試験内容

すべての資格種類において、マークシート方式での試験が行われます。試験内容は以下のとおりです。

<甲種>

  • 危険物に関する法令(15問)
  • 物理学および化学(10問)
  • 危険物の性質ならびにその火災予防および消火の方法(20問)

<乙種>

  • 危険物に関する法令(15問)
  • 基礎的な物理学および基礎的な化学(10問)
  • 危険物の性質ならびにその火災予防および消火の方法(10問)

<丙種>

  • 危険物に関する法令(10問)
  • 燃焼および消火に関する基礎知識(5問)
  • 危険物の性質ならびにその火災予防および消火の方法(10問)

3-4.問い合わせ先

試験に関する疑問がある場合は、 一般財団法人消防試験研究センターに問い合わせてください。直接窓口に赴くのもよいですが、電話でも問い合わせが可能です。本部・支部の住所と連絡先はこちらでご覧ください。

04. 04. 危険物取扱者資格取得のための勉強法

一発合格するためにも、危険物取扱者資格取得のための勉強法をチェックしておきましょう。

4-1.おすすめの勉強法

独学・スクール・通信講座などさまざまな勉強法があります。勉強法を選ぶときに大切なのは、自分のライフスタイルに合っているかです。たとえば、毎日仕事で忙しい方はスクールに通う時間がありません。最初は通えたとしても、残業することになれば授業を受けられずにお金が無駄になってしまいます。
また、独学の場合は、自分で分からないところも解決しなければなりません。通信講座なら分からないところも、メールで担当の先生に尋ねられるところがあります。仕事との両立が困難な方は、通信講座がおすすめですよ。専用のテキストを使って好きな時間に勉強ができるでしょう。

4-2.テキスト・参考書の選び方

テキスト・参考書は、自分にとって分かりやすい内容のものを選んでください。また、試験の重要ポイントが記載されているテキスト・参考書がおすすめです。何冊も購入する方がいると思いますが、1冊にしぼって何度も読み返したほうが暗記しやすくなるでしょう。大切な内容だけを頭の中に入れることができるはずです。

4-3.講習について

資格取得後、危険物取扱者は保安講習を3年に1回受けなければなりません。消防法で定められており、きちんと講習を受けなければ免状の返納を要求されてしまいます。危険物に関する情報は常に新しくなっているため、取得後も勉強し続けることが大切です。

4-4.勉強のコツ

休みの日を利用して、一気に勉強をする方がいるでしょう。しかし、一気に勉強するよりも、毎日コツコツと勉強したほうが知識を身につけやすい傾向があります。毎日数分だけでもよいので、テキストを開いてください。少し早めに起きて勉強時間を設けたり、電車など移動時間にテキストを開いたりするのもよいでしょう。毎日勉強することが、合格へとつながります。

05. 05. タンクローリーの資格に関してよくある質問

タンクローリーの資格に関してよくある質問を5つピックアップしてみました。

Q.危険物取扱者のほかに必要な資格はあるのか?
A.特にありません。ただし、最大積載量と車両総重量の大きさによって、取得すべき運転免許の種類が変わります。たとえば、最大積載量が3t以上6.5t未満で車両総重量が11t未満であれば中型免許が必要です。最大積載量が6.5t以上で車両総重量が11t以上なら大型免許となります。また、トレーラーの場合は、けん引免許が必要です。

Q.乙4を取得したら、ほかに何ができるのか?
A.乙4は、タンクローリーの運転者以外にも、保安の監督ができるようになります。保安監督とは、危険物取扱者の資格を持っていない人でも、資格取得者の監督のもとであれば危険物の取り扱い・点検ができるという内容です。乙4を取得すれば、仕事の幅が広がるのは間違いありません。

Q.乙種の複数類同時受験はできるのか?
A.都道府県によっては同一試験日に最大3つの類まで同時受験可能です。福岡県など、複数類同時受験ができない都道府県もあるので、十分に注意してください。分からないことがあれば、近くの関連センターに問い合わせるとよいでしょう。

Q.危険物取扱者の合格基準が知りたい
A.各科目60%以上の正解率です。確実な合格を目指すためには、それぞれの科目をバランスよく勉強することが大切なポイントとなります。分からないところはチェックを入れるなど、工夫しながら勉強を毎日続けてくださいね。

Q.過去問を手に入れたい
A.危険物取扱者の過去問は、 一般財団法人消防試験研究センターのホームページから無料でダウンロードできます。ある程度、テキスト・参考書で基礎知識を身につけたら、次は過去問に挑戦してください。過去問から類似問題が出題される可能性があります。何度も解くことで、自分の苦手な問題と科目も分かり、より効率的な勉強計画が立てられるでしょう。また、試験と同じ時間配分で過去問に挑戦するのも、勉強のコツです。

06. 06. まとめ

いかがでしたか? タンクローリーの運転者として働くためには、危険物取扱者の国家資格が必要です。タンクローリーは、ガソリン・灯油・軽油などの危険物を運搬することもあるでしょう。危険物を運搬する際は、危険物取扱者を同乗させなければなりません。ほとんどの運転手が資格を取得しており、自分で運転しています。危険物取扱者にはさまざまな資格種類がありますが、タンクローリーの場合は「乙4」を取得している運転手がほとんどです。スムーズに資格を取得するためにも、タンクローリーに必要な資格をきちんと把握しておきましょう。

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