消防設備士を取得したい!過去問題の活用方法や勉強のコツは?

消防設備士を取得したい!
過去問題の活用方法や
勉強のコツは?

消防設備士とは、消防法で設置が義務づけられている消火器設備・警報設備・避難用具などの設置工事や点検整備を行うことができる資格です。不特定多数が利用するビルや商業施設・ホテル・劇場などに設置されている消防設備は、消防設備士でなければ点検や設置を行うことができません。ビルメン(ビルメンテナンス業)に就く場合も取得しておくと有利ということで、幅広い年代の方が資格取得にチャレンジしています。

そこで、今回は消防設備士の資格を取得する方法や過去問題の活用方法を解説しましょう。

この記事を読めば、消防設備士の試験勉強対策はばっちりです。資格取得を考えている方は、ぜひ読んでみてくださいね。

01.消防設備士の
基礎知識

はじめに、消防設備士とはどのような資格かということを解説します。取得をするメリットはなんでしょうか?

消防設備士とはどのような資格?

消防設備士とは、オフィスビル・商業施設・劇場・ホテルなど不特定多数の方が利用する施設で、消防設備の設置・整備・点検などを行うことのできる資格です。
上気したような施設は、消防法に基づいて火災報知器・スプリンクラー・消火器・避難設備などを設置と定期的な整備・点検が義務づけられています。消防設備士の有資格者でなければ、設置・整備・点検を行うことはできません。

消防設備士は、1966年に制定された比較的新しい国家資格です。不特定多数が利用する大規模な施設が増加するに伴い、需要も増え続けています。また、定年を迎えてからも働くことができる仕事ということで、年齢が高い方でも取得するメリットは大きいでしょう。

消防設備士の種類

消防設備士には甲種と乙種があり、甲種は特類と1~5類・乙種は1~7類に分かれています。甲種は、取得した類に分類されている消防設備の設置工事と点検・整備を行うことが可能です。乙種は、取得した類に分類された消防設備の整備と点検を行うことができます。
なお、6類は消火器をはじめとする簡易消火設備、7類には漏電火災警報器が指定されており、これらは設置工事が必要ありません。そのため、甲種の資格区分がないのです。

現在のところ、「この資格を取得すれば、すべての消防設備の工事・整備・点検を行うことができる」という資格区分はありません。職場で必要とされる消防設備を扱える資格から取得していきましょう。

受験資格など

消防設備士乙種は、受験資格がありません。年齢・性別・学歴を問わずに受験することができます。甲種は、乙種を取得して一定の実務経験を得るか、電気工事士などの資格を取得していないと受験することができません。また、専門学校や短大・大学で電気・工業化学・土木または建築にかかわる学科を卒業していても受験資格を得られます。

甲種の受験資格は多数あるので、詳しくは消防試験研究センターのホームページを確認してください。

資格を取得するメリット

消防設備士の有資格者は、消防設備の工事や点検を請け負っている会社やビルメン業界から常に一定の需要があります。また、電気工事士や危険物取扱者が消防設備士の資格を取得していると、仕事の幅が広がるでしょう。特に、ビルメン業界で働きたいという場合は、取得しておくと転職や就職に有利です。消防設備士の資格だけで就職することはなかなか難しいのですが、取得すれば数千円の資格手当を付ける企業は多いでしょう。

資格を取得した後の受講義務について

消防設備士は、資格を取得した後も定期的に講習会の受講が義務づけられています。この講習は、消防設備士の資格を活用して仕事をしていなくても受けなくてはなりません。受講しなくても罰則規定などはありませんが、長年受講をしていないといざ資格を活用して仕事をしたいという場合に、不利になることもあります。

取得している資格区分の数によっては、講習会を複数受講しなければなりません。ですから、資格を維持するのにも費用がかかります。「資格を取得したけれども、特に使わない」という場合は免許の交付を受けずにいてもよいでしょう。なお、試験に合格してさえいれば、いつでも免許交付の申請を行うことはできます。

02.消防設備士の
資格取得方法

この項では、消防設備士の資格取得方法や過去問の活用方法を解説します。ぜひ参考にしてください。

資格取得方法

消防設備士の資格を取得するには、消防試験研究センターが主催する試験を受けて合格する必要があります。試験日程は前期と後期に分かれており、都道府県ごとに試験日が異なるので注意しましょう。また、東京などの大都市では毎月のように試験があります。なお、試験は全国どこで受けても構いません。日程があえば、1年に何度も試験を受けることもできます。

試験科目

消防設備士の試験は、

  • 消防関係法令
  • 基礎的知識
  • 消防用設備等の構造・機能・工事(甲種のみ)・整備
  • 製図(甲種のみ)・鑑別等の実技試験

の4科目です。甲種特類だけ、基礎的知識ではなく「工事整備対象設備等の性能にかんする火災・防火」という科目が出題されます。なお、実技試験も筆記試験であり、何かを組み立てたり論文を書いたりする試験ではありません。

試験科目の免除について

  • 乙種をすでに取得している方が、乙種の別区分を受験する場合
  • 甲種をすでに取得している方が、甲種の別区分を受験する場合
  • 電気工事士・電気主任技術者の資格を取得している場合
  • 技術士の資格を取得している方
  • 消防団員として5年以上勤務し、かつ消防学校の教育訓練のうち専科教育の機関科を修了している方

は、試験の一部が免除になります。取得している資格によって免除になる科目が異なるので、詳しくは消防試験研究センターのホームページを確認してください。
なお、乙種の資格を取得している方が甲種を受験する場合、科目免除はありません。

難易度や合格率

2016年度の消防設備士合格率は、平均で36.7%でした。甲種は30%・乙種は44%です。国家資格の中では比較的合格しやすいと言われている消防設備士ですが、それでも受験した方の半数以上は不合格になります。合格点は6割以上ですが、1科目でも得点が4割を下回ると不合格です。しっかりと勉強しましょう。

試験の申し込み方法

消防設備士の試験は、消防試験研究センターのホームページから電子申請を行うか、最寄りの消防署で配布されている願書をもらい、必要事項を記入してセンターへ送付しましょう。試験科目の免除がある方は添付書類が必要ですので電子申請が行えません。受験料は、甲種が5,000円、乙種が3,400円です。

03.過去問活用方法と
勉強のコツ

この項では、過去問の活用方法や勉強のコツを紹介します。参考にできるところは、ぜひ参考にしてください。

過去問題の活用方法

消防設備士の試験は前述したように、各都道府県で試験日が異なっています。そのため、問題冊子の持ち帰りは厳禁です。持ち帰りが発覚した時点で不合格になります。

過去問題は、その一部が消防試験研究センターのホームページで公開されていますので、受験にチャレンジする方は確認してみましょう。解説はなく、問題と解答が掲載されているだけです。また、何年度の試験問題であるかも公開されていません。しかし、「このような問題が出るのだな」という傾向は十分につかむことができます。

現在、書店で販売されている消防設備士の問題集は、公開された過去問題を元に作成された想定問題集です。これは、参考書を読んで身についた知識を確認するために使いましょう。演習問題を完ぺきに解けるようになれば、試験本番でも自信を持って大丈夫です。

勉強方法のコツ

消防設備士の勉強法には、独学や通信教材の利用があります。参考書兼問題集では弘文社刊の「本試験によく出るシリーズ」が最も人気が高く、どの参考書を購入しようか迷っている方は、一度内容を確認してみてもよいでしょう。

消防設備士の試験は、化学・物理・数学の知識が必要な問題が出されます。これらの科目に自信がない方は独学よりも通信教材を選ぶ方がおすすめです。試験勉強は暗記が中心ですが、知識がなければ理解のできないこともあります。

仕事をしながら勉強をするという方は、まとまった時間を勉強にあてることが難しいこともあるでしょう。そんな時は、通勤時間や昼休み・寝る前などちょっとした隙間時間を勉強にあてましょう。そうすれば、1日30分程度は勉強時間を確保できます。週末に何時間も勉強するより、知識が身につきやすいでしょう。

04.消防設備士に関する
よくある質問

Q.消防設備士の過去問の完全版は公開されていないのでしょうか?
A.はい。公開はされていません。

Q.消防設備士の実技試験は、どのような問題が出されるのですか?
A.鑑別は、消防設備の写真が並んでおり、名前などを正確に記入する問題が出されます。製図は、工事をする際に必要な知識を問われる問題です。電気関係の知識が必要になります。

Q.同一の資格区分の試験を複数の日程で受ける場合、出される問題は同じでしょうか?
A.はい。同じ試験問題です。ただし、試験には前期と後期があり、それぞれ試験問題は異なります。

Q.消防設備士の資格区分はすべて取得した方がよいでしょうか?
A.無理に取得する必要はありません。

Q.甲種と乙種では、やはり甲種の方が難しい試験でしょうか?
A.はい。範囲が広い分難易度も高くなっています。

05.消防設備士
まとめ

いかがでしたか? 今回は消防設備士の試験について過去問活用法を中心に解説しました。消防設備士は、常に一定の求人がある資格です。電気工事士などと一緒に取得しておくと、転職に有利に働くでしょう。また、危険物取扱者の資格と一緒に取得しても、仕事の幅が広がります。消防設備の点検が業務に含まれている仕事に就いている方は、ぜひ資格取得にチャレンジしてみましょう。1年に複数回試験日がありますので、その分合格しやすくなっています。

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