衛生管理者の種類とそれぞれの違いを把握しよう! 資格取得方法とポイント

衛生管理者の資格種類は、衛生工学衛生管理者・第一種・第二種の3種類があります。それぞれの種類によって、職務・選任義務などの内容が異なるため、きちんと把握した上で資格試験勉強を始めなければなりません。特に、第一種・第二種の違いをしっかりとチェックしておきましょう。本記事では、衛生管理者の資格種類とそれぞれの違いなどについて解説します。

  1. 衛生管理者の種類と違いは?
  2. 衛生管理者の職務・選任義務は?
  3. 衛生管理者第一種・第二種の資格取得方法は?
  4. 衛生管理者に関してよくある質問

この記事を読むことで、衛生管理者の資格種類とそれぞれの違いなどが分かります。気になっている方はぜひ参考にしてください。

1.衛生管理者の種類と違いは?

まずは衛生管理者の種類とその違いをチェックしておきましょう。資格種類によって選任義務が異なるため、試験を受ける前に必ず確認することが大切です。

1-1.有害業務が唯一できる「衛生工学衛生管理者」

衛生管理者の中でも上位資格となる衛生工学衛生管理者は、有毒ガス・蒸気・粉じんなどが発生する作業場に就ける唯一の資格です。第一種衛生管理者は、衛生工学衛衛生管理者がほかに選任されている場合に限り、有害業務事業場での選任が受けられます。しかし、単独での選任はできません。そして、第二種はどのような条件でも、有害業務事業場での選任が不可能です。有害業務が発生する事業場で働いている方は、衛生工学衛生管理者の資格を取得した方がいいでしょう。

1-2.1番人気がある「第一種衛生管理者」

衛生管理者の中でも、人気が集まっているのが第一種衛生管理者です。第一種は、農林畜水産業・鉱業・建設業・製造業・電気業・ガス業・水道業・運送業など幅広い業種で選任されます。前述したとおり、一定の条件を満たせば、有害業務を行う業種でも選任が可能です。第一種の資格を取得すれば、仕事範囲も広く、キャリアアップにつながる資格といえるでしょう。

1-3.選任業種が限られる「第二種衛生管理者」

衛生管理者の中でも下位資格の第二種は、非工業的職種など選任可能な業種が限られています。衛生工学衛生管理者と第一種が選任される業種は、第二種が選任を受けることはほとんど不可能です。農林畜水産業・鉱業・建設業・製造業・電気業・ガス業・水道業・熱供給業・運送業・自動車整備業・機械修理業・医療業及び清掃業以外の業種が選任対象となります。仕事範囲が狭まるため、求人案件も選択肢が少なくなるでしょう。

1-4.試験内容・受験資格にも違いが出てくる

衛生管理者の種類によって、試験内容や受験資格にも大きな違いが出てきます。第一種・第二種は厚生労働大臣の指定する指定試験機関が行う免許試験に合格すれば取得できる資格です。しかし、衛生工学衛生管理者の場合は、免許試験を行いません。一定の受講資格を有する者だけが、厚生労働大臣の定める講習を受け、修了試験に合格することにより取得できます。

2.衛生管理者の職務・選任義務は?

衛生管理者で押さえておきたいのが、主な職務と選任義務です。種類によって、選任義務の違いが出てくるので、きちんと把握しておきましょう。

2-1.衛生管理者の主な職務は5つ

労働安全衛生法において定められている衛生管理者は、労働環境の衛生的改善と疫病の予防処置などを担当する大切な役職です。事業場の衛生全般を管理することになりますが、主な職務には法律で定められている以下の5つがあります。

  • 労働災害の防止・危害防止基準の確立
  • 責任体制の明確化
  • 自主的活動の促進
  • 労働者の安全と健康の確保
  • 快適な職場環境の形成

なお、衛生管理者は、衛生に関わる技術的事項を管理すると同時に、少なくとも毎週1回の作業所等巡視が義務づけられています。定期的な巡視によって、設備や作業方法・衛生状態の異変に気づくことができるのです。有害の恐れがあるときには、すぐに労働者の健康障害を防ぐための措置を講じなければなりません。

2-2.常時50人以上の労働者がいる事業場は選任義務が発生する

事業所単位で、常時50人以上の労働者がいる場所では、衛生管理者の選任義務が発生します。たとえ、同じ会社であっても、支店・支社・店舗ごとに1事業場となるので注意が必要です。また、衛生管理者は専属でなければならず、ほかの事業場との兼任はできません。さらに、事業場の規模ごとに選任しなければならない衛生管理者の数が変わります。労働者数に合わせた衛生管理者の数は以下のとおりです。

  • 50~200人以下:1人
  • 201~500人以下:2人
  • 501~1,000人以下:3人
  • 1,001~2,000人以下:4人
  • 2,001~3,000人以下:5人
  • 3,001人以上:6人

2-3.50人未満の少人数事業場は「安全衛生推進者」を選任する

衛生管理者の選任義務が発生するのは常時50人以上の労働者がいる事業場ですが、常時10人以上50人未満の少人数事業場の場合は「安全衛生推進者」を選任しなければなりません。安全衛生推進者は、衛生に関わる業務だけに取り組むことができます。主に、施設や設備等の点検や確認を行い、職場の安全衛生を確保することが基本業務になるでしょう。また、選任の要件も細かく定められており、都道府県労働局長の登録を受けた機関が行う講習を修了した者などが選任対象となります。

2-4.選任しなければ罰則が科せられる

選任義務が生じる事業場は、速やかに衛生管理者を選任しなければなりません。選任せず職務違反をした者は、50万円以下の罰金を科せられることになっています。衛生管理者の選任は、選任すべき事由が発生した日から14日以内に行うと定められているのです。また、衛生管理者を選任したときは、選任報告書を所轄労働基準署長に提出しなければなりません。選任義務は事業場の責任者にあります。

3.衛生管理者第一種・第二種の資格取得方法は?

それでは、衛生管理者第一種・第二種の資格取得方法を解説していきましょう。

3-1.受験資格を満たさなければならない

第一種・第二種の資格試験を受けるためには、受験資格を満たさなければなりません。受験資格は細かく決められていますが、代表的なものは以下のとおりです。

  • 大学(短期大学を含む)または高等専門学校を卒業し、1年以上労働衛生の実務に従事した者
  • 高等学校または中等教育学校を卒業し、3年以上労働衛生の実務に従事した者
  • 10年以上労働衛生の実務に従事した者

いずれにせよ、実務経験が必要となります。労働衛生の実務確認のために、事業者証明書を用意しなければなりません。ちなみに、労働衛生の実務は以下の内容と定められています。

  1. 健康診断実施に必要な事項または結果の処理の業務
  2. 作業環境の測定等作業環境の衛生上の調査の業務
  3. 作業条件、施設等の衛生上の改善の業務
  4. 労働衛生保護具、救急用具等の点検及び整備の業務
  5. 衛生教育の企画、実施等に関する業務
  6. 労働衛生統計の作成に関する業務
  7. 看護師または准看護師の業務
  8. 労働衛生関係の作業主任者(高圧室内作業主任者、エックス線作業主任者、ガンマ線透過写真撮影作業主任者、特定化学物質作業主任者、鉛作業主任者、四アルキル鉛等作業主任者、酸素欠乏危険作業主任者、有機溶剤作業主任者または石綿作業主任者)としての業務
  9. 労働衛生関係の試験研究機関における労働衛生関係の試験研究の業務
  10. 自衛隊の衛生担当者、衛生隊員の業務
  11. 保健所職員のうち、試験研究に従事する者の業務
  12. 建築物環境衛生管理技術者の業務
  13. その他(申請時に業務の内容を具体的に記入する)

詳細については、試験を行っている公益財団法人 安全衛生技術試験協会のホームページをチェックしてください。受験資格の詳細についても細かく記載されています。

3-2.試験の日程は地域によって異なる

衛生管理者の試験は、全国の主要都市7か所にある安全衛生技術センターで実施されます。試験の日程は、各センターによって異なるので注意してください。たとえば、関東センターの場合は受験者数が多いため、月に4~5回試験が実施されます。月に1回しか実施しないセンターもあるので注意しなければなりません。日程も安全衛生技術試験協会のホームページで確認しておきましょう。

3-3.受験料は6,800円、申請は郵送か窓口のみ

受験料は、どの免許試験とも6,800円となります。受験申請書にとじ込まれている払込用紙を使って、最寄りの郵便局または銀行で払い込んでください。受験申請書をセンターの窓口へ直接持参する場合は、その際に現金で支払うこともできます。申し込み方法は、郵送または窓口への持参になり、インターネットでの受付は行っていません。

3-4.試験科目は資格種類で異なる

衛生管理者の試験科目は、第一種・第二種で異なります。それぞれの試験科目と問題数は以下のとおりです。

3-4-1.第一種

試験時間:3時間

  1. 労働衛生(有害業務に係るもの):10問(80点)
  2. 労働衛生(有害業務に係るもの以外のもの):7問(70点)
  3. 労働生理:10問(100点)
  4. 関係法令(有害業務に係るもの):10問(80点)
  5. 関係法令(有害業務に係るもの以外のもの):7問(70点)

3-4-2.特例第一種(第二種衛生管理者免許を受けていて一部科目免除を希望する場合)

試験時間:2時間

  1. 労働衛生(有害業務に係るものに限る):10問(80点)
  2. 関係法令(有害業務に係るものに限る):10問(80点)

3-4-3.第二種

試験時間:3時間

  1. 労働衛生(有害業務に係るものを除く):10問(100点)
  2. 労働生理:10問(100点)
  3. 関係法令(有害業務に係るものを除く):10問(100点)

3-5.難易度はやさしく、合格率は45~55%ほど

平成28年度の合格率は、第一種が約45%、第二種が55%でした。実務経験が受験資格になっているため、合格率は高めです。難易度もやさしいので、しっかりと勉強すれば合格できる範囲でしょう。また、合格基準は総合で60%以上、各科目で40%以上の得点率です。

3-6.おすすめの勉強法は通信講座

独学・スクール通学・通信講座とさまざまな勉強法がありますが、おすすめなのは通信講座です。おそらくほとんどの人が、仕事をしながら勉強をすることになるでしょう。仕事との両立はとても大変なので、移動時間や休憩時間などのすき間時間を勉強に充てられる通信講座が最適です。ライフスタイルに合った勉強法で毎日コツコツと続けていきましょう。

4.衛生管理者に関してよくある質問

衛生管理者に関する質問を5つピックアップしてみました。

Q.衛生管理者の資格を取得するメリットは?
A.基本給以外に資格手当がもらえるメリットがあります。事業所によっては高額な資格手当を支給するところもあり、給与アップにつながるのです。また、資格取得を応援している会社では、受験までバックアップしてくれるでしょう。

Q.未経験者はどの資格種類から取得すべきか?
A.実務経験がなければ受験資格を満たすことができないため、資格取得ではなく、まずは実務経験とみなされる仕事を積み重ねていきましょう。衛生管理者の募集をかけている求人の中には、未経験者歓迎や資格取得のサポートを行っているところもあります。未経験者を歓迎してくれる職場で働き、実務経験を習得してください。経験を積み重ねながら資格の試験勉強も始めましょう。

Q.衛生工学衛生管理者の受講資格は?
A.大学または高等専門学校において工学または理学に関する過程を修めて卒業したものや、第一種衛生管理者に合格した者などがあります。また、作業環境測定士や労働衛生コンサルタント試験に合格した者も受講資格が得られるのです。

Q.試験勉強のポイントは?
A.衛生管理者の試験は、過去問から類似問題が出題される可能性があります。過去問を何度も解きましょう。最初は、テキストを使って基礎知識を頭の中に入れ、その後で過去問を解いてください。そして、過去問で間違った問題や分からなかった問題があれば、理解できるまで何度もテキストを読み直しましょう。

Q.更新試験はあるのか?
A.衛生管理者の資格に有効期限はありません。一度取得すると更新手続きすることなく、永久的に持ち続けることができます。

まとめ

衛生管理者は、衛生工学衛生管理者・第一種・第二種と3つの種類に分かれています。それぞれ選任される業種が異なるため、すでに働いている方は取得すべき資格を誤らないようにしてくださいね。上位資格となる衛生工学衛生管理者はすべての業種で選任されますが、第一種と第二種は限られています。それぞれの違いをきちんと把握した上で、資格取得のための勉強を続けましょう。区分によって試験内容や受験資格も異なるので十分に注意しなければなりません。

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