工場での電気工事の内容や特徴は? 必要な資格も詳しく解説!

工場での電気工事の内容や特徴は? 必要な資格も詳しく解説!

「工場で電気工事をしてみたいが、どんな仕事内容なのだろう」「工場の電気工事に必要な資格はあるのだろうか」などお考えではありませんか。工場の電気工事の求人に興味があっても、自分にできるのか気になりますよね。実は、工場の電気工事は人手不足もあって、未経験者でもやる気や必要な知識を持っていることでチャンスがあるのです。今回は、工場の電気工事の特徴や関連資格など、詳しく解説しましょう。

  1. 工場での電気工事とは?
  2. 工場での電気工事の仕事内容や主な職場
  3. 工場での電気工事には電気工事士の取得を
  4. 工場での電気工事や電気工事士に関するよくある質問

この記事を読むことで、工場での電気工事がよく分かり、必要な資格取得に向けて準備ができます。まずは、記事を読んでみてください。

1.工場での電気工事とは?

最初に、工場での電気工事の内容などを見ていきましょう。

1-1.電気配線工事以外にも多数の工事が必要

工場での電気工事には、以下のようなものがあります。

  • 電気配線工事
  • 照明・LEDの取りつけ工事
  • スイッチの設置工事
  • 空調設備工事
  • 防犯設備工事
  • 消防設備工事
  • 受変電設備工事

1-2.機械・設備を止めないための工事

工場での電気工事は、製造機械や設備を止めないために行う目的があります。機械や設備にトラブルが起きれば、製造できなくなり企業の損害につながるからです。工場の電気工事では、不具合をできるだけ早く発見し、迅速な対応をすることが望まれます。1-1で取り上げた工事のほかにも、製造機械や設備の点検・メンテナンスも重要な仕事となるのです。

1-3.工場の電気工事ができる人材が不足

工場での電気工事は、常に需要があるものです。最近では、工場の蛍光灯を廃止し、よりエコで長持ちするLED照明に交換する工事が急増しています。また、従来の電気工事の仕事も継続して行う必要があるため、業界ではすでに人材不足になっているのです。今後も工場の製造技術が向上し製造設備が便利になるほど、電気工事ができる人材の争奪戦が激しくなるでしょう。

2.工場での電気工事の仕事内容や主な職場

工場での電気工事の内容や活躍できる職場などを解説します。

2-1.工場を持つ製造業や電気工事会社などで活躍

工場での電気工事を行う職場には、以下のようなところがあります。

  • 製造業の設備保安部門
  • 電気工事会社

なお、電気工事会社でも、工場専門で請け負っているところならより多くの工場で仕事をするチャンスがあります。

2-2.電気工事会社は実務経験を積みやすい

職場ごとの電気工事の内容は、以下をご覧ください。

  • 製造業の設備保安部門:自社工場内の電気工事やメンテナンス
  • 電気工事会社:さまざまな企業の依頼に沿った電気工事やメンテナンス

製造業の設備保安部門は、自社の社員として仕事をすることになるため、特定分野・内容の電気工事に限定されます。仕事内容に急激な変化があることは珍しく、安定していると言えるでしょう。対して、電気工事会社はあらゆる業種の工場・職場での電気工事を行うため、より専門性が高い仕事ができます。実務経験を多く積むには、電気工事会社で働くのもおすすめです。

2-3.土日や夜間に仕事をすることもある

工場での電気工事は、土日や夜間など工場の稼働時間外に行うことも多くあります。機械や設備の入れ替え・新規設置などは、稼働時間内に行うのは効率が悪いからです。従って、土日や夜間などに仕事が入る可能性があります。場合によっては休日出勤や時間外労働を伴うことになるでしょう。

2-4.自分の理想とする働き方を目指そう

職場選びは、自分の理想とする働き方に合うことが大切です。製造業の保安部門は、ひとつの企業でキャリアを重ねていくことができます。大企業の工場で働くことができれば、福利厚生も手厚いことでしょう。一方、電気工事会社は、さまざまな工場での仕事をこなすため、変化に富んだ働き方になります。工場の電気工事の仕事でも、製造業の保安部門よりも能力を評価されやすい分、厳しい世界とも言えるでしょう。じっくり考え、自分の理想とする働き方を探してみてください。

3.工場での電気工事には電気工事士の取得を

工場で電気工事の仕事をするためには、電気工事士の資格取得がおすすめです。

3-1.電気工事士は電気工事のエキスパート

電気工事士は、電気工事のエキスパートとも呼べる資格です。電気工事士法に準拠しており、第一種電気工事士と第二種電気工事士の2種類があります。

  • 第一種電気工事士:500kW未満の自家用電気工作物と一般用電気工作物の工事が可能
  • 第二種電気工事士:一般用電気工作物の工事が可能

電気工事士法の定めにより、電気工事は電気工事士の資格を持った人だけ行うことができます。

3-2.第一種・第二種共に受験資格はない

電気工事士試験には、特に受験資格はありません。国籍・性別・学歴・実務経験の有無にかかわらず、受験可能です。工場での電気工事を仕事にしたいのなら、ぜひチャレンジしてみましょう。ただし、第一種電気工事士は、試験に合格後免状を受ける場合、5年の実務経験が必要などの条件があります。なお、第二種電気工事士の免状取得には試験合格以外の条件はありません。まずは、第二種電気工事士の免状取得を目指すといいでしょう。

3-3.第一種は年1回・第二種は年2回の実施

電気工事士の試験概要は、以下を参考にしてください。

  • 試験日程:第一種(筆記10月・技能12月)、第二種(前期:筆記6月・技能・7月、後期:筆記10月・技能12月)
  • 受験地:試験案内(第一種第二種)を参照のこと
  • 受験料:第一種(郵便11,300円・ネット10,900円)、第二種(9,600円・9,300円)
  • 申し込み方法:受験申請書を郵送もしくはネット申し込み
  • そのほかの注意点:ネット申し込みでは受験料のクレジットカード決済などが可能

なお、より詳しい内容は、一般財団法人電気技術者試験センターのホームページを確認してください。

3-4.電気工事士は筆記・技能の両方を受験

電気工事士の試験内容は、以下のとおりです。

  • 試験時間:第一種(筆記2時間20分・技能60分)、第二種(筆記2時間・技能40分)
  • 試験科目:第一種・第二種共に筆記50問および技能1問
  • そのほかの注意事項:筆記試験はマークシートで四肢択一方式、技能試験は与えられた材料で指示に従って完成させる

なお、試験範囲などより詳しい内容は、下記を参考にしてください。

3-5.過去問を中心に解いて得点力を高める

電気工事士の受験対策は、筆記・技能それぞれで必要です。筆記はマークシート方式であり、試験範囲は変わらないため、過去問を中心に勉強し得点力を高めましょう。技能試験も、過去問が数年にわたって公開されているため、必ず目をとおして対策しておくことが必要です。過去問を解くことは、出題形式に慣れ、試験時間の配分を考えることにも役立ちます。なお、電気工事士の過去問は一般財団法人電気技術者試験センターの試験の問題と解答ページから入手可能です。

4.工場での電気工事や電気工事士に関するよくある質問

最後に、工場での電気工事や電気工事士に関する質問に回答します。それぞれ目をとおしておきましょう。

Q.実務未経験者でも工場の電気工事の仕事に就ける?
A.今は人手不足であり、未経験でも広く受け入れている企業が多くあります。電気工事士の資格があれば、就職・転職活動が有利になるでしょう。

Q.第一種と第二種の併願受験は可能?
A.可能です。午前中に第二種(下期)・午後に第一種の試験が行われるので、併願希望する場合は、それぞれ受験申請してください。

Q.第二種は1年に2回受験可能?
A.平成30年度より1年2回の受験が可能になりました。前期を受験して不合格でも、下期で再受験して合格を狙うことができます。

Q.フリーランスで工場の電気工事をすることは可能?
A.可能です。電気工事士は、必ずしも企業に属する必要はありません。ただし、実際に仕事を回してもらうためには、実務経験や人脈が必要です。まずは、何年か企業に属して働いてからフリーランスとして独立することをおすすめします。

Q.電気工事士としてキャリアアップする方法は?
A.まずは、第二種電気工事士を取得し、実務経験を積んでから、第一種電気工事士を取得することをおすすめします。第一種電気工事士の免状を手にするころには、現場での対応力もつき、社内評価も上がって昇給・昇進のカギとなるでしょう。また、よりよい条件を求めての転職も有利になります。

まとめ

今回は、工場での電気工事について詳しく解説しました。工場での電気仕事は、機械や設備が正常に稼働することを目的とした整備工事、新たな機械や設備との交換に伴う工事などが主流です。製造業の設備保安部門のほか、電気工事会社に就職して仕事をすることもできます。第二種電気工事士は、受験資格がなく、免状取得に実務経験の有無を問わないため、ぜひチャレンジしてみてください。

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