行政書士の資格取得や試験の勉強法とは?

行政書士として働きたい!
資格の取得方法や
試験の勉強法を解説!

国家資格の1つである行政書士は、社会保険労務士や税理士と並ぶ士業資格です。頼れる法律家ともいわれており、テレビドラマやコミックで取り上げられることも多く、世間の認知度も高まってきています。しかし、まだ知られていない職業でもあるため、「どういう仕事をするのか?」「行政書士の資格取得方法がわからない」など、悩んでいる方が多いのではないでしょうか。そこで、本記事では、行政書士の基礎知識や資格・試験・試験勉強の方法などについて詳しく説明します。

この記事を読むことで、行政書士の基礎知識や資格取得のための情報を知ることができます。行政書士として働きたいと思っている方は、ぜひチェックしてください。

01. 行政書士の
基礎知識

行政書士として働くためには、基本的な知識を身につけておかなければなりません。どのような仕事なのか、目的やできること、司法書士との違い、業務・魅力について詳しく説明します。

行政書士ってどんな仕事

行政書士は、行政書士法に基づく国家資格の1つです。弁護士・弁理士・司法書士・社会保険労務士・税理士・土地家屋調査士・海事代理士と並ぶ、8士業の1つでもあります。日本の行政は、福祉行政が重視されているため、官公署への書類を提出する機会が増えているのです。たとえば、産業廃棄物の業務開始やNPO法人の申請など、必要な書類を提出しなければなりません。しかし、書類作成のためには高度な知識を要することもあります。そんなときに、大きな役割を担うのが、法律のプロである行政書士なのです。

目的・できること

行政書士は、法律の専門科です。依頼者が必要としている書類を、素早く正確に作成すします。官公署に申請する書類は膨大ですが、専門知識を持っているプロは的確に作成できるのです。また、相談から書類作成・提出代理まで行います。さらに、会計記帳や決算・財務諸表など会計業務に関わり、ビジネスコンサルタントとしての役割も担っている職種です。

司法書士との違いなど

行政書士・司法書士どちらとも“書士”という名前がついていますよね。どちらとも法律関係の資格ですが、仕事・収入・試験の合格率と3つの違いがあるのです。それぞれの違いについて詳しく以下に記してみました。

仕事の違い

  • 行政書士:官公署へ提出する書類作成や手続き代理などを中心に行う
  • 司法書士:法務局・裁判所・検察庁などに提出する書類作成や手続きの代理を中心に行う

収入の違い

  • 行政書士:およそ400万~600万円
  • 司法書士:およそ600万~800万円

試験の合格率

  • 行政書士:およそ3~10%前後
  • 司法書士:およそ2%前後

業務について

行政書士の主な業務は、官公署へ提出する書類または、事実証明に関する書類の作成です。これらは、独占業務といわれており、行政書士だけが行える業務といえます。以下に、行政書士の業務内容をまとめてみました。

  • 官公署に提出する書類の作成と、その代理・相談業務
  • 権利業務に関する書類の作成と、その代理・相談業務
  • 事実証明に関する書類の作成と、その代理・相談業務
  • 創業支援サポート
  • 補助金・助成金の申請支援サポート
  • 中小企業に対するビジネスコンサルティング業務

魅力について

行政書士の魅力は、許認可申請のプロフェッショナルであることです。法律関係がわからない一般人からしてみると、官公署の申請に必要な書類の作成は困難と言えます。しかし、法律や許認可申請に詳しい行政書士に依頼すれば、的確かつスピーディーに作成・提出が可能です。一般市民の力になれること、また、中小企業に対して法務的観点からのアドバイスができることも、行政書士の魅力となります。

02. 行政書士の
資格について

行政書士の資格を取得すれば、どのようなメリットが生まれるのでしょうか。資格取得のメリットや資格取得条件、難易度・合格率について詳しく説明します。

資格取得のメリットについて

行政書士の資格取得は、たくさんのメリットがあります。一体どのようなメリットがあるのか、詳しくチェックしておきましょう。

就職・転職・求人

行政書士は、専門的な職業となるため、ほかの職業よりも求人数は少なめです。しかし、就職・転職が困難というわけではありません。行政書士を欲しがっている行政書士事務所や法律関係の事務所はあります。専門的な職業だからこそ、貴重な存在と言えるでしょう。就職・転職を有利にすすめるためには、資格取得が第1条件です。

給料について

行政書士の平均年収は、およそ400万~600万円です。しかし、大手企業と契約している方や有名な方は、2,000万~3,000万円ほど稼いでいます。また、個々の依頼でやりくりしている方もいれば、顧客先を持って毎月安定した給料を得ている方もいるのです。給料は人それぞれ、稼ぎ方によって異なることを覚えておいてください。

将来性

現在の日本は、高度情報通信社会と言われています。行政書士は、高度情報通信社会における行政手続きの専門家とも呼ばれており、許認可手続きの業務やコンサルティングなどを含めた業務に移行しているのです。許認可手続きの業務だけではなく、“業務の広がり”を意識していかなければなりません。また、行政サービスの向上によって、官公署に提出する書類のうち簡易なものは、申請者本人でも作成できるようになっています。行政書士として働くためには、高度な専門知識を必要とする書類作成への関与を深めることが大切です。

資格条件

行政書士の資格を取得するためには、以下の条件をクリアしておかなければなりません。

  • 行政書士試験に合格した者
  • 弁護士・弁理士・公認会計士・税理士となる資格を有する者
  • 国または地方公共団体の公務員として「行政事務」を担当した期間が20年以上。もしくは、特定独立行政法人または特定地方独立行政法人の役員・職員として「行政事務」に担当する事務を通算20年以上果たした者

難易度・合格率

法律系の資格は、難易度が高く、試験合格まで時間を要するイメージがありますよね。行政書士は、ほかの法律系資格よりも出題範囲が限られており、取り組みやすい資格です。しかし、専門的な法律を理解しておかなければならないため、丸暗記だけでは合格が難しい傾向があります。実際のところ、合格率はおよそ3~10%を前後している状態です。

03. 行政書士の
試験について

それでは、行政書士の試験内容について詳しく説明します。受験を考えている方は、ぜひ参考にしてください。

受験資格

行政書士の受験資格は、特に制限がありません。性別・年齢・学歴・国籍等に関係なく、誰でも受験することができます。初心者でも、安心して勉強を始めることができるでしょう。平成28年度の試験受験者は、最年長が91歳、最年少が10歳と幅広い方が受験しています。

試験内容・科目

試験内容は筆記試験です。試験科目は以下のとおりとなります。

行政書士の業務にかんし必要な法令等(出題数46題)

  • 憲法
  • 行政法(行政法の一般的な法理論・行政手続法・行政不服審査法・行政事件訴訟法・国家賠償および地方自治法を中心とする)
  • 民法
  • 商法および基礎法学

行政書士の業務に関連する一般知識等(出題数14題)

  • 政治・経済・社会
  • 情報通信・個人情報保護
  • 文章理解

出題形式は、<行政書士の業務にかんし必要な法令等>が択一式および記述式、<行政書士の業務に関連する一般知識等>が択一式となります。

試験概要

行政書士資格試験の申し込み方法、費用、日程・場所について詳しく説明します。

申し込み方法

行政書士の試験を実施しているのは、一般財団法人行政書士試験研究センターです。毎年1回、11月ごろに実施されています。申し込み方法は、郵送またはインターネットのどちらかです。郵送の場合は、受験願書・試験案内を窓口で受け取るか、またはセンターに郵送で請求してください。窓口・郵送ともに、8月ごろから配布開始となります。インターネット申し込みの場合は、センターのホームページから可能です。

受験料

受験手数料は、7,000円です。申込者本人名義のクレジットカード、またはコンビニエンスストアで支払います。詳細は、センターのホームページに記載されているので確認してください。

日程・場所

行政書士の試験は、毎年11月第2週目の日曜日に行われます。試験時間は、午後1時~午後4時までの3時間です。試験場所は、全国各地の試験会場となります。申込時に、試験場所の選択を間違わないようにしてください。

そのほか注意点

申込時は受験願書のほか、縦4センチメートル×横3センチメートルサイズの顔写真が必要です。インターネット申し込みの場合も、高さ4:幅3の顔写真画像が必要となるため、事前に用意しておいたほうがいいでしょう。また、申し込み方法によって、受験手数料の支払いが異なります。郵送の場合は、専用の振替払込用紙で郵便局窓口にて支払いを行い、インターネット申し込みの場合は、クレジットカードまたはコンビニエンスストアでの支払いです。センターのホームページで、受験までの流れを確認しておきましょう。

04. 行政書士の
試験勉強について

資格が取得できるかどうかは、勉強にかかっています。1発合格を目指すためにも、勉強法やテキスト・参考書、過去問などについて詳しくチェックしておきましょう。

勉強法について

独学・通学・通信講座と、さまざまな勉強法があります。それぞれのメリット・デメリットを以下にまとめてみました。

独学

  • メリット:自分のペースかつ低費用(テキストや参考書代だけ)で勉強できる
  • デメリット:わからないところを自分で解消しなければならない

通学

  • メリット:先生から直接学ぶことができる・わからないところもすぐに教えてもらえる
  • デメリット:受講日や時間が決まっている・通学費用がかかる

通信講座

  • メリット:試験のポイントを押さえたテキストで勉強できる・空いた時間を活用できる
  • デメリット:お金がかかる(中にはお得な値段で利用できるところもある)

どの勉強法を選択すべきか、ライフスタイルを踏まえて考えてみてください。仕事や家事で忙しい方は、自分のペースで勉強できる通信講座がおすすめです。金銭面や時間に余裕がある方は、通学を選んでもいいでしょう。

テキスト・参考書について

テキスト・参考書選びは、自分にとってわかりやすい内容かどうかを重点に置いて選ぶといいですよ。ほかの人からおすすめされた本だとしても、自分が理解できなければ意味がありません。また、試験ポイントを押さえているかどうかも要チェックです。何冊も購入しがちですが、1冊にしぼり、何度も読み直していきましょう。以下に、おすすめのテキスト・参考書をいくつかピックアップしてみたので、ぜひチェックしてみてください。

過去問

平成28年度実施の試験問題・解答が、センターのホームページに記載されています。無料で公開されているので、ぜひチェックしてみてください。過去問から類似した問題が掲載される可能性もあるため、何度も解いておいたほうがいいですよ。何度も解き続けていけば、自分の苦手分野もわかります。行政書士の過去問も、以下にいくつかピックアップしてみました。

そのほか注意点

行政書士の試験合格率は、およそ3~10%です。何年も試験を受けて、やっと合格したという方もいます。そのため、試験に合格するためには、計画的な準備が必要です。法律をきちんと理解しなければならないため、最低でも、8か月前から勉強を始めましょう。最低でも1日1時間の勉強時間を確保してください。勉強時間の確保が難しい方は、できるだけ早い時期から勉強を始めることが大切です。毎日コツコツと勉強を続けることこそ、合格のポイントと言えます。

05. 行政書士に関して
よくある質問

行政書士に関してよくある質問を5つピックアップしてみました。

Q.行政書士はどのくらいいるのか?
A.行政書士として働くためには、日本行政書士会連合会の行政書士名簿に登録しなければなりません。現在の登録者数は、およそ43,000人です。日本人口は1億2,000人といわれているため、3,000人に1人が行政書士ということになります。

Q.独立はできるのか?
A.行政書士の資格を取得してから、すぐに独立する方はいます。しかし、経験と実績を積むことで信用が得られるため、まずは、行政書士事務所や法律関係の事務所で働く方がほとんどです。実績と経験を積んでから、独立をして活躍されている方はいます。

Q.行政書士試験の合格基準とは?
A.行政書士の業務にかんし必要な法令等科目の得点が満点の50%以上、行政書士の業務に関連する一般知識等科目の得点が満点の40%以上となっています。また、試験全体でいうと、満点の60%以上であることが必要です。

Q.特定行政書士とは?
A.平成26年度の行政書士法改正により、日本行政書士連合会実施の研修を修了した行政書士に与えられる証票です。特定行政書士は、不服審査請求の申し立てができます。官公署に提出する書類・許認可などに関する審査請求や異議の申し立てなどは、弁護士ができることです。つまり、特定行政書士になれば、さらに、仕事の幅が広がるでしょう。

Q.勉強のコツが知りたい
A.法令科目において、行政法と民法・一般知識科目の採点比率が高い傾向があります。そのため、確実に回答できるようポイントをしぼってください。民法は出題範囲や条文が多く、気後れしがちですが、過去問を丁寧に解いていけば理解できます。時間に余裕を持ちながら、毎日勉強を続けてくださいね。

06. 行政書士
まとめ

いかがでしたか? 行政書士は、官公署へ提出しなければならない書類の作成や手続きの代理、ビジネスコンサルティングなどの幅広い業務を行う国家資格です。従来は、依頼されたとおりの書類作成を中心に行っていましたが、高度情報通信社会と言える今は、複雑多様なコンサルティングと高度な書類作成を行うための知識が必要とされています。行政書士として1人前になるためには、資格試験にパスしなければなりません。合格率は3~10%前後と、難易度が高めなので計画性を持った勉強が大切です。しっかりと準備を整えてから、試験に挑みましょう。きちんと資格試験の内容やポイントを押さえておけば、合格できる可能性が高まりますよ。

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