電験3種の資格

電験3種の資格取得後、
できるようになる職務は?
就職先も広がる?

第3種電気主任技術者(以下電験3種)は、電気主任技術者の資格区分の1つで、取得すれば事業用電気工作物の保安業務を行うことができます。電気関係の資格の中では最も難易度が高く、需要も多いので資格取得を目指している方も多いことでしょう。
今回は、電験3種の資格保持者ができることや仕事内容などを解説します。

この記事を読めば、試験勉強のモチベーションもアップすることでしょう。電験3種の資格取得を目指している方は、ぜひ読んでみてください。

01. 電験3種とは
どのような資格?

前述のとおり、電験3種は電気主任技術者の資格区分の1つです。電気主任技術者は、電気保安法に基づいて事業用電気工作物の保安業務を行うことができます。事業用電気工作物とは、高電圧の発電設備や変電設備・受電設備などで、これらのような電気工作物が事故を起こせば使用している施設だけでなく、付近にまで停電などの悪影響が出るでしょう。そのため、電気保安法によって定期的な自主点検が義務づけられています。

電気主任技術者は、自主点検を行うことができる資格です。有資格者以外が点検を行っても自主点検とはみなされません。そのため、電気主任技術者は事業用電気工作物を設置している施設や、事業用電気工作物の点検を請け負っている会社などから常に求人があります。
資格区分によって点検できる事業用電気工作物の規模が異なり、電験3種は、電圧が5万V未満の事業用電気工作物(出力5千kW以上の発電所を除く)保安業務が可能です。通常のオフィスビルや商業施設などの電気工作物はほとんど保安業務を行うことができます。

02. 電験3種を取得したら
できること

電験3種の資格を取得すれば、以下のような場所に就職し、電気工作物の点検などの保安業務を行うことができます。

  • 事業用電気工作物を設置してある会社
  • 事業用電気工作物の保守点検を請け負う会社

資格の中には、取得をしても実務経験がなければ就職が難しいものもありますが、電験3種は未経験でも資格があれば歓迎するという企業もたくさんあります。ですから、転職の大きな武器にもなるでしょう。電気工事士の資格を併せて取得していれば、さらに仕事の幅が広がるはずです。

電験3種の資格を取得している場合、5年以上の実務経験があれば電気管理技術者として独立できます。これは、電気保安法人と業務委託契約を結び、電気保安の仕事を請け負うもので、自分のペースで長く働くことも可能です。そのため、40代以降で独立して定年を超えて働く方も珍しくありません。自営業者とはいえ、仕事は安定して入ってくるので電気管理技術者になることを目指して、実務経験を積む人もいます。

なお、電験は1種~3種まで3つの資格区分があり、電験2種は電圧が17万V未満の事業用電気工作物の保安監督業務が可能です。電験1種はすべての電気工作物の保安監督業務を行えます。2種や1種を取得すれば仕事の幅も広がりますが、取得が大変難しいので、無理をする必要はありません。電験3種を取得しているだけでも、一生仕事に活用できます。

03. 電験3種の
資格取得方法や勉強法

この項では、電験3種の資格取得方法や勉強のコツを紹介します。ぜひ、参考にしてください。

3-1.資格取得方法

電験3種を取得するには、認定校を卒業後に電気保安業務に対する一定の実務経験を積み、経済産業省の認定を受けて取得する方法と、電気技術者試験センターが主催する資格試験を受験し、合格する方法があります。認定の方は基準が厳しく取得できるまでに時間もかかるため、現在は資格試験を受けて取得する方法が主流です。
なお、受験資格は定められていません。性別・年齢・学歴問わずに受験できます。

3-2.試験科目

電験3種の資格試験は、試験科目は、法規・理論・電気・機械の4科目の学科試験です。科目合格が認められており、3年以内にすべての科目を合格すれば資格取得ができます。しかし、電験3種の資格試験は大変難しいため、毎年合格率は10%前後です。ですから、しっかり勉強をしないと1科目も合格できないまま何年もたってしまった、ということもあるでしょう。

3-3.試験日程や申し込み方法

電験3種の試験は、毎年9月に行われます。詳しい日程等は電気技術者試験センターのホームページを確認しましょう。なお、第1種・第2種共に別の日に試験がありますので、3種とのW受験も可能です。しかし、2種や1種に合格すれば3種が保安監督業務を行える範囲の電気工作物はすべて取り扱えるので、メリットはありません。2種や1種に合格できる実力があるならば、最初から試験を一本に絞ったほうがよいでしょう。
試験の申し込みは、センターのホームページから電子申請を行うと便利です。受験料は4,800円になります。

3-4.試験の特徴

電験3種の問題は、ほとんどが公式を利用した計算問題です。しかし、公式を単に覚えるのではなく応用する力も必要になりますので、電気の知識以外にも数学のセンスが必要になります。1科目につき6割以上の得点で合格できますが、平均点が低い場合は5割以上で合格になることもあるのです。
電験3種を取得するために必要な学力は、工業高校の電気科を修了するレベルといわれているので、まったく電気にかんする知識がない方は、電気数学の勉強から始める必要もあるでしょう。

3-5.勉強方法のコツ

すでに電気関係の知識が身についている方や、電気工事士の資格を取得している方は独学で勉強しても、合格できるでしょう。過去問題集と参考書を買って勉強すれば最も費用がかかりません。電気書院から刊行されている「これだけシリーズ」などが人気です。
電気関係の知識があまりない、という方は通信教材や試験対策講座などを利用しましょう。自治体によっては職業訓練支援センターなどで合格対策講習会が行われているところもあります。日程的に講習会参加は難しいという場合は、通信教材を利用しましょう。

どのような勉強方法でも、過去問を繰り返し解くことが大切です。似たような問題が出ることはほとんどありませんが、公式の使い方や計算慣れできるので、最低でも5年分は解いておきましょう。

04. 電験3種に対する
よくある質問

Q.電験3種を取得したら、1種や2種を取得したほうがよいのでしょうか?
A.電験3種の資格だけでも働ける場所はたくさんあります。無理に1種や2種を取得しなければ、と思う必要はありません。

Q.電験3種は高校生でも取得できますか?
A.はい。工業高校の電気科や大学の工学部に在籍していれば、学生で受験しても十分に取得できるでしょう。新卒の就職にも有利です。

Q.3年以内にすべての学科で合格できなければ、合格の実績はどのようになりますか?
A.取り消されてしまいますので、3年以内に合格できるように頑張りましょう。

Q.電気工事士と電験3種の試験は似ていますか?
A.電気工事士の試験は暗記中心の学科試験と技能試験なので、あまり似ていません。

Q.40代から資格を取得し、転職は可能ですか?
A.はい。ほかの技術系資格を取得していればさらに有利でしょう。

05. 電験3種資格でできること
まとめ

いかがでしたか? 今回は電験3種の資格を取得後にできることを中心に解説しました。電気主任技術者の資格保持者は日本全国一定の需要があるので、頑張って取得する価値のある資格です。数年かけても頑張って取得してみましょう。現在、電験3種の資格を有している人の需要が高いので、自営業でなくても定年を超えて働くこともできます。

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